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旧野首教会(1908年竣工、長崎県小値賀島、長崎県指定文化財) 今は無人となった野崎島に立つ。鉄川与助が棟梁として初めて手がけた煉瓦造。
今村教会(1913年竣工、福岡県大刀洗町、福岡県指定文化財)の内観。 三層構成を完成させた内部空間。
頭ヶ島天主堂(1919年竣工、長崎県新上五島町、国指定重要文化財) 与助唯一の石造教会。地元産の砂岩を利用。
撮影:すべて白石ちえこ
*教会の写真はすべて許可を得て撮影しております。
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祈りの地に今ものこる、
棟梁が建てた教会
長崎には130余りもの教会があり、その数は全国にある教会数の1割以上を占めます。260年にも及ぶ禁教と迫害の時代を乗り越え、明治から昭和にかけて建造されました。なかでもキリシタンの里と呼ばれる五島列島には、約50の教会が点在し、ひっそりと隠れるような佇まいは今も受難の歴史を静かに物語っています。
本展では、五島列島および長崎周辺で教会の建設に生涯をささげた、棟梁・鉄川与助(1879〜1976)による教会建築の軌跡を展観します。
五島列島の大工の家に生まれた与助は、教会建設の手伝いをきっかけに教会の虜になります。28歳で初めて木造教会を設計・施工し、その後も煉瓦造、石造、鉄筋コンクリート造に挑戦します。内部空間においてもより高い天井をめざしてリブ・ヴォールト天井や折上天井などの工法を極めるなど、一歩一歩技術を高めながら次々と教会建築を完成させました。鉄川与助が棟梁として設計・施工した教会は戦前のものだけでもおよそ30棟に及び、その半数が現存し、4棟が国指定の重要文化財となっています。
会場では、与助の教会建築を厳選しそれらの魅力や特徴を、本企画のために写真家、白石ちえこが撮り下した写真で、解説パネルとともに紹介します。あわせて、日本での教会建設に指導的な役割を果たしたフランス人のペルー神父やド・ロ神父の仕事など、与助に影響をもたらした作品も彼の教会建築の軌跡を辿るなかでご覧いただきます。最後に与助のパーソナルな資料コーナーでは彼の人となりを垣間見ていただきます。
山に囲まれた深い入江の浦々に、また急峻な山間僻地の集落に静か立つ教会からは、人々をやさしく包み込む温かさとともに、鉄川与助が燃やした教会建造への情熱が今も感じられます。
展示にあたり、関係のみなさまには多大なるご協力を賜りました。この場をかりて厚くお礼申し上げます。
[企 画]
LIXILギャラリー企画委員会
[制 作]
株式会社LIXIL
[取材・撮影協力]
長崎大司教区、福岡司教区、五島市教育委員会、小値賀町自然学塾村、堂崎教会、冷水教会、 青砂ヶ浦教会、大野教会、今村教会、田平教会、江上教会、頭ヶ島教会、紐差教会、鯨賓館ミュージアム、(有)鉄川進一級建築士事務所
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BOOKLET
『鉄川与助の教会建築』
2012年3月刊行
本文76ページ
定価:1890円(税込)
LIXIL出版
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