建築・美術展 GALLERY 2




展覧会案内

矢島史織 展 Yajima Shiori Exhibition<br>-MIND SCOPE-

矢島史織 展 Yajima Shiori Exhibition
-MIND SCOPE-

2013年2月1日(金)〜2月25日(月)

■ 休館日
日祝日
■ 開館時間
10:00〜18:00
■ 観覧料
無料

アーティスト・トーク 2月1日(金) 18:00〜19:00

プレスリリースpdf_icon_s.gif ※ご覧いただくにはAdobe Reader が必要です。

「丘」 
130x162cm 2012年
雲肌麻紙、膠、墨、岩絵具



展示会概要
矢島史織の作品は溢れんばかりに水が張られたグラスのアップに心象風景を重ねて描いた日本画です。叙情性豊かな作風は清らかな透明感に満ち、見る者を魅了します。本展では2008年から制作している「グラスシリーズ」から新作5点と、「光と影」をテーマにした近作13点とを合わせた全18点を展示します。


見どころ

@ 「グラスシリーズ」新作発表
矢島史織は、多摩美術大学大学院にて日本画を学びました。日本画の技法の「にじみ」や「たらし込み」によって自身の叙情的なマチエールを表現しています。絵具に含まれる水と描かれたグラスの中の水は呼応するかのように独特の世界をつくり上げています。本展では2008年から制作している「グラスシリーズ」から新作5点を含めた18点を展覧します。

A グラスと水に重ねた心象風景
矢島史織の作品は、溢れんばかりに水の張られたグラスをアップで描いた、透明感のある叙情性豊かな日本画です。水を湛えたグラスは永遠に平穏であり続けることが困難な現実世界を表し、均衡を保った水面は、静かな緊張感を持って描かれています。また、水に映りこむように描かれた樹木や景色は矢島の心象風景を表し、故郷の八ヶ岳山麓の自然がモチーフです。

B 「光と影」をテーマに
矢島史織は自然をモチーフに描くうちに、木漏れ日の揺れ動くさま、早朝の澄んだ色から昼間の強いコントラストへ移り変わる様子、過ぎ去る雨雲、夜の闇が深まっていくさまなど光と影をテーマとした自然現象の移ろいに、自身の気持ちを重ねるようになりました。



矢島史織(Yajima Shiori)展

2013年 会場風景

矢島史織(Yajima Shiori)展

矢島史織(Yajima Shiori)展

矢島史織(Yajima Shiori)展
矢島史織(Yajima Shiori)展

インタビュー
2012年11月 インタビュー:大橋恵美(LIXILギャラリー)
大橋 木漏れ日やグラスの水に映る風景を描いた作品は、やわらかな光が画面にあふれて、詩情性豊かです。心象風景だそうですが、作品が生まれた背景を教えてください。
矢島 きっかけは木漏れ日のピンホール現象を発見したことでした。楕円形の木漏れ日が揺れ動くさまに心の奥底から感動したのです。それから数年は取り憑かれたかのように太陽の形が投影された影を追っていました。「光と影」をテーマに制作を始めたのはちょうどこの頃からです。
そのうちに、現象そのものだけを描くのではなく、もっと心象に迫った「光と影」を描きたいという気持ちから生まれたのが「グラスシリーズ」です。誰もが持ち合わせている内面的な影を、身近なグラスの水の中に潜ませたい、という気持ちから始まりました。グラスも水も透明ではあるけれども様々な色や景色を映し出します。季節や温度だけではなく感情も映し出すことが可能ではないかと思ったのです。
大橋 身近なグラスをモチーフにしたのは。
矢島 グラスは誰もが日常的にその存在を認識し、毎日触れ、そして生きる為に必要不可欠な水を体内に運ぶ役割を持っています。
意識的に、小さい画面でのグラスはグラスそのものを描き、大きな画面では風景画として描いています。この小さなモチーフを大きな画面で描くことは、私には実際のコップの容積を越えて、かなりの質量の水の存在を意味しています。時には海をイメージすることもあります。更にこの大きなグラスの中に私の記憶の片鱗を描くことは、虫眼鏡を覗くような行為であると考えています。つまり、グラスは私の心の中を映し出す道具でもあるのです。
大橋 日本画の技法を選ばれたのは。
矢島 日本画を選んだ理由は、顔料そのものの魅力と日本美術に興味があったこと、そして絵具の質感が私の感覚にぴったり当て嵌まったことです。他の材料を試したこともありますが、最終的には日本画の材料に戻って来てしまいました。にじみやたらし込みなど、容易にはコントロールできませんが、叙情的なマチエールは私にとって大変魅力的です。
制作方法ですが、材料としては雲肌麻紙を使うことが多いです。作品によって水張りをする前に裏側に彩色してから下地を作ることもあります。また、強靭な素材なのでパネルの側面まできれいに張る事ができることも気に入っています。
大橋 長野県ご出身ですが、自然や風景など影響はありますか。
矢島 長野を離れるまでは全く意識していなかったのですが、山に囲まれて育ったということもあり、自分の方向感覚が、自分を取り囲む山々によって判断されていたことに驚いた経験があります。また、いつも目にしていた八ヶ岳が見えない事は、日常の感覚として少し寂しい気持ちになります。
八ヶ岳の麓の森へは約10年間よくスケッチに出掛けました。おそらく、無意識的に私の作品には八ヶ岳で体験した森が表れています。早朝の澄んだ色、昼間の強いコントラスト、過ぎ去る雨雲、そして夜の闇・・・私の大切な場所です。
大橋 2011年新聞の紙面で、詩の作品に挿絵を描く仕事をされました。どのような体験でしたか。
矢島 当たり前の事ですが、詩の世界は言葉だけで構成されています。視覚的な表現ばかりに頼っていた私には驚きの連続でした。突如出現する句点や読点、オノマトペのリズミカルな響きは、まるで詩そのものが生き物のようで、力強い色彩を放っているように感じたのです。
毎回原稿を朗読し、新しい世界を見る瞬間をとても楽しみにしていました。(現代詩は声に出して読むことをおすすめします!)詩の原稿をいただいてから作画する、というプロセスでしたが、私の解釈が一人歩きをし、詩の真意かそれてしまうことを恐れ、締め切りのギリギリまで考えることに時間を割いていました。私にとってとてもプラスになる素晴らしい体験でした。
大橋 最近アメリカで暮らすことになりました。心象は変わりましたか。
矢島 以前から日本の外から日本を見てみたい、と思っていました。毎日が驚く事ばかりで、まだまだこの国の「光と影」は把握できそうもありませんが、何かしら感じるところはあります。日本の良さを再認識することもあれば、アメリカの合理的な社会構造に感心することもあります。自然だけでなく都市からも新しい感動を得て、その度に生きている事を実感しています。
大橋 今展はどのような作品になりますか、また、今後どのような作品を制作したいですか。
矢島 今展は「グラスシリーズ」が中心となりますが、共通して言える事は、ある種の道具を通して見た、歪んだ世界が含まれている事です。展覧会のタイトル「MINDSCOPE」は心を見る装置を意味してつけました。
これまで10年ほど一貫して「光と影」をテーマにいくつかのモチーフを描いてきましたが、今私は、なんとかして変わりたい、ただそれだけです。せっかくアメリカにいるのだから、日本画の技法にこだわらず、今の私にしか出来ない表現をもっと自由にしたいと思っています。しかしながら、美術館へ行って日本美術を見ると、やっぱりいいなぁ、と思ってしまう自分がいるのも事実です。この機会にアメリカの美術館や国立公園など、沢山見て、触れ、刺激を受けて変わっていけたら、と思います。
作家略歴
1979年 長野県生まれ
2005年 多摩美術大学大学院美術研究科日本画領域修了
受賞
    
2002年 第2回福知山市佐藤太清美術賞展 入選
2007年 第25回上野の森美術館大賞展 入選/td>
2008年 第4回トリエンナーレ豊橋 星野眞吾賞展 入選
2010年 第28回上野の森美術館大賞展 入選
2012年 清洲市第7回はるひトリエンナーレ 入選
第30回上野の森美術館大賞展 入選
個展
              
2005年 矢島史織展 ギャラリー渓(東京)
2007年 矢島史織展「Emotional landscape」 柴田悦子画廊(東京) 2009
矢島史織展「ひかりをつなぐ」 銀座スルガ台画廊(東京)
2008年 矢島史織展「光の増殖」 桜華書林(長野)
2010年 矢島史織展「あふれる光・ゆらめく影」 桜華書林企画・ギャラリー82(長野)
グループ展
    
2003年 「七味展」 柴田悦子画廊 2005、2006、2007
世田谷美術館区民ギャラリー(東京)
2005年 「さび色の実、青い服、白い絵」展 なびす画廊(東京)
「渓展」ギャラリー渓 2007
2006年 羅針盤セレクション「HOPE 2006 VOL.2 様々なニホン画展」 アートスペース羅針盤(東京)
「ウチダヨシエ/矢島史織 展」 ギャラリー渓
2008年 「Field Of Now展」 銀座洋協ホール(東京)
2009年 「オープンスタジオ”OS3”」 未来工房、東京
信濃毎日新聞社 杉本真維子(詩人)「みしらぬ蛇口」挿画(〜‘10年3月)
2010年 現代アートシーンIV「感覚の向こうへ」 小海町高原美術館(長野)
2011年 「メタモルフォーシス」 ギャラリー82
「みすずかる光と風展」 あかね画廊(東京)
「Jupiter展」 銀座スルガ台画廊
2012年 「The 100 ARTISTS EXHIBITION」 OUCHI GALLERY(New York,USA)

ページの先頭へ

LIXIL Link to Good Living

Copyright © LIXIL Corporation. All rights reserved.