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ライブミュージアム日記

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2009年以前の記事は、ライブミュージアムでの日々の出来事やスタッフの想いを綴ったものです。

2006年9月以前の記事は、土・どろんこ館開設準備室による「どろんこ広場」として書かれたものです。


独自企画や地域との連携で、コンサートや講演会、ワークショップなど、さまざまなイベントを開催しているミュージアム。ライブ感あふれる活動をスタッフがご案内・ご報告します。

No.11常滑のお正月

2006/01/06

担当 辻

明けましておめでとうございます。今年は常滑の寒い冬を経験しています。常滑は夏暑く、冬寒い日本の四季の典型のようなところです。冬は寒風が日本海から琵琶湖を越え、標高1200Mほどの比較的低めの伊吹や鈴鹿の山を軽々越えて伊勢湾に直接流れ込みます。中部・名古屋地区は、日本海と太平洋の距離が非常に近く、日本列島のくびれたウェストといえます。常滑は伊勢湾と面しており、日本海からの寒気が伊勢湾に風波を立てながら襲うコースにあたっています。そのため常滑では北西からの寒風が強く吹き荒れ、時に日本海的な暗い雲が立ち込める真冬が来るのです。

昨年末から正月にかけて、陶芸作家たちの「穴窯」焚きに参加し、薪を使っての窯焚きを初経験しました。バーナーで1日ほど炙った後、松薪を使っての焚きはじめがありました。12月30日は煙が真横になびく日で、風が終始変わらず一方向に吹きつづけていました。終始一定の風、横一直線になびきつづける黒い煙。自然の強い意志のようなものすら感じました。逆に「封印」の1月1日はまったく風のない穏やかな日でした。煙突からあがる炎は激しくまっすぐ伸びて八方に広がります。



1300度の「炎突」


煙突は赤い炎だらけで、煙突ならぬ「炎突」状態。これが1300度の炎、窯中をなめ尽くしている炎でした。薪を入れると激しく大きくなり、やがて炎は小さく静かになり、薪を入れ込む、炎はまた大きくダンスする。その絶え間ない繰り返しの後に窯口は一気に閉じられました。「封印」が完了したのです。激しく踊った炎も消え、千数百度の高温状態から取り出し可能な温度に下がるまで、一週間の眠りにつきました。窯口を封印するのは、レンガと粘土。粘土はシャモット入りの耐熱性の高い粘土とのことでした。
火を扱う動物は人間のみです。窯を焚くのは、地球上で人間のみに許された悦楽でしょう。窯を作るのも土、焼くのも土、封印するのも土。土は人間に悦楽を与えているとつくづく思った常滑の年明けでした。


封印ー泥で固められた窯口


さて土・どろんこ元年が始まりました。異常に寒い冬ですが、1300度の熱気をスタッフ一同でかもし出したいと思っています。
自然の叡智に学び、人々が作り上げた知恵を再確認し、土の宇宙をのぞいていこうと思います。10月に皆様と土・どろんこ館でお会いできるのを楽しみにしております。


*穴窯・・1室の単純な窯。この窯は畳3畳ほどの広さであったろうか。
*封印・・薪を入れ込む口(この窯は1箇所)空気口(これも1箇所)をレンガや粘土で一気にふさぎ、焚いたまま酸素供給を止めて窯内を還元状態にする。

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