INAXライブミュージアム ものづくり工房 ものづくり工房

アーティスト岡崎乾二郎がタイルに絵を描く
2010/11/ 1
クリエーター・コラボレーション

岡崎乾二郎制作のタイルをINAXライブミュージアム「ものづくり工房」がお手伝いしました。


岡崎乾二郎は、1980年代初頭から現在に至るまで、絵画や彫刻のみならず、建築、ランドスケープデザイン、映画、絵本、舞台美術、衣裳デザインと、様々な制作活動を展開してきた造形作家です。
また、評論や教育活動によって後続の世代にも大きな影響を与えてきました。

今回我々がお手伝いしたのは、岡崎さんが設計した個人住宅の床に敷く、タイル作品の制作です。
アート作品の上を歩くことになる贅沢な床となりました。
リビング・キッチン・トイレの床など、使用したタイルは300mm角タイル300枚以上。
タイル制作期間は4ヵ月。準備期間も含めると半年にもおよびました。

アーティスト岡ア乾二郎がタイルに絵を描く 1
アーティスト岡ア乾二郎がタイルに絵を描く 2

およそ20種類以上の素地の発色試験が行われました。この中から数色に絞り込み、約15種類の釉薬を掛けて釉薬の発色も確認していきました。

釉薬は、掛けた時の厚みによっても色が変化します。
岡崎さんは釉薬を厚く掛けたり、薄く掛けたりと試験を繰り返し、最適な厚みを出せるように道具の工夫も積み重ねていきました。

数々のテストピース1 数々のテストピース2 数々のテストピース3

数々のテストピース

また、釉薬が重なり合う箇所でも実験を繰り返し、釉薬を塗る工程で色が混ざるもの、焼く行程で色が混ざるものなど、釉薬の発色の研究が続きました。

焼成前の釉薬の色と、焼成して現れる釉薬の色とは大きく異なるため、岡崎さんは焼成して現れる色彩をイメージして制作されていきました。
また、タイルとタイルのつながりを意識し、タイルを並べながら一色ずつ釉薬を施して制作されていきました。

このように実験を繰り返し、また何度も色を確認し、制作された300枚ものタイルは、リビングやキッチン、トイレなどに施工され、2010年1月に竣工されました。


岡ア乾二郎氏

300枚ものタイル1



300枚ものタイル2



300枚ものタイル3



300枚ものタイル4



釉彩陶磁床

個人住宅のタイル制作後、
岡崎さんは引き続き144枚組のタイル作品の制作に入りました。
新たに釉薬の表情を確認する試験が行われ、慎重に制作が進められていきました。

完成した二つのタイル作品は、
東京都現代美術館 特集展示:岡崎乾二郎
前期:2009年10月31日−2010年1月24日
後期:2010年 1月26日−2010年4月11日

の後期に展示されました。
展示室内の二つの正方形の空間に、異なるタイル作品「釉彩陶磁床」が敷かれ、実際にその上を歩くことができました。
足下から広がる空間と、目の前に広がる空間に包み込まれるような感覚になりました。

釉彩陶磁床1



釉彩陶磁床2

釉彩陶磁床3
釉彩陶磁床4

今回の制作に関わり、岡崎さんの作り出す色彩豊かなタイルの美しさに、タイルの良さ、焼き物の良さを改めて感じさせていただきました。

INAXライブミュージアムものづくり工房では、今後もタイルの持つ可能性を追求して行きます。



岡ア乾二郎 *HPの関係上、本文中は岡崎乾二郎と表示しています。
1955年東京生まれ。
造形作家、批評家。1982年パリ・ビエンナーレ招聘以来、数多くの国際展に出品。2002年にはセゾン現代美術館にて個展。同年「ヴェネツィア・ビエンナーレ第8回建築展」(日本館ディレクター)、現代舞踊家トリシャ・ブラウンとのコラボレーションなど、つねに先鋭的な芸術活動を展開。近畿大学国際人文科学研究所教授、副所長。
作家HP:http://kenjirookazaki.com/




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