INAXライブミュージアム 世界のタイル博物館 INAX TILE MUSEUM

博物館概要
常設展
展覧会のご案内
企画展一覧
やきもの新感覚シリーズ一覧
展覧会一覧
研究レポート
タイル・れんがの豆知識

展覧会のご案内


技術と歴史展

第5回「伝統釉が魅力の施釉タイル」展
2005年7月3日(日)〜2006年12月24日 ※終了しています

第4回の無釉の土物タイルの魅力に引き続き、今回は土物+釉薬でさらに、深みを増した施釉タイルを取り上げます。大正時代や昭和30年代ころまでに主に内装用に製作されたタイルで、泰山(たいざん)製陶所や山茶窯(つばきがま)などの名門メーカーが著名建築家とタイアップして建物を装飾しています。なまこ釉や伊羅保釉など、まるで一品物の工芸品を見るかのような味わいのある釉薬と最新の写真でご紹介します。



会期

2005年7月3日(日)〜2007年7月下旬

時間

10:00AM〜5:00PM(入館は5:30まで)

会場

世界のタイル博物館 1階 常設展示会室・企画展コーナー

休館日

毎月第3水曜日

tech5_namako_summary.jpgなまこ釉タイル




施釉タイルの歴史は古く、16世紀末に茶陶器として登場しています。村田珠光や武野紹鴎によってはじめられた侘茶で、鉄風炉の敷台として自然釉や織部・志野釉の掛かった陶板が使われました。そのほかには限定的な例として寺院の床に使われたものがありますが、建材として施釉陶板(=タイル)が一般的になるのは明治時代に入ってからです。

内装用は、当初から施釉タイルが中心で、暖炉周りや浴室、台所などの水周りの壁などに張られました。純白の陶器質の素地に透明釉を掛けた白色無地タイルのほか、イギリスの装飾タイルを模倣した多彩レリーフタイルが制作されています。

一方、外装用タイルが本格的に生産されるのは、関東大震災で赤れんが建築に終止符が打たれ、鉄筋コンクリート造の建築が登場するようになり、コンクリートの壁面を仕上げる手段として外装タイルが必要となったためです。当初は乾式成形の赤れんが調の無釉タイルが使われましたが、その後昭和初期には、湿式成形の無釉および施釉タイルが登場します。大正12年に竣工の帝国ホテルで使われた引っ掻き筋のあるスクラッチれんがの影響は多大でした。震災復興の昭和初期には、同じテキスチュアを持った無釉のスクラッチタイルが大流行し、大規模なビル外壁の仕上げから小規模な建物の内外の一部の装飾までさまざまなところで使われました。またこれと平行して、灰釉や伊羅保釉釉などを掛けた施釉スクラッチタイルも登場しています。さらに、スクラッチ以外にも、土物の平滑な素地や布目などの凹凸のある素地の上に、伊羅保釉やなまこ釉などの窯変調の伝統釉を掛けたタイルが登場しました。今展ではこれらを中心に展示しています。主な施釉のタイルメーカーとしては、京都を発祥の地とする池田泰山の泰山(たいざん)製陶所(後に瀬戸に移転)と、瀬戸で開窯した小森忍の山茶(つばき)窯製陶所が特に有名です。

いずれのメーカーも著名建築家と連携して、これらの味わいのある施釉タイルを効果的に使った建物を残しています。泰山は那須御用邸、甲子園ホテル(遠藤新)、綿業会館(渡辺節)などにタイルやテラコッタを納入。>


綿業会館

山茶窯は、岩崎男爵熱海別邸(曾禰中條設計事務所)、小笠原伯爵邸(同左)、銀座エビスヤビアホール(菅原栄蔵)、名古屋市庁舎などにタイルを納入しています。こののち昭和10年代の初めに、白素地にクリーム色や水色、鶯色などのパステル調の色揃えをした外装用の施釉タイルが登場しますが、これは洋館に見られる板壁にペンキ塗りの仕上げに通じるような人工的な色をまとった建物を仕上げるのに使用されました。耐火性や耐久性、汚れにくさなど、やきものであるタイルのメリットを生かした外装には違いありませんが、それまでの伝統釉を使ったタイルとは一線を画しています。すなわち同じ施釉タイルでも、前者はプレインな面状で洋風な雰囲気を持ち、後者は土物独特の色と肌合いを持つ素地と窯変調或いは結晶性の美しい釉面をつくりだす釉薬が融合して、芸術品を髣髴とさせます。

これらの施釉タイルは、戦後はクラフトタイルとして、店舗や住宅などの比較的小面積のところへの和風テイストのタイルとして使われましたが、現在は店舗を中心とした特注市場でこれまでにないやきものらしさをアピールして新しい用途を探りつつあります。

ページの先頭へ

LIXIL Link to Good Living

Copyright © LIXIL Corporation. All rights reserved.