建築とデザインとその周辺をめぐる巡回企画展



展覧会案内

金沢の町家‐活きている家作職人の技‐展 <br>Machiya: Kanazawa’s Traditional Townhouses

金沢の町家‐活きている家作職人の技‐展
Machiya: Kanazawa’s Traditional Townhouses

建築における伝統技術はいかに保存され継承されているのでしょうか。
本展では、その実例を加賀百万石の城下町、金沢の町家から探ります。

Machiya: Kanazawa’s Traditional Townhouses--The Living Skills of Townhouse Craftsmen
Having escaped devastation by war and earthquakes, Kanazawa, a former Edo period (1603-1868) castle town, even now has many old machiya townhouses. Machiya are an ancient form of urban dwelling, unique to Japan, that combines a dwelling with a place of livelihood. Artisans in each district were in charge of everyday maintenance and repair of the buildings. Each machiya building is a condensation of artisan knowledge and skilled contrivance: a veritable treasure box of traditional technology.
This exhibition places a spotlight on seven of the technologies required in building a machiya—carpentry, masonry, roofing, plastering, tatami, fittings, and mounting—and the artisans specialized in these fields. Along with tools, building materials, construction process samples, and other actual items, it features artisan interviews, site repair reports, and video: some 170 items showing how Japan’s traditional technology is being preserved and handed down.

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ギャラリー1(東京): 2015年6月4日(木)〜8月22日(土) 休館日:水曜日、8/12-16□AM10:00〜PM6:00 □入場無料
ギャラリー大阪: 2015年3月6日(金)〜5月19日(火) 休館日:水曜日(祝日は開館)□AM10:00〜PM5:00 □入場無料


展示品 リスト BOOKLET
講演 会「金沢の試み 町家にみる伝統技術の継承」(大阪)
講演 会「日本の住まい 伝統技術のこれから」(東京)
展示会概要
金沢の町家

大工
釿(ちょうな)。手斧とも書き、部材の表面をはつる道具。
所蔵:安田正太郎

金沢の町家

石工
ツル。城壁などの石垣の表面に「切り込み」の石肌を作る道具。
所蔵:出口石材

金沢の町家


瓦槌(かわらづち)。通称「ちょんかち」と呼び、瓦桟をはつる道具。
所蔵:長田和明

金沢の町家

左官
水捏ね用の仕上げ鏝(左)と漆喰磨き用の仕上げ鏝。
所蔵:中村 康

金沢の町家


糸筒。畳表を丸めて中に糸を仕込み、使用する針や縁を止める「縁引き」などを刺す畳職人座右の道具。
所蔵:畳 立野

金沢の町家

建具
クデゴシと型。クデゴシは障子の桟や天井の桝目模様の桟の合わせ目を削るノミで、刃の幅や角度がさまざまある。
所蔵:西田 守男

金沢の町家

表具
打ち刷毛。掛け軸の裏打ち用に用いられるもので、毛の材は棕櫚(しゅろ)の一種である津久毛。
所蔵:表具 錦芳堂




撮影:すべて尾鷲陽介
*画像をご使用の方はLIXILギャラリーまでお問合せ下さい。


大工、石工、瓦、左官、畳、建具、表具
継承される伝統技術



城下町の風情漂う金沢。幸いにも戦災や震災に遭うことがなかったこの町では、今も古い町家を数多く見か けることができます。町家とは、古くからある都市住宅のことで、住まいと生業が共存したかつての日本特 有の暮らしの場でした。日常的な手入れや修復は地域ごとの家作職人が担い、一軒に凝縮されたその知恵と 工夫は伝統技術の宝庫ともいえます。職人の世界も様変わりしていく中で、金沢ではこのような豊かな町家 をはじめとする重要な歴史的資産があることにより、それらの修復や再利用を通して職人たちが育成され、 また技術も受け継がれています。
本展では、町家の家作に必要な技術のうち、七つの技−大工・石工・瓦・左官・畳・建具・表具−とそれぞ れの職人たちにスポットをあて、道具、材料、工程サンプル等の実物資料ほか職人たちのインタビュー、修 復の現場レポート、映像を含む約170点から、金沢における伝統技術の保存・継承のあり方を読み取ってい きます。七種それぞれの伝統技術に欠かせない道具が一堂に会するこの機会は同展の大きな見どころのひと つです。
修理しながら百年持つ家、それが当たり前だった家づくり。本展がそのような日本の伝統建築を支える職人 の「活きた」技に出会う場となり、それを受け継ぐべくこれからを考えるきっかけになれば幸いです。

見どころ

@七種の伝統技術と職人コーナー:大工・石工・瓦・左官・畳・建具・表具
七種の伝統技術を伝える道具や材料、また工程サンプル等を展示します。道具は七種七様。自ら手作りする 道具もあります。工程サンプルからは仕事の緻密さが分かります。
また職人たちのインタビューパネルからは彼らの仕事との向き合い方、さらには意気さえ伝わります。

大工:安田正太郎さん(1963年生)
社寺や古民家、町家の修復を手がける。最近では金沢城の「河北門」、「橋爪門」復元の棟梁を務めた。

石工:出口昭さん(1942年生)
金沢城の「河北門」「橋爪門」の石垣や敷石の復元工事に携わった。3人の息子が石工の跡を継ぐ。

瓦:長田和明さん(1948年生)
18歳で家業の瓦屋4代目を継ぐ。現在は親方として石川県内外の寺社仏閣の修復をはじめとした瓦葺きに携 わる。

左官:中村康さん(1948年生)、藤田秀紀さん(1974年生)
中村さんは中学卒業後、金沢の石動左官工業所(現・イスルギ)に入社。公共施設などの大規模な現場を中 心に、文化財の修復にも携わった。藤田さんは中村さんの世話を受け伝統技術の資格を持つ左官職人となっ ている。

畳:立野善吉さん(1932年生)、克典さん(1961年生)
善吉さんは畳 立野7代目。13歳から畳職人の道に進む。息子の克典さんは8代目として兼六園の成巽閣(せい そんかく)の畳の表替えなどを手がける。

建具:西田守男さん(1943年生)
中学卒業後に建具の家業を継ぐ。建具はもとより、茶室も含めた自邸の増改築を自ら手がけた。

表具:永嶋明さん(1949年生)
修行時代は糊を炊くことからスタートした。表具師の仕事の中でも屏風を好み制作している。

*金沢市は1996年に「金沢職人大学校」を創設しました。木造建築物に関わる伝統技術の伝承と人材育成を 目的としています。本展で紹介する職人たちも多くがここで伝統技術を学びその技術を次の世代に伝えてい ます。
 
A修復の現場レポート
長さ約270cmの旧平尾家住宅表門(金沢市指定文化財)の柱を展示します。そこに施された埋木やホゾの繕 いなど、直に修復の痕跡をご覧ください。この堂々とした1本の柱とともに、過去に実施された修復の様子 を技術ごとに写真と解説付きで紹介します。伝統の技がいかに家を蘇らせるか。格闘する職人と材との対話 が聞こえてくるようです。

展示にあたり、関係の皆様には多大なるご協力を賜りました。この場をかりて厚くお礼申し上げます。



[企 画]
LIXILギャラリー企画委員会
[制 作]
株式会社LIXIL
[協 力]
金沢市・金沢職人大学校、長田和明、畳 立野、出口昭、中村康、西田守男、表具 錦芳堂、藤田左官、安田 正太郎

BOOKLET
金沢の町家
『金沢の町家』

2015年3月15日発売
本文76ページ
定価:1800円(税別)  LIXIL出版
会場風景
金沢の町家
金沢の町家

金沢の町家
金沢の町家

2015年 大阪会場写真





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