建築・美術展 GALLERY 2




展覧会案内

磯野迪子 -LOOKING AT WINDOWS- 展<br>Isono Michiko Exhibition

磯野迪子 -LOOKING AT WINDOWS- 展
Isono Michiko Exhibition

2012年9月3日(月)〜9月27日(木)

■ 休館日
日祝日
■ 開館時間
10:00〜18:00
■ 観覧料
無料

アーティスト・トーク 9月3日(月) 18:00〜19:00

プレスリリースpdf_icon_s.gif ※ご覧いただくにはAdobe Reader が必要です。

Occupied Windows 映像インスタレーション 2011



展示会概要
磯野迪子の作品は洗濯物をモチーフに特定の団地やマンションを撮影した映像作品です。洗濯物の干してある建物が画面に映し出され、ゆっくりと静かに移り変わる映像は、見る者に様々な連想をさせ、心地良い余韻を残します。
今回出品される作品は、「LOOKING AT WINDOWS」シリーズの新作(6分)で、2012年冬から撮影を始めた、都内某所3カ所のマンションの映像を発表します。


見どころ

@ 日常の穏やかなリズムが心地よい
磯野迪子の作品は洗濯物をモチーフに特定の団地やマンションを撮影した映像作品です。
「LOOKING AT WINDOWS」(2012)は、大きく緩やかに揺れるシーツ、カラフルなTシャツ、今にも吹き飛ばされそうな衣類など、洗濯物の干してある建物が画面に映し出され、ゆっくりと静かに移り変わり、見るものに様々な連想をさせてくれる、心地よい余韻を残す映像作品です。
そこには洗濯物だけで人物が映し出されることはありませんが、一軒一軒に個性があり、さらにそれが美しい調和を見せ、マンション全体が一つの社会のように見えてきます。そして、淡々と過ぎていく穏やかな日常を静かに感じとることができます。

A テーマは集団と個の関係性
磯野迪子は高校、大学と海外でダンサーとしてのトレーニングを受けました。帰国後、美術大学へ進み、自らの作品を制作するようになります。海外の生活を経ることで改めて、日本独自の生活習慣や文字や言語、集団と個の関係性に興味を持ち、これをテーマに制作をしています。制作方法は、何も洗濯物の干されていない状況のショットを基本に、毎日繰り返し同じ場所から撮影したスナップ写真 数千枚を、映像に繋いでいくアニメーション方式です。
磯野は制作することと生活することの一体感、作品を自らの生きる世界や時代を見つめ直し、理解をする手立てとして考えています。

B 「LOOKING AT WINDOWS」 新作公開
今回出品される作品は、「LOOKING AT WINDOWS」シリーズの新作(6分)で、2012年冬から撮影を始めた、都内某所3カ所のマンションの映像を発表します。日々の静かな暮らしを祝福するような世界観をご覧ください。



磯野迪子(Isono michiko)展

磯野迪子(Isono michiko)展

磯野迪子(Isono michiko)展

2012年 会場風景

インタビュー
2012年6月26日 インタビュー:大橋恵美(LIXILギャラリー)
大橋 なぜ「マンションの洗濯物」というモチーフを選んだのですか。
磯野 私は自分をとりまく日常からインスピレーションを得て作品をつくることが多いんです。
私のアトリエは、4000人位が住む大きな団地の中にあります。
そこで毎日洗濯物が干される様子が、本当に活き活きとしていて、一種の感動を覚えました。
さらに、洗濯をし、外に干すという当たり前の事が毎日繰り返されることに、淡々としかも朗らかなリズムを感じました。
作品の中では洗濯物だけが移り変わるのですが、これは、見る人に想像する余韻が含まれるようにしたいと考えました。
大橋 どのように制作をするのですか。
磯野 映像ではなく、写真からつくっていきます。洗濯物を干していない状態をベースにするので、雨の日や早朝をねらって撮りにいきました。このマンション探し自体も結構大変で、かなり歩きました。
洗濯物はほぼ毎日撮影に行き、ベースのマンションに合わせて、洗濯物を切り取って合成していくという仕組みです。作業としてはアニメーションと同じですね。
大橋 モチーフに集団的なものを使うのは。
磯野 私は個人と集団の関係性に興味があって、人々が作りだしている社会とはどういうものかということを観察しています。それは、私自身社会の一個人として、その社会の中での実体験をもとに、作品をつくり出すことによって、その答えが見えてくると感じています。
また、人には、一個人という存在と社会的な存在があると思うのですが、マンションにはその二つの存在が同時にあり、それが見えている感覚が面白いんです。特にこの作品では、一軒一軒に個性があるのですが、マンション全体としても、それが一つの社会のように見えてきます。
大橋 ダンスをしていました。
磯野 今はやっていないのですが、バレエを6歳から始めて、他のことにはあまり興味がありませんでした。高校からは好きなダンスを学ぶために海外に行きました。そこは音楽、美術、演劇、ダンスの専門分野に分かれていて、ダンスに限らず色々な人に出会え、芸術的にとても良い環境でした。
そして、パフォーマンスするだけでなく、自ら振り付けし舞台を演出するという経験をして、特に大学では制作に興味が湧きました。
アメリカにいると、私も外国人なんです。彼らが期待する日本人と、自分の中の日本人を自然と比較するようになり、改めて日本人って何なんだろうと考えるようになりました。
日本的なもの、特に書道が凄く好きでしたね。型がキレイでそれを追いかけるような感じです。ダンスと同じ様な要素があります。字の意味より、一種のスピード感や動きが見えるのが好きで、それをひたすら訓練して、こっちとこっちの差は何だろうとか。そんな作業が好きでした。
日本に帰ってからは、むしろいろいろなことが新鮮に感じ、文字や習慣、日常生活そのものにも、新たな興味が湧きました。洗濯物を外に干すという習慣もその一つです。
大橋 映像作品の前は、ガラスで作品を制作されていました。
磯野 私にはまず、これをしたいというのがあって、それを表現するのにメディアを選んでいきます。
ガラスは周りの映り込みによって左右され、見え方がどんどん変わっていく素材です。透明で曖昧な感じも自分の考えていることにフィットしました。そこで、ガラスをメディアに利用することは多いです。
特にガラスは技術的にも大変なのですが、やっていくうちにメディアの方からもアイデアが出てくるんです。私は何か掌中にある状態の方が、インスピレーションが湧きます。長い時間ガラスを加工していることや、写真を毎日取り続けるといった行動をすることで、心身ともに一致する状態にしておくと、作品が出来上がるようです。
ガラスの球体の作品を作った時、制作に留まらず、その映り変わりを街中へ持ち出して撮影しました。そして、背景によってガラスの見え方がどう変わるかという作品をつくりました。
それが、写真を素材とした作品に展開していくきっかけになりました。
ガラスの球体も自分で磨きながら納得のいくようにつくります。書道もそうですが、そういう作業が好きなんですね。
大橋 制作の中で何が一番楽しいですか。
磯野 撮影をしている時が一番楽しいですね。毎日見ていて、今日はどうなんだろうってわくわくします。天候に左右されることはありますが、特に凄い事件はないですね。見ている前で洗濯物が風で飛ばされていったり、川に面している窓はやはり気持ちが良いのか、開いていることが多いとかあります。
写真は、撮影した時に自分が見えていた以上のものが写ります。後から作業をしている時に、一つ一つゆっくり体験していくのが楽しいですね。
作家略歴
1981年 東京出身
2004年 The Juilliard School ダンス科 卒業
2010年 多摩美術大学美術学部 工芸学科 卒業
2012年 東京藝術大学美術研究科 先端芸術科修士課程 修了
主な展覧会
    
2012年 「藝大先端2012」東京藝術大学先端芸術表現科修了制作展(BankART Studio NYK)
2011年 「展団地を掘り下げる」井野アーティストヴィレッジオープンスタジオ(IAV102)
2010年 「Landscape Ⅻ」展 (ペッパーズギャラリー)
2010年 「Material +」多摩美術大学工芸学科卒業制作展 (スパイラルガーデン)

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