INAXライブミュージアム


ライブミュージアム日記

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2009年以前の記事は、ライブミュージアムでの日々の出来事やスタッフの想いを綴ったものです。

2006年9月以前の記事は、土・どろんこ館開設準備室による「どろんこ広場」として書かれたものです。


独自企画や地域との連携で、コンサートや講演会、ワークショップなど、さまざまなイベントを開催しているミュージアム。ライブ感あふれる活動をスタッフがご案内・ご報告します。

No.195 「タイル街歩き その2 常滑」を 開催しました!

2016/02/25

担当 ものづくり工房 中斎

企画展「I LOVE タイル−タイルがつなぐ街かど」関連イベント
■タイルの街歩き その2 常滑
タイルの聖地・常滑を歩く

開催日時:2016年2月20日(土) 13:00-16:30

昨年12月に行った「タイル街歩き」に続いて、その2として常滑の街あるきを開催しました。先回に同様、企画展にご協力いただいた街歩きの達人・岡崎紀子さんにも参加していただきました。
「街を歩いて、建物の細部まで見て、面白いものを見つける。そんな街の歩き方を楽しんでくださいね」と、岡崎さん。
今回の案内人は、当館の磯村司が務めます。磯村は常滑生まれの常滑育ち、常滑の魅力を知っていただくことが大きな喜び。今日もやる気満々でやってきました。

案内人の岡崎さん

INAXライブミュージアム 磯村



あいにくの雨にもかかわらず、参加者は31人。「とにかくタイルが大好き」、「近代建築を見て歩くのが大好き」、「地形を読み解きながら歩きます」と、おっしゃる方々です。先回の「街歩き 京都編」に参加いただいた方たちもいらっしゃいます。
「近代産業である土管やタイルなど、やきもので表現された常滑の魅力を感じてください」。住宮館長の言葉に送られて、元気に出発!

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横断歩道を渡って細い道に入るとすぐに、古いスクラッチタイルの塀が続く工場が出現。映画『20世紀少年』のロケ地にもなった、かつてのタイル工場です。美術家の大竹伸朗さんもこの工場が大好きで、ここから持って帰った材料で作品もつくっているそうです。
「古い設備をそのまま使って、今は砥石を製造しています。中に入るといろいろなタイルがあって、ここだけでも半日は楽しめますが、今日はロケをしていて入れません」。残念!

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表が美容院、裏が理容店という店舗に張られた、市松模様のモザイクタイル。「かわいい!」

一列にならないと通れない路地を行きます。常滑でよく見られる、穴あきブロックの塀。

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こちらも常滑でよく見られる、やきものの塀。「塀までやきもので飾っているんですね」。


塀や家の土台に使われているのは、電纜管(でんらんかん)。地中に電線ケーブルを通すための土管です。
「常滑の景色は、土管、焼酎壜、電纜管でできています。土管と焼酎壜(びん)は、今は作られていませんが、電纜管はつくられています。中部国際空港でも使われているんですよ」。

「屋根を見てください」。見上げると、何者かが屋根の上に。ひげをたくわえた鐘馗(しょうき)さんです。向かいの家に鬼瓦があると家が衰退するという言い伝えから、鬼より強い鍾馗さんを屋根に上げて睨み返すのだとか。この鐘馗さんは、「常滑でいちばん男前」と磯村のお気に入りです。
「あそこにも鐘馗さんがいる!」「あの屋根の形面白いね」と、上空にも目が行くようになりました。
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やきものではありませんが、マンホールのフタにも注目。タイルや煙突にも見える真ん中の図案は、常滑市の「常」の字を杉本健吉画伯がデザインしたものです。1955年の制定ですが、今も新鮮な優れたデザイン。周囲には市の木・クロマツが配されています。
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常石神社から森を通って、「とこなめ陶の森 陶芸研究所」へ。

外壁一面の淡い紫のモザイクタイル(しかもグラデーションが入り)に、「ワ〜!」と思わず歓声が。
1961年の建設。当初は「常滑市立陶芸研究所」という名称で、設計は建築家・堀口捨己(ほりぐち すてみ)です。ここで10分間の自由見学。


外壁には4色の微妙に色が違う紫のタイルが使われています。カラーコンディショニングモザイク=カラコンモザイクと呼ばれるものです。
「こんな張り方がしてあるんだね」「ここは1枚だけ裏側に回して張ってある」「タイルの張り方も全部図面に描かれているんですよ」「その図面、見てみたいね」と、会話も弾みます。10分間はあっという間。「また、ゆっくり見に来ようね」。



続いて、隣の「とこなめ陶の森 資料館」の見学です。ここでは、常滑の人々とやきものの関わりを知ることができます。

窯の中にいるようなエントランス


学芸員の小栗康寛さんに、常滑の「陶彫」についてお話をうかがいました。
「陶彫」というのは、字のごとく陶製の像のこと。明治期に国立美術学校で彫刻を学んだ教師が常滑美術研究所に赴任し、彫刻と石膏の技法を教えて、常滑の陶彫に大きな影響を与えたということです。
見せていただいた作品は、素晴らしいやきものの芸術でした。


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さらに街を歩きます。煙突、陶製の井戸、土管や焼酎壜の土留めなど、常滑らしい風景に出会います。「土管のある街、すごいね」。



「これは素晴しい。まさにストライク!」と、みなさんを喜ばせたのは、丸と角、色違いのモザイクタイルが張られた児童センターの手洗い場。


天神山の頂上には、「常滑の陶祖」といわれる鯉江方寿翁の陶彫。像の高さは2.6m、台座含めて6.6mの高さがあります。

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下水管として使用に耐える土管を発明し、美術学校をつくり、海を埋め立てて新田開発もしたという鯉江方寿翁の偉業を聞きながら、近づいてみます。台座には、テラコッタ、レンガ、白タイル、モザイクタイルなどが張られていました。



次にめざしたのは、常滑西小学校体育館の壁画(1971年制作)です。若手作家を中心に結成された「常滑造形集団」の作。実際に海岸で遊ぶ子どもたちの写真を撮り、画像を写真印刷の要領でアミ点に分解し、それを5p角の立体タイルに置きかえています。「どっちから見ても1枚の絵に見えるね。不思議」。



ここからは、商店街や住宅街を抜けてライブミュージアムまで戻ります。心配しましたが、雨なんか関係ありません。みなさん、自分の心に響くタイルを見つけて、記録して、楽しそう。商店の床、腰壁、庇のタイル。庇を見上げて、「どうやって張ったのかなあ」。




住宅の塀や外壁は、タイルはもちろん、電纜管など常滑ならではの素材を組み合わせて個性豊かに装飾されています。






予定時間を少しオーバーしましたが、ライブミュージアムに到着。
「ほかの街にないダイナミックなところと繊細なところと、いろいろあって楽しかった」。
「もう一度、今度はポイントを絞ってゆっくり来たいです」。
「不思議な魅力のある街。楽しかったです」。
常滑の楽しいタイル街歩きを堪能していただけたようです。

最後に、企画展「I LOVE タイル−タイルがつなぐ街かど」を岡崎紀子さんのギャラリートークで、世界のタイル博物館をスタッフの解説でご覧いただきました。まさにタイルづくしの一日でした。





当日、配布したMapはこちら(PDF726KB)からダウンロードできます。


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