建築・美術展 GALLERY 2




展覧会案内

鈴木基真 展 Suzuki Motomasa Exhibition<br>-Cinematic Orchestra-

鈴木基真 展 Suzuki Motomasa Exhibition
-Cinematic Orchestra-

2013年1月8日(火)〜1月29日(火)

■ 休館日
日祝日
■ 開館時間
10:00〜18:00
■ 観覧料
無料

アーティスト・トーク 1月18日(金) 18:00〜19:00

プレスリリースpdf_icon_s.gif ※ご覧いただくにはAdobe Reader が必要です。

“The 11th The Okamoto Taro Memorial Award” installation view Acrylic paint on wood
H145 x W360 x D360cm
2008 Courtesy of Taro Okamoto Museum of Art



展示会概要
鈴木基真の作品は自身が影響を受けた映画からの記憶や想像の風景を表現した木彫刻です。鈴木の作品は高さ150cmほどの展示台の上に設置されるのが特長で、鑑賞しやすく整えられた通常の展示に慣れた鑑賞者は違和感を覚える、“見る”事を意識させる展示となっています。作品のモチーフは映画の風景から着想を得たもので、住宅や樹木、ガソリンスタンドがまちまちの縮尺でざっくりと彫られて明るい色彩に塗られ、シンプルでモダンな印象です。また楠の原木から彫り出されているため、木の香りが会場を爽やかに包みます。本展覧会では、新作「Cinematic Orchestra」のインスタレーションの展示を行います。


見どころ

@ 爽やかな木の香りの高台の風景彫刻
鈴木基真は映画の風景をモチーフに木彫刻を制作します。ざっくりと彫られて明るく彩色され、住宅や樹木、ガソリンスタンドなどが構成された風景作品はシンプルでモダンな印象です。また原木から彫り出した作品は、楠の木の香りが爽やかな印象です。
特長は高さ150cmの展示台の上に設置され、見る者は遠くから眺めたり、下から見上げたりして鑑賞します。見ることを阻むような展示方法は、鑑賞しやすく整えられた展示に慣れてしまった私たちへ“見る”ことを意識させるための装置として考えられました。

A 素朴な風景に表れる象徴的な社会像
鈴木基真はアメリカ映画好きの家族の影響で、子供の頃からその雰囲気に惹かれてきました。鈴木の作品は、記憶に残った映画の中の風景をひとつひとつ原木から彫り出して再構成されます。コメディやシリアスなど作風の異なる映画に登場するモチーフが、鈴木の感性のまま、縮尺もまちまちに同じ風景の中に構成されることで、不思議なスケール感や異なる物語性を持つモチーフの共存する風景が生まれ、それはかえって社会を象徴的に表しているようです。

B 新作公開
本展覧会では新作「Cinematic Orchestra」(台座サイズ:H135cm×W365cm×D720cm)が展示されます。
鈴木の作品の独特の距離感による配置は広々としたイメージで、都市と田舎、人間関係の複雑さと孤独を浮き彫りにするかのように見る者に迫ってきます。



鈴木基真(Suzuki Motomasa)展

鈴木基真(Suzuki Motomasa)展 鈴木基真(Suzuki Motomasa)展

鈴木基真(Suzuki Motomasa)展

2013年 会場風景

インタビュー
2012年11月7日 インタビュー:大橋恵美(LIXILギャラリー)
大橋 鈴木さんの作品は展示台がすごく高くて、面白いです。
鈴木 会場の天井高や作品の大きさで展示台の高さは決めています。普通に木彫作品が近くにあると、意外とさらっと見られてしまう。そこが立体作品の弱いところで、あえて見えにくくしてしまえば、想像も加味されてじっくり見るしかなくなるんじゃないかと思いました。見る人が動けば作品も動く。そのための高さや大きさにしています。
大橋 作品の中に余白部分が多いです。
鈴木 意図的にそうしています。木彫同士の距離で意味が生まれると思っているからで、全体的な配置の距離感で様々な雰囲を作り出せる。そんなことを考えながら配置すると余白部分は重要になってきます。
人が登場しないのは、人物が入ると人称が変わるからです。作品と見る人の関係が大分変わってしまう。全ての人が主人公の風景であって欲しいと思っています。
僕は等身大の人物像とか作るのは怖いんです。作品との距離が近い気がして、作品と自分とはむしろ遠いところにあって欲しい。
大橋 木彫のざっくりしたつくり方が特徴的ですが、いつ頃からですか。
鈴木 はじめからです。大学生の頃に初めてチェーンソーを持って丸太を切って断面をよく見ると、そのバサバサ感がアメリカの荒野みたいな感じで良いなと思ったんです。
父親が好きでよくアメリカの映画を観ていたのを、子供の頃側で一緒に観ていたんです。それだからか特にアメリカのいつの時代といったこだわりはないのですが、その雰囲気や風景に惹かれます。
大橋 いつも木材の香りと、鮮やかな色彩が清々しい印象です。
鈴木 楠の原木には強い香りがありますね。着彩は基本的にアクリル絵の具でしています。アクリルはペンキみたいに発色がよくて乾燥も速い。次々とどんどんつくりたいものがあるので、そのスピードに合わせることを優先しています。
素材もFRPは型、鉄は溶接が必要ですが、木材はあるものを彫っていけばそのまま何かにはなる。作業的に早かったこともせっかちな自分には合っていたと思います。
大橋 ストーリーがあるのですか。
鈴木 個々にはありますが、インスタレーション全体にはありません。
映画を観ているとベタなシーンがあって、そういうものが蓄積していけば、作りたいものは自然と頭に浮かんできます。後は記憶と、画像には写らなかった裏面は想像で、雰囲気や佇まいなど気になったところだけ作ります。この時に個別にストーリー付けをしていると思います。
好きなものをどんどんつくっていき、最終的に風景になるのでスケールが違ったり、コメディ映画とシリアス映画に登場してきたようなものが並んだりするので全景としては混沌としたものになりますが、整合性を目指して作っている訳ではないので、構わないと思っています。
その中で見る人がそれぞれにストーリーを紡ぎ出してくれたら嬉しく思います。
あとは展示の時に初めて全体の配置を構成するのですが、完成図を想像していないので、その時は自分でも楽しいですし、手伝ってくれる人が例えば、絵を描いている友達だと色や形で構成する傾向があって面白く、そういうところはアトリエでの作業とは別の意想で楽しんでいいのかなと思っています。
大橋 木彫に加えて、写真と大理石が登場したきっかけは。
鈴木 写真シリーズは2011年からで3作目です。写真では夜の光景をつくっています。
ずっと夜をつくりたいと思い、木彫でも試したのですが、照明の影響を受けるので現物を黒く塗っても夜にはなりません。写真に撮ってしまえばそれ以上光の影響も受けないし良いのではないかと、カラー粘土で制作したものを撮影しています。写真のモチーフは完全に想像で風景全体なので、木彫ほど数は作りませんが、木彫で集約されたイメージが明確になった時点で一作品作れるかなといった感じです。
大理石で船を作ったきっかけは、今になって思えばやはり地震でしょうか。後に石巻市を訪れたのですが、信じがたいところまで水が来ている。
自分は立体作品を作ってきましたから、常に地面に頼ってきました。でも地面も海もたまたまそこにあるだけで、人とは違う時間軸で動いているのだなと感じることで、頼ってきたものが不確かなものになった。現実に立体を作り出すことを仕事としている自分としては、その存在自体を考え直さなければいけないと思ったのでしょう。
大理石を選んだのは、素材として時間の恒久性を感じたのと、単純に白さが気に入ったからです。光を反射する素材は初めてでしたし、新しく思ったことは新しい素材でやってみるのもいいのかなという思いもあったと思います。
船を選んだのは、これも今まで扱った事の無いモチーフで、地面に頼っていないものという選択です。
明確に台座が無い立体作品もこれが初めてでした。
いずれにせよ自分の作品の枠組みを捉え直したかった。
それで、前回の展示では立体の存在に対する思いを整理し、3種類に分けました。「見えるもの」「見えないもの」「半分見えるもの」です。大理石の船は見える、写真は見えない、木彫は半分見えるものです。
無意識でしたが、展覧会タイトルも3つの英単語でした。
大橋 好きな作家はいますか。
鈴木 ドイツ人のシュテファン・バルケンホールです。作品を見たときに、表面的にバサバサしているところに直感的に反応したんだと思います。それに、人体なのに人の見方を受け入れる様なシンプルな造形をしていました。それまでは写実的で職人的にきれいなものや、思いが全面に出たものしか知らなかったので衝撃的でした。
大橋 これからはどんな作品になりますか。
鈴木 自分の場合は作品を通して世の中に何か伝えたい、訴えたい、何が出来るか、という事があるというよりも、私的にアトリエで行っている事が人前に出てどのような関係を築くのかという事の方に興味があって、自分の作品を通して人が考えている事を感じて変化していきたい。ですから基本的にはコンセプトよりも、手が動く事を優先させた制作は続くでしょう。映像には興味ありますが、やはり造形から発展したものにしたいと思っています。
作家略歴
1981年 静岡県出身
2004年 武蔵野美術大学造形学部彫刻学科 卒業
受賞
    
2010年 群馬青年ビエンナーレ2010 優秀賞
2008年 第11回岡本太郎現代美術大賞展 入選
2006年 ジーンズファクトリーアートアワード2006 準グランプリ
2003年 ARTISTS BY ARTISTS 入選
個展
              
2012年 「Eyes / The form / An image」 タクロウソメヤコンテンポラリーアート、東京
2010年 「World is yours」 タクロウソメヤコンテンポラリーアート、東京
2007年 「鈴木基真展」 村松画廊、東京
2005年 「鈴木基真展」 青樺画廊、東京 、 「鈴木基真展」 ギャラリーES、東京
展覧会
    
2012年 「TSCA Rough Consensus」 HOTEL ANTEROOM KYOTO、京都
2011年 「Sunlit Boulevardiers」 上村卓大邸、東京
2010年 「群馬青年ビエンナーレ2010」 群馬県立近代美術館、群馬
2008年 「第11回岡本太郎現代芸術賞展」 川崎市岡本太郎記念美術館、神奈川
2007年 「オープンスタジオ”OS3”」 未来工房、東京
「うらうらら、カナイサワコ、鈴木基真展」 前橋文化研究所、群馬
2006年 「ジーンズファクトリーアートアワード2006」 高知市文化プラザかるぽーと、高知
2004年 「MOMOTAROW NOW ON SALE」 青樺画廊、東京
2003年 「ARTISTS BY ARTISTS」 森美術館、東京
2002年 「小平野外アート展」 小平中央公園、東京
2001年 「t.t.town」 表参道画廊、東京

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