INAXライブミュージアム


ライブミュージアム日記

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2009年以前の記事は、ライブミュージアムでの日々の出来事やスタッフの想いを綴ったものです。

2006年9月以前の記事は、土・どろんこ館開設準備室による「どろんこ広場」として書かれたものです。


独自企画や地域との連携で、コンサートや講演会、ワークショップなど、さまざまなイベントを開催しているミュージアム。ライブ感あふれる活動をスタッフがご案内・ご報告します。

No.67 古便器をいただいてきました

2007/06/09

担当 竹多

INAXライブミュージアムでは、展示物の充実やさまざまな情報を得るために、タイルやテラコッタ、古便器などを収集しています。



窯のある広場・資料館に展示されている古便器


このたびは、長野県の駒ヶ根市の方から、青磁色の古便器の寄贈のお申し出がありました。この方は3年ほど前に来館されて、窯のある広場・資料館の2階に展示されている古便器と同じものがあるというので、旧宅を取り壊したときに捨てがたくて、新居にまで持ってきて倉庫で保管していたものだそうです。



きれいに洗われて出発を待つ古便器たち


寄贈品は大正時代に瀬戸で生産が始まった磁器質の便器です。瀬戸では、江戸時代後期に加藤民吉によって磁器製造が始まりましたが、それまでの陶器質のやきものを本業焼と呼び、新しく登場した磁器質のやきものを新製焼と呼んで区別しています。明治時代の半ばに本業窯で白地藍彩の花鳥風月をあしらった風流な染付便器が製造されますが、一方で新製焼の窯元でも磁器の便器を作り始めます。ここではそれまでの手描きの花鳥文ではなく、青磁色一色のシンプルなデザインとなりました。関東大震災後の特需で人気を博して多くの窯元がこの青磁色の便器を手がけました。実際、当館で所蔵するこのタイプの便器の色や形、寸法にバリエーションが見られ、多くの窯元が参入していたことがうかがわれます。



常滑の博物館へ到着して記録写真を撮られる古便器たち


過去に寄贈を受けて現地を訪問したときに、まだ便器が古い便所の床に残っている例が数度ありました。いずれもこれから解体するというものでした。でも、多くは古い建物は既に取り壊されていて、はずした便器が庭の片隅においてありました。やはり、まわりはどんな町だったのか、どんな商売をしていたお宅だったのか、全体の間取りはどんなふうだったのか、床や壁のつくりはどんな様子だったのか、タイルは張られているかなど興味はつきません。家のご主人から伺うそんな話も貴重な情報になります。今回は、旧宅の情報は、間取りを書いて教えていただきました。古い写真にも家の一部が写っているのがあり、それをもとにお話を聞くことができ有意義でした。ここのお宅は、昔、伊那谷で盛んだった養蚕の繭の駒ヶ根の中心街で店を構えて仲買いをされていたようです。取材の帰りに、地元の民俗に造詣の深いご主人の勧めで、平成14年に設立された駒ヶ根シルクミュージアムを見学してきました。当時の町の活気が伝わってきました。



6月いっぱいまでは雪が残る駒ケ岳、当日は黄砂で霞んでいた


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