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2011/02
アミューズミュージアム


museum_ent.jpg 今回は、2009年11月にオープンしたアミューズミュージアムをご紹介します。
アミューズミュージアムは東京メトロ銀座線浅草駅から徒歩5分ほど、浅草寺の東にある二天門の目の前にあります。
母体は福山雅治や桑田佳祐などが所属する大手芸能プロダクションのアミューズです。日本の民俗資料に重点を置いた美術館で、メインの展示物はINAX BOOKLET『津軽こぎんと刺し子』でもお世話になった、田中忠三郎氏のコレクションです。現・アミューズ最高顧問の大里洋吉氏と田中忠三郎氏が同じ青森出身だったこともあり、ここでの常設展示が実現しました。
現在、田中忠三郎氏はこのミュージアムの名誉館長であると同時に、最高齢のアミューズ所属アーティスト(!)とのことです。
■鑑賞、食、実践が揃った総合ミュージアム
アミューズミュージアムのビルは6階建てです。1階から順にご案内いたしましょう。今回案内してくださったのは、ミュージアム広報担当の小島淳さんです。

*1階 ミュージアムショップ・浮世絵シアター
ビルに入ると、ミュージアムショップが広がっています。手ぬぐいや根付といった和小物、浅草土産があり、浅草観光のお土産を探すためだけでも寄りたくなります。
少し奥のミュージアム受付近くには書籍などが置かれ、田中忠三郎コレクションの一部をここで購入することができます。和菓子の木型や竹カゴなど、かつてどこかで大事に使われていたであろう歴史を持った品の数々がきれいに修復された状態で売られています。また、海外のアンティークも売られており、さながら骨董市のようで、ひとつひとつを手にとって眺めているとあっという間に時間が経ってしまいます。INAX BOOKLETもこちらで販売していただいています。
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受付を通ると、最初にUKIYOEシアターがあります。
ボストン美術館のスポルディング・コレクションには、状態保存のために現物は非公開とされた作品がいくつも存在しますが、ここでは、これらの非公開作品から厳選されたものの高精彩デジタル画像を上映しています。
映像は作品が描かれた時代背景やみどころなどを解説した音声付きで、美術館で実際の作品を観ても気付かないような細部までアップで観ることができます。現在上映されているのは歌川広重の『名所江戸百景 浅草田圃酉の町詣』や葛飾北斎『富嶽三十六景 神奈川沖浪裏』など6点。小島さんによると、準備が出来次第、新しい浮世絵画像を公開していくとのこと。とても楽しみです。
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*2階〜3階 ギャラリースペース・展示室
2階に上がるとすぐに、ギャラリースペースがひろがっています。ここでは絵画、写真、書など、ジャンルを問わず1月ごとに作品を展示しています。
ギャラリーを抜けると、第一展示室があります。田中忠三郎氏が何十年もかけて集めてきたボロや刺し子、生活道具の怒涛のコレクション展示がここから始まります。
「ボロ」とは、江戸時代に布が貴重なものであった青森の山村・農村・漁村において、継ぎを当てながら何代も大事に使われ続けていた衣類のこと。また「刺し子」とは、藍色に染めた麻の衣類に当時貴重であった綿の糸を細かく刺し、補強・保温性を高めたものです。
継ぎだらけのボロは、田中忠三郎氏がその時代背景やデザイン性を世に広めるまでは「貧しい時代の恥ずかしいもの」として押入れの奥ににしまわれていたり、捨てられたりしていました。しかし現在では「BORO」の名で、もったいない精神とハイファッションなデザインを併せもつものとして世界の注目を浴びています。
そういった背景、また浅草という場所柄もあり、このミュージアムには海外からの来客が多いそうです。そのため、UKIYOEシアターの映像は英語字幕が入っており、展示物にも英訳がついています。私達が取材していた際にも、外国の方がじっくりと展示物を眺めていました。

3階の特別展では現在、「タッツケ」とよばれる、虫が入らないように裾がすぼまった青森南部の女性の仕事着が展示されています。
畑仕事は当時の社交場でもあり、そこで履くタッツケに、娘たちは寝るのを惜しみながら競うように刺し子を入れた、とのこと。いま流行のサルエルパンツのような形をしており、配色や刺し子の入れ方は、今おしゃれ着として着用して町を歩いていてもまったくおかしくないくらいの美しさです。服飾デザインを学ぶ人が参考のために観にきたり、また若い女性から「これはショップで販売していないのか?」と問い合わせがあるそう。
「当時の女性は小柄だったので、ふくらはぎから裾はかなりタイトですよ。企画展のポスター撮影のためにモデルの子に着てもらったのですが、細身のその子でも足を通すのに一苦労でした」と小島さん。タッツケを美しく着こなすにはなかなか努力が必要のようです…。
このミュージアムの大きな特徴は、ほとんどの作品が実際に触れられること、展示の仕方がユニークであることです。企画展で展示されていたタッツケは重要有形民俗文化財であり、通常の博物館ではガラスケースに収められていてもおかしくありません。しかしここでは、たくさんのタッツケがまるで風に吹かれて空を舞うようにレイアウトされています。
また、刺し子の細かい細かい糸を指でなぞったり、幾重にも継がれたドンジャ(半纏のような形の夜着)を実際に羽織って重さを体感したりと五感で展示物を味わえるため、より一層、当時の人々の暮らしに思いを馳せることができます。
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*4階〜 津軽三味線教室・バー・屋上
4階から上には津軽三味線教室のスタジオやバーがあり、夜にはライトアップされた浅草寺を、バーの窓から眺めながらお酒を楽しめます。また屋上からは、浅草寺はもちろんのこと、建設中のスカイツリーがそびえたつ絶景が広がります。

鑑賞・実践・食が揃った、展示物を「魅せる」美術館。まさにエンターテイメント事業に携わるアミューズの面目躍如といえるでしょう。浅草にきたときには、ぜひ訪れてみてください。

※たくさんのタッツケが観られる特別展「LOVE! Handmade 〜手しごと刺繍展〜」は2011年4月3日(日)までです。
アミューズミュージアム
〒 111-0032
東京都台東区浅草2丁目34番3号
浅草寺本堂東側、重要文化財「二天門」に隣接
TEL:03-5806-1181(代表)
アミューズミュージアムURL:http://www.amusemuseum.com/

営業時間
  美術館:10:00〜18:00(最終入館は閉館30分前まで)
  バー :18:00〜翌2:00
定休日:毎週月曜日(月曜祝日の場合は翌日休館)

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