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技術と歴史展

第3回「日本の近代装飾タイル −和製マジョリカタイルと白色タイル−」
2003年7月1日(火)〜2004年6月27日(日)

日本のタイルの3回目として「和製マジョリカ・タイル」を取り上げています。明治末に乾式成形法によってつくられた本格的なタイルが、このマジョリカタイルです。金型で花柄など凹凸のレリーフを施した152mm角、10mmの硬質なタイルで、筆で一色ずつ数種類の色釉を載せるなど製造に手間のかかった装飾タイルです。展示は、佐治や淡陶、不二見など内装タイルのパイオニアメーカーのタイルの現物のほかに、国内外の施工例写真、また少し遅れて登場し定着していった白色無地タイルをその豊富な役物とともに紹介しています。大正から昭和10年代まで10数社が参入し、輸出までして儲けた時代の遺産です。贅沢な原料を使った真白な素地の、これら懐かしいタイルを存分ご鑑賞ください。


会期

2003年7月1日(火)〜2004年6月27日(日)

時間

10:00AM〜5:00PM(入館は4:30まで)

会場

1階 常設展示会室・企画展コーナー

休館日

毎週月曜日

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本展の「和製マジョリカ・タイル」とは、大正初期から昭和10年代にかけて日本で生産された多彩色レリーフ・タイルのことを指します。このタイルは、近代イギリスの装飾タイルを模倣したもので、タイルメーカーのミントン社が当時「マジョリカ・タイル」という商品名で売り出していたので、日本でもそれをそのまま呼び名とし、タイル業界で広く流通しました。イギリスで生まれたこの「マジョリカ・タイル」は、正式な様式名称ではありませんが、15〜16世紀のイタリアやスペインの錫釉色絵陶器、いわゆるマジョリカの流れをくむ多彩色表現ができるという意味合いから、このタイルのために開発した色釉を「マジョリカ釉」と命名し、「マジョリカ・タイル」という商品名をカタログに載せました。

和製マジョリカ・タイル以前の内装タイルとしては、瀬戸の本業敷瓦があり、粘土質の原料で湿式型押し成形し、銅版転写で絵付けするという製法でした。しかし、当時輸入されていた英国の硬質陶器質のマジョリカ・タイルに比べて、寸法精度や平滑度の点で見劣りがしました。そこで、不二見焼や淡陶社は英国タイルの製法を研究し、明治40年頃に相次いで粉末原料による乾式プレス成形法を確立し、長石質陶器質(=硬質陶器質)の多彩色レリーフ・タイル、いわゆるマジョリカ・タイルを完成させたのです。平滑無地のタイルではなく、多彩色で凹凸の大きい、まさに製造工程の複雑な難題ものにいきなり取り掛かったのでした。大正時代になると、多治見や名古屋を中心に多くの硬質陶器質タイルのメーカーが誕生しました。




和製マジョリカ各種


メーカーとしては、不二見焼、淡陶、長谷川製陶所、佐藤化粧煉瓦工場、佐治タイル、廣正商店、山田タイル店、月星建陶社など10数社もあり、各社ほとんど同じように、英国タイルのコピーや日本オリジナルの意匠による品揃えをしていました。当初は、国内の洋館や旅館、銭湯、一般建築の水周り向け需要でしたが、大正末期から昭和初期には、中国や東南アジアへの輸出が盛んになり、輸出先の嗜好に応じた意匠で特注生産も行いました。昭和6〜7年の輸出の最盛期には、満州,中国、台湾からインドまでの東南アジア諸国、オーストラリア、アフリカまで輸出されました。いずれにしても和製マジョリカ・タイルは、高級品で富裕層にしか買えませんでした。これらの装飾タイルは豊かさのシンボルとして人々の心を満たしていたことは間違いないでしょう。




台湾民家


また、大正時代には国内向けに、タイルの衛生的な機能面を重視した白色無地の硬質陶器質の内装タイルが、ホテルや銭湯、旅館向けに盛んにつくられ、以後日本での装飾タイルの出番は徐々になくなっていきました。やがて、関東大震災の復興需要で、鉄筋コンクリート造のビルが建ち、新興の文化住宅が建つようになると、そのトイレ、風呂、台所などの水周りに使われ、白色無地タイルの需要が加速していきました。




国内元銭湯

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