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イラン サファヴィー朝タイルの復原 −クエルダ・セカ手法−
2011/7/13
文化活動への貢献

“クエルダ・セカ手法”とは、釉薬の色同士が混じり合うのを防ぐために、水をはじく絵具で輪郭を描き、その内部を色釉薬で彩色する手法です。
16〜18世紀のサファヴィー朝イランで作られたタイルに多く用いられています。焼きあがったタイルでは輪郭部分が平らな紐状となるため、クエルダ・セカ(スペイン語で「乾いた紐」の意味)と呼ばれています。

これ以前に多彩な絵をタイルに表現する手法としては、単色のタイルを細かにカットして組み合わせるモザイク手法が長い間使われてきましたが、膨大な手数が掛かるため、水をはじく輪郭線を使う「クエルダ・セカ」と、素地の輪郭部を凸にして絵具の混じりを防ぐ「クエンカ」手法が生まれました。

クエンカ手法はのちにヨーロッパにも伝わり、英国のヴィクトリアンタイルなどで多用されることになります。





「ものづくり工房」では今回、このクエルダ・セカ手法の再現に取り組みました。




クエルダ・セカ手法による青地多彩花紋タイル(17世紀/イスファハーン)
クエルダ・セカ手法による青地多彩花紋タイル(17世紀/イスファハーン)
イスファハーン イマームモスク内部に張り詰められたクエルダ・セカ手法のタイル
イスファハーン イマームモスク内部に張り詰められたクエルダ・セカ手法のタイル





再現とは言っても17世紀のイランと、現代の日本では同じ原料が使えるわけではありません。手に入る原料で、色や焼き締まりの程度、さらに使おうとする釉薬との相性の良いものを探し、原料を選定して素地(きじ)を作ります。

素地原料のテストピース

次は彩色です。イランで作られたクエルダ・セカのタイルは、7色の色釉薬を使うことが多いため、「ハフト(7つの)ランギー(色)」タイルとも呼ばれています。この7つの色を再現します。


色釉薬のテストピース

素地と色釉薬が決まったら、水をはじく絵の具を使って輪郭を描きます。

輪郭の中に、筆で色釉薬を一色ずつ置いてゆきます。

すべての色釉薬を置いたら、これを高温で焼成して完成です。




クエルダ・セカのオリジナルタイルと今回の復原試作品です。

オリジナル青地多彩鳥紋タイル(17世紀イスファハーン)
オリジナル青地多彩鳥紋タイル(17世紀イスファハーン)
復原試作品
復原試作品




イスラームのモスクを埋め尽くしたクエルダ・セカのタイルに少しでも近寄れたでしょうか。



クエルダ・セカについてはこちらの研究レポート(「イラン、サファヴィー朝の7彩タイル」)もご覧ください。





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