INAXライブミュージアム 世界のタイル博物館 INAX TILE MUSEUM

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企画展(1階 企画展示室:入場券必要)

【2002年】「地球の贈りもの」−身近な土を見つめる−
2002年11月3日(日)〜2003年1月31日(金)

土は、太古からこの地上に存在し、自然界の生命活動に欠くことのできないものでした。地球のマグマが地表に飛び出して岩石となり、さらに風化して砂や粘土となり、動植物の有機物を取り込んで大地=土ができあがります。そのままの土は、粘りや堅牢さなどさまざまな特性を示し、焼いた土は含まれる金属化合物が美しい色を発現させます。例えば鉄を含む土は真っ赤な色に、銅を含む色は青や赤の色に。本展では、身近に使われている土に焦点を当て、その本質を解きほぐしながら土の有用性と美しさを紹介します。土が地球の贈りものだということを目の当たりに感じていただけるでしょう。本展を通じて、土を活用してきた先人達の知恵と工夫、そして地球の贈りものとしての土の奥深い神秘と可能性に触れていただければ幸いです。



会期

2002年11月3日(日)〜2003年1月31日(金)

時間

10:00AM〜5:00PM(入館は4:30まで)

会場

世界のタイル博物館 1階

休館日

毎週月曜日


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土は、大地や土壌、地面といった言葉と同じ意味合いを持ち、砂や粘土の混合物を中心に、動植物の屍骸、微生物、水分などから構成されたものです。日常用語として土ということばがあり、非常に身近な存在です。

植物は、大地に根を張り養分を吸収しながら成長していきます。そして種を大地にこぼして子孫を残していきます。動物は、おもにねぐらとして土を利用します。そして人類は、衣食住の生活の中で、文明の発展とともに土の利用を拡大させてきました。土の大部分を占める砂や粘土は、地球の内部にあるマグマが地表近くで冷えて固まった岩石が風化作用によってできたものです。地球上にあるこの土の恩恵を受けて人類は豊かな文明を築くことができました。それ故に、土はまさに、地球から人類を含めた生命に均しく与えられた地球からの贈りものなのだと思います。

土を利用した最先端の例では、純度の高い無機物を原料にしたニューセラミックス工業や薬品工業などがありますが、これらは土の原形を残していません。本展では、さまざまな土の利用の中でも、あまり加工していない粒が目に見える身近な土を取り上げてみました。住居では、日干しれんがの家、日本家屋に見る土壁、たたきの土間、瓦を葺くための葺土、食生活では、さまざまな用途のある土器や素朴な自然釉の掛かったやきもの、土木では、整地、埋立て、タタキ、土嚢、田んぼの畦道などに使われてきました。これらは、日干しれんがのように、太古の時代から現在まで使われている例もありますが、その多くは、プラスティックやコンクリート、ガラスなどの新しい素材に置き換えられているものも少なくありません。しかし、土の持つ、素材としての特長も多く、あらためて土のすばらしさを認識させられることは多いです。

「地球の贈りもの」展示


土は粒子からできていることから、その塊は自由な形になれます。土を袋に入れて作った土嚢は、袋ごと自由な形をとることができ、水害時には応急処置として、積み上げて隙間のない堤防を築くことができます。比重が2.5前後の土は重さも十分にあり水圧に耐えるのです。田んぼの畦道にも、土が使われます。水を張って田植えをするとき、一区画ずつ田の土でこてを使って畦を作ります。乾いた粘土は水を掛けると溶けて泥水になってしまいますが、水分をもった粘土は、水と接しても容易に溶け出すどけだすことがありません。この結果、満々と水を張った水田が粘土の畦道ひとつで保水されるわけです。瓦を葺くときに下地の板と瓦の間に土を接着剤として挟む葺き方があります。瓦や下地の歪みを自由な形になる土で補正しながら葺くため仕上がりが美しいと言われています。また、土による断熱効果もあります。形が自由にできるメリットは、逆に形が思いどおりにはなりにくい石を考えると判りやすいと思います。海を埋め立てるときや山を切り開いて整地する場合でも、大きくて重く動きにくい岩で境界をまず固め、次にその内側のすきまをくまなく充填するべく、形が自由になる土や砂が使われるのです。ツバメが巣づくりに使う土も小さくて一口ずつ運べること、粘りがあって形を作りやすいことが利点です。

土は、自由な形に成形した後、少し熱をかけて焼成すると硬くなります。こうして土器が世界各地で自然発生的に作られ生活の中で利用されてきました。海生粘土などの耐火度の低い土を選べば、低い温度でも焼き締まり水の漏れない容器にもなります。また、焼く前までは褐色や灰色だったものが、焼くとすばらしい姿を披露してくれます。土に含まれる金属の種類や量によって、金属独特の発色をするのです。鉄を含めば赤から黒の色に、銅を含めば緑や青、赤の色も出現します。本展で展示している伊豆の「芳村やきもの資料館」から拝借した芳村俊一氏の土の作品は、まさにこのことを立証してくれる貴重な資料です。畑の土を固めて窯を築き、その中で焼成したものですが、銅の含有量が1.3%という高濃度な珍しい土のため、釉薬に銅を含ませることなく素地と窯に使った土に含まれる銅で、青(酸化)と赤(還元)の斑点状の発色が見られます。窯からは銅が気体となって素地に蒸着しています。

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