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ライブミュージアム日記

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2009年以前の記事は、ライブミュージアムでの日々の出来事やスタッフの想いを綴ったものです。

2006年9月以前の記事は、土・どろんこ館開設準備室による「どろんこ広場」として書かれたものです。


独自企画や地域との連携で、コンサートや講演会、ワークショップなど、さまざまなイベントを開催しているミュージアム。ライブ感あふれる活動をスタッフがご案内・ご報告します。

No.190 企画展 関連イベント タイル街歩き その1 京都 開催しました!

2015/12/22

担当 ものづくり工房 中斎

企画展「I LOVE タイル−タイルがつなぐ街かど」関連イベント
■タイル街歩き その1 京都
建築探偵エンマンジ先生と歩く京都の近代建築・タイル篇

開催日時:2015年12月19日(土) 13:00-15:30

この日は、企画展にご協力いただいた岡崎紀子さんと、その街歩き仲間のみなさん、タイル好きの方々、卒論のテーマに「タイル」を選んだ女子大生など、さまざまな方20名が、名古屋・愛知、東京、関西方面から参加しました。

案内してくださるのは円満字洋介さん。
修復建築家、水彩スケッチ画家、作家と多彩な才能の持ち主。なにより古いものが大好きで、自称、近代建築オタク。京都、大阪などの名建築に関する著書もあり、今日の街歩きに期待が高まります。 まずは、鴨川をわたって三条へ。今日は、三条から河原町あたりのタイルをめぐります。


案内人の円満字洋介先生


最初に訪れたのは、先斗町歌舞練場。舞子さんたちが踊りの稽古や発表をする会場として1927(昭和2)年に建設。設計は武田五一、実施設計は、「劇場建築の名手」と言われた大林組の技師、木村得三郎。
 「京都には5つの歌舞練場がありますが、ここだけが洋風であとは木造。先斗町の人たちに、劇場としても使いたい気持ちがあって、ジャズの演奏会や演劇も上演されたんですよ」。
スパニッシュスタイルの建物全体がスクラッチタイルで覆われ、実に見事です。





「もうすぐ100年になる建物ですが、剥がれもせず、しっかり施工している。このスクラッチタイルは色の風合いがさまざまで、表情がいいでしょう。ムラや凹凸が生かされているんですね」。みなさん、円満字さんの説明にメモをとったり、写真をとったり。





屋根の上には、中国の「蘭陵王」の舞楽面をかたどった鬼瓦。先斗町の繁栄を願って、守り神として置かれました。


先斗町の細い路地の飲食店には、タイルを使った建物も。
「1970年の大阪万博の頃から、タイルを使った建物が増えてきました。このタイルはラスターみたいに光っていてめずらしい。陶壁といってもいいですね」


次に向かったのは、木屋町通りにある旧立誠小学校。1927(昭和2)年に完成、京都市内に現存する鉄筋コンクリート校舎では最も古く、1993(平成5)年の閉校後も、さまざまなイベントに活用されています。



見どころの一つは、入り口のバリ土タイル。
「粘土を砕いて、粒が残っている状態で焼くので、タイルの中に粒が見えます。触ってみて」。



もう一つは、中庭にある水飲み場
「これは、陶器質のタイル。器と一緒です。現在ではこれを外装材として使うことはありません。これだけちゃんと残っているのは珍しいです」。





「シャワーは何に使ったのかな?」「どろんこ遊びの後に洗ったのかな?」


河原町通りに出る手前にも、見逃せないタイル発見!
鉛丹色のタイルが張られた商店や、緑色の大きな陶板で張られた迫力の壁面。
「よく見つけるなあ!」と参加者から驚きの声。



「裏寺通りにはたくさんのお寺があります。屋根に注目です」。
なるほど、亀や龍、鳥など、それぞれのお寺の門の屋根に、それぞれの鬼瓦。こんな発見も街歩きの楽しみです。






通りの民家では、クリンカータイルを発見。


新京極の商店街にやってきました。
「商店街には、タイルが張られた店がいろいろあります。みなさん、そろそろ“タイル目”になっているはず。探してみてくださいね」。





路地を進む一行。
円満字さんが足を止めると、そこには壁をデザインする租面ボーダータイル。「これは、1930(昭和5)年くらいのものといわれています」。
表に回ると寺町通り。なんと、創業明治6年(1873)、文明開化の味を伝える有名なすきやきの老舗の建物でした。




にぎやかな寺町商店街。
バブル期に、イタリアの職人を呼んで造ったモザイク。


窓枠を飾るタイル。「おしゃれ!」「かわいい」と女性陣が絶賛。


額縁屋さんを飾るりっぱな陶板。「さすが額縁屋さんですわ。もちろん特注品、見事ですね。」
 


「其中堂」の店名を飾るテラコッタ。



みなさん一斉に、写真撮影。


三条通りには、ギャラリーやカフェなどに活用されている古い建物が多くあります。
その一つ、1928ビル。
1928(昭和3)年、武田五一設計で、大阪毎日新聞京都支局ビルとして建設されました。今は京都市登録有形文化財です。バルコニーや玄関左右のランプカバーのデザインにアール・デコの影響が認められ、意匠史の上からも注目の建物です。
「この通りは、以前は祇園祭の山鉾が通っていました。だからこのバルコニーは特等席なんですよ。」

  玄関を飾るモザイクタイル


地下のカフェに続く階段も見どころ。


三条通に建つ、日本生命ビル。

円満字さんがぜひ見せたいと案内してくださったのが、日本酒類販売ビルのタイル。
「1965(昭和40)年の建築で、タイルをふんだんに、実験的に、取り入れています。一辺約30cm、色の発色がすごくきれいでしょ」



そして街歩きのゴールとなったのは、烏丸御池にある京都新風館。
1926(大正15)年に竣工、1931(昭和6)年に増築された歴史的建造物である京都中央電話局に、新たな建物を融合させた複合商業施設です。
京都中央電話局は、逓信省の営繕技師、吉田鉄郎による設計。京都市登録有形文化財の第一号です。
「ここには大正時代、交換手の女性がたくさん働いていました。洋風で美しいデザインの建物は、憧れの職場だったんです。」

注目は模様張りの壁面。タイルがさまざまなパターンで張られています。




玄関は「かまぼこ天井」。専門的には交差ボールトというもので、「これをつくった左官は偉い!」と円満字さん。




京都のタイルをめぐる街歩きは、これで終了。密度の濃い2時間半でした。
「知っている場所も多かったのに、ぜんぜん気づきませんでした」
「面白い発見がいっぱいで楽しかった」。
みなさん、これからも“タイル目”になって、街歩きを楽しんでくださいね。



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