建築とデザインとその周辺をめぐる巡回企画展


展示内容

ゑびす大黒 -笑顔の神さま-  展

烏帽子をかぶり、釣竿を持って、鯛を抱えるゑびすさま
打出の小槌を持ち、袋を背負って、米俵に乗る大黒さま


日本人にとって最も親しみ深い神さまである、ゑびすさまと大黒さま。
家内安全、金穀増収、寿福円満などの願いを託され、茶の間や台所などに鎮座して、 日々の暮らしをひっそりと見守ってきました。
会場には、江戸から明治期にかけてつくられた木彫のご神像が約270点登場。
古色を帯びて黒光りする今も、驚くほど個性豊かな表情で笑みをたたえ、温かなパワーを放っています。また、江戸時代後期から広告として用いられた「引札」や新造船の祝儀として船主へ贈られる「大漁旗」にもゑびす大黒たちは登場します。 庶民を見守る福の神のパワーをぜひ会場で感じてください。
ゑびす大黒 -笑顔の神さま-

会場写真:INAXギャラリー大阪

■ 会場に並ぶご神像。見て楽しむ、知って楽しむ、
ゑびすと大黒、それぞれが日本でカップルになるまで。


□ゑびすは海からやってきた
海の彼方から漂着したとされ、「戎」や「夷」の漢字が当てられて漁民の間で信仰が生まれ ました。大漁祈願や海上安全を願う素朴な信仰は、やがて、蘆(あし)の小舟で流された耳 が聞こえず足の立たない蛭児神(ひるこしん)とも、大国主命(おおくにぬしのみこと) の子供の事代主命(ことしろぬしのみこと)とも同一視され、神社に祀られます。信仰が 各地に広まっていくにつれ、漁村では漁の神、農村では田の神、都市では市の神や商売繁 盛の神として、人気が高まっていきました。



□大黒天はインド生まれ
大黒天はインドのヒンズー教の神「マハーカーラ」が原形。「マハー」は「大」、「カーラ」 は「闇、黒」を意味し、暗黒、つまり死を支配する恐ろしい大王でした。中国に伝えられ ると、「大黒天」として仏教に取り込まれ、食糧を守る神となります。平安時代、唐から帰朝し た最澄が比叡山延暦寺の庫裏(くり)に祀ったのが本邦初のお目見え。やがて、大黒天 は出雲神話の大国主と習合し、「大黒さま」という庶民の福神として親しまれていきます。



□ゑびす大黒、カップルの誕生
神社に祀られるゑびす神と、寺院に祀られる大黒天。それぞれ出自の異なる両神が、 室町時代中期頃には福神コンビとして親しまれるようになります。江戸期に入ると二神の絆はさらに強まり、 「寿福両神」と呼ばれて、仲良く並べて祀られるようになった。一対になったので、当然のごとく、顔は似た者同士に。
しかし、平凡な顔立ちでは有り難みに欠けると思ったのか、ずいぶんと個性的なキャラクターが際立つようになりました。
ゑびす大黒 -笑顔の神さま-

ひな壇にずらりと並ぶゑびす大黒のご神像。

ゑびす大黒 -笑顔の神さま-

大きさやかたちも様々で、一つとして同じものはない。

ゑびす大黒 -笑顔の神さま-

右手に巾着を持ち、半跏の武装をした大黒像。鎌倉時代の作といわれる。撮影:小山主芳

■ 豊漁祈願の大漁旗


漁の神さま「ゑびす」は、大漁旗の図柄にもよく描かれました。大漁旗は帰還する漁船が港の者にいち早く 大漁を知らせる信号旗。新造船の祝儀として船主へ贈るもので、明治から昭和の時代に盛んにつくられました。 ゑびすの他には、鶴亀、松竹梅、宝船、鯛などの縁起物が多く選ばれています。変わり種では、達磨大師や独楽。 達磨大師は七転び八起きで船が転覆しない、独楽はよく回るから荷動きがいい、という意味が込められています。


ゑびす大黒 -笑顔の神さま-

ゑびす大黒 -笑顔の神さま-

色鮮やかな大漁旗。鯛を抱えたゑびすがどっしりと座る。撮影:小山主芳

■ 商売繁盛の縁起もの


商品や商店の広告として配られた「引札」。江戸時代後期から盛んになり、明治に入ると多色石版刷りの 色鮮やかな引札が大量につくられるようになりました。 そこでも大活躍したのが、ゑびすと大黒。とくに得意先に配る正月用引札には、縁起ものが多く描かれたが、 福助や松竹梅を制して、圧倒的に出番が多くありました。気さくな神さまなので、番頭になりすましてソロバンをはじいていたり、 かいがいしく米俵を運んでいたり。ユーモラスな姿が人気の秘密でした。





ゑびす大黒 -笑顔の神さま-

広告らしいしゃれのきいた引札の数々。

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