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展覧会案内

LIXILギャラリー公募展10daysセレクション <br>衣川泰典 −僕達の記憶 スクラップブックのような− 展<br>Kinukawa Yasunori Exhibition

LIXILギャラリー公募展10daysセレクション
衣川泰典 −僕達の記憶 スクラップブックのような− 展
Kinukawa Yasunori Exhibition

2012年8月17日(金)〜28日(火)

■ 休館日
日祝日
■ 開館時間
10:00〜18:00
■ 観覧料
無料

アーティスト・トーク 8月17日(金) 18:00〜19:00

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PHOTO:2011 年奈良・町家の芸術祭「HANARART」展示風景



展示会概要
「10daysセレクション展」はLIXILギャラリーが開催している年1回の公募展です。
短い会期ゆえに新鮮で刺激的な表現を広く公募し、第13回目となる今回も多数の応募者の中から、2名の作家を選んで展覧会を開催いたします。

見どころ
@ 絵日記を見ているような楽しさ
衣川泰典はスクラップブックをつくるように絵画作品を制作しています。長さ約4m の紙やパネルを支持体に、アクリルの色彩を何層にも塗り重ね、時には広告紙や雑誌などもコラージュした画面は、色鮮やかでにぎやかな街を映した、絵日記を見ているような楽しさです。

A 私達の生きている世界の姿
モチーフは人物、乗り物、動物、花や観光地の風景、有名な建造物や骨董品などで、同時代の私たちの日 常そのままの様々なイメージを収集することで、今という時代を描いています。また、一人だけ大きく描かれる子どもの姿は、現在から未来へと見る者の視線や想いを誘います。

B 記憶の風景を張り込んだ花の立体作品
衣川泰典は2004 年京都精華大学院芸術研究科造形専攻版画分野終了後、2011 年には第14 回岡本太郎現代芸術賞展に入選、関西を中心に発表を重ねています。同年「奈良・町屋の芸術祭HANARART」では、展示場所となる町の風景写真を記憶の断片として貼り、ペインティングをした「記憶の花」という花の立体作 品を制作しました。今展でも新作絵画作品のほかに、銀座周辺の風景を張り込んだ花の立体作品も同時に 展示し、会場全体がひとつのイメージに包み込まれます。



衣川泰典(Kinukawa Yasunori)展

衣川泰典(Kinukawa Yasunori)展

衣川泰典(Kinukawa Yasunori)展

衣川泰典(Kinukawa Yasunori))展

2012年 会場風景

インタビュー
2012年6月5日 インタビュー:大橋恵美(LIXILギャラリー)
大橋 衣川さんの作品には、子供の頃の夏休みの絵日記を思い出します。どんなイメージですか。
衣川 人の記憶をくすぐるような作品をつくりたいと思っています。ぼくなりに今を描きたいと考えていますが、時間はどんどん流れていくものだし、なかなか表現するのは難しいですよね。そこで、切り取ったものの集合体を見せることで時間軸を表現することができるのではないか、誰もが見たことがある風景をつくることができるのではないかと考えています。
こうした作品とは別にスクラップブックをつくっているのですが、それを絵画作品に変換するような手法を6年くらい続けています。1冊の本が1枚の絵になっていくイメージです。
小説を読むことでもいいのですが、ページをめくることで時間旅行的な感覚が、たぶんみなさんも体験的にあるんじゃないかと思うんです、そういう感覚に近いものを表せたらと思っています。
鑑賞者によって、画面の前を行ったり来たり、引いたり近づいたりして、自分でそれぞれストーリーを組み立てることができたらいいですよね。
大橋 描かれている内容は衣川さんのリアルですか。
衣川 自分の日常はくだらないことの積み重ねでしかないので、もう少し引いたところでつくりたいと考えています。
「みえないものにふれてみる」シリーズの頃(2007)は、既存の印刷物のイメージとプライベートのイメージを混載させていました。最近はプライベートがメインになって自分が目にした感覚を頼りに、個人的な体験を記録しながらも、いろんな人が共感しやすい、匿名性の高い風景を制作するようにしています。
大橋 なぜ、プライベートがメインになってきたのでしょうか。
衣川 ぼくの絵には一人だけ大きく描かれた人物がいますが、鑑賞者の窓口になるのではないかと思い、こうした設定をしてきました。
最近の作品では、この登場人物を甥っ子であったり、友人の子どもをモデルにして描いています。知っている子を描いたほうが、リアリティが出るからです。
ぼく自身の少年時代みたいなものも、どうしても反映されてくるとは思いますが、今を描きたいという思いが強いので、未来やこの先をイメージさせるような、子どもが見る風景を想像して、そこに託しているところもあります。
印刷物を切り抜く時には、やはり自分の興味のあるものになります。ただそこでも普遍的な美のあるものを見たいと思って、例えば、古美術的なものや化石のような物質を選ぶこともありました。日常的に撮影している写真には作品には欲しくないものも写りますので、トリミングをしています。そういえば空を必ず描いていますね、実際青は好きな色なんですが、記憶に残りやすいのでしょうか。
また、今展出品する新作では、登場人物をなくして、世界の広がりみたいなものだけで描くことを試みる作品も出品予定です。
大橋 もともとは版画科ご出身ですが、どのような作品でしたか。
衣川 リトグラフの写真製版をメインにやっていました。写真イメージを解体して、ひとつの画面に並列させるように構成し、抽象的で、内在する宇宙的にも見える空間を描いた作品をつくっていました。
学生時代にやりたいことを追求しているうちに、作品が巨大化していったんです。それで、版画の技術でつくることが難しくなり、アクリルで描くようになりました。また、版画のシステマチックなところから、抜け落ちてしまう作家の想いもすくいとれるような気がしています。
大橋 「奈良・町屋の芸術祭HANARA RT」(2011)では立体作品も同時に展示されました。
衣川 これは花のかたちの支持体に風景写真を貼りこんだ上に、ペインティングをしています。実際の町の風景を撮影した写真を使ってつくっているので、土地の記憶を込めた花のオブジェクトになります。1本1本違うようにつくっているところも自然を模していて、「町の記憶の花」というイメージです。
大橋 今後つくりたい作品はありますか。
衣川 自分の作品を印刷物にしたいと考えています。アーティストブックみたいなものをつくりたいですね。パンフレットや雑誌の印刷物から、スクラップブックへ、そして絵へと起してきましたので、それをまた印刷物に還元するようなことをして、往復してみたいのです。メディアを横断することにより、現在をみつめる強いまなざしのようなものが浮かび上がるのではないでしょうか。漠然と進行する時間的なものを想像出来る強いイメージが生まれるのではないでしょうか。
ぼくなりに震災から感じたことに、さまざまな記憶を大切にする姿がありました。ぼくたちが目にしてきた出来事や物語が記録されて、ぼくたちの歴史になる。だから今という儚い時間、過ぎ去ってしまう時間のかけらを掻き集めるような手法で描きたいと思います。
作家略歴
1978年 京都生まれ
2004年 京都精華大学大学院芸術研究科攻修了
主な展覧会
    
2006年 「京都府美術工芸新鋭選抜展」(京都文化博物館/ 京都)
2007年 「裏アートマップ」(京都芸術センター/ 京都)
「ふれてみる/ なでてみる」(GALLERY RAKU / 京都)
「Shangri-La, Chandelier」(The Artcomplex Center of Tokyo / 東京)
2008年 個展「ふれて/みる」(gallery neutron / 京都)
2009年 個展「未知なものと既知なもの」(neutron tokyo / 東京)
「白昼夢Daydream」(愛知県美術館ギャラリーH、I 室/ 愛知)
2010年 「ふれて/ みる」(中京大学C スクエア/ 愛知)
個展「みえないものにふれてみる」(neutron kyoto / 京都)
個展「束の間の私達」(neutron tokyo / 東京)
2011年 「第14 回岡本太郎現代芸術賞展」(川崎市岡本太郎美術館/ 神奈川)
「奈良・町家の芸術祭HANARART」(今井(橿原市)出合町家/ 奈良)

その他、個展・グループ展など多数
その他の活動
         
2007年 ワークショップ「影にふれてみる」(GALLERY RAKU / 京都)
2009年 ワークショップ「つかの間の“ワタシ”-コラージュで自画像をつくろう」(京都市美術館/ 京都)
パブリックコレクション
    
青森市民美術展示館、町田市立国際版画美術館、京都精華大学
作家Web Site
http://www.kinukawayasunori.com

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