建築・美術展 GALLERY 2




展覧会案内

一ツ山チエ −大地に、生きる− 展<br>Hitotsuyama Chie Exhibition

一ツ山チエ −大地に、生きる− 展
Hitotsuyama Chie Exhibition

2012年5月2日(水)〜5月29日(火)

■ 休館日
日祝日
■ 開館時間
10:00〜18:00
■ 観覧料
無料

アーティスト・トーク 5月12日(土) 17:00〜18:00

プレスリリースpdf_icon_s.gif ※ご覧いただくにはAdobe Reader が必要です。

「Gorilla’s man」1200x900x900mm 2011 新聞紙



展示会概要
一ツ山チエの作品は、こよりにした紙でつくられた動物の立体オブジェです。
まず印象的なのは、紙の軽さや薄さを感じさせない圧倒的な大きさとボリューム感です。2メートル近いサイや、ゴリラの親子、四股を踏むお相撲さんのパンと張り切ったボディが、紐状の紙をぐるぐると重ねて力強く表現されています。表情の豊かさも印象的です。おもちゃで遊ぶ子ゴリラの楽しさ、それを抱く親ゴリラの微笑み、傷ついてうずくまるサイのうるんだ目、身近な素材の持つ優しさにおおらかな野生動物の優しさが重なって見えるようです。

一ツ山チエは1982年生まれ、大学卒業後にイラストレーターの仕事をしながら立体作品をつくり続け、最初は既製の紙紐で、次第に新聞紙を用いてリアルな動物の姿をかたちづくるようになりました。
製紙産地である静岡県富士市の、祖父の代から紙紐工場を営む家で幼少時からとてつもない量の紙類に囲まれて育った一ツ山にとって、紙は自らのルーツに組み込まれたアイデンティティともいえるものでした。工場の巨大な機械や、名字の由来でもある富士山、側に見るものすべてが大きかったことが、体感的な作品のスケールにも繋がっています。
NPOの仕事で訪れたザンビアで、密猟によって傷ついたサイの姿を見たことから「君が心の叫び 歌はいまもきこえつづける」が生まれ、映画「愛は霧の彼方に」から「Gorilla’s man」が生まれました。危機に瀕している野生動物や、制作中に新聞で世界のニュースに目を留め、心を動かされたことからモチーフがインスパイアされることもあるといいます。

今展ではバイソンをモチーフに、圧倒的な自然に生きるものの逞しさをあらわします。
土の臭いのする巨大なバイソンたちが、大地をどっしりと踏みしめ歩んでいく。ともに地球に生きる動物の強さ、優しさが大きく広がる風景を、ぜひ会場でご覧ください。

一ツ山チエ(Chie Hitotsuyama)展

君が心の叫び 歌はいまもきこえつづける 2011
1800×800×700mm 新聞紙



一ツ山チエ(Hitotsuyama Chie)展

一ツ山チエ(Hitotsuyama Chie)展

一ツ山チエ(Hitotsuyama Chie)展

一ツ山チエ(Hitotsuyama Chie)展 一ツ山チエ(Hitotsuyama Chie)展
一ツ山チエ(Hitotsuyama Chie)展

Creative direction:Takeshi Tamai
2012年 会場風景

インタビュー
2011年6月1日 インタビュー:大橋恵美(INAXギャラリー)
大橋 一ツ山さんの作品は、等身大に近い動物がすべて新聞紙と紙紐でつくられています。躯体も新聞紙を芯にされているそうですが、なぜこの素材を選んだのですか。
一ツ山 実家が紙紐工場で、小さい時から遊びに行っては廃材を入れる大きなゴミ捨て場にお風呂みたいに埋まって遊んでいたので、身近な素材だったんです。
工場の紙の何トンもの積載量や機械の大きさもそうですが、静岡県で一ツ山という苗字の由来になった富士山がいつも側に見えていたことも大きいと思います。見るものすべてが大きかったので、今でも未だ自分の作品は小さいと思っているんです。
紙の町で育ったからそれは自分の個性のひとつなのだと考えています。根がないと自信を持って作品に表すことはできないです。
素材に関しては模索が続いています。本当に正しい素材なのか、量なのか、良いのか悪いのか。新聞紙を貼るだけでは、印刷されているニュースが目に入る。そうした作品はそれ以前にもたくさんつくられている。それで新聞紙で紙紐をつくったらどうかと思いました。
大橋 動物を選んだ理由はありますか。
一ツ山 「君が心の呼び歌 今も聞こえる」(2011.1)犀の作品ですが、知り合いのNGOグループの研修旅行でザンビアへ行った時のことです。エイズや妊婦の衛生の講習会をしたり、専門の施設のことを教えたりした帰りに、ナショナルパークへ自然を見に行きましょうかということになりました。そこでレンジャーの方が犀を見せてくれたのですが、それが密猟によって痛められてしまった元気のない、保護されている犀だったのです。
犀は角を人間に捕られてしまうのですが、その犀は間一髪で助かった後でした。密猟者はとても乱暴で、暗闇の中で角に刃を当てるので、角はひげのような繊維質でできているために、その部分が壊死して命を落とすような悲惨なことになるそうです。その姿を見て制作したので、元気のない犀の作品なんですが、周りに花をつくったのは、そういう目にあっても人間を攻撃するわけでなく、優しい雰囲気が感じられたのでそういうことを表したかったんです。
大橋 こうした作品制作を始めて間がないそうですが、イラストレーターの仕事もされています。
一ツ山 イラストは平面なので表現することに対して物足りなさを感じていました。仕事にするくらいですから大好きなのですが、空間や立体の方が感動するんです。大学時代からずっと東京に住んでいましたが、カナダへ行って自分には自然が向いていると気づきました。それからこうした作品をつくるようになりました。
「Gorilla’s man」(2011.5)親子ゴリラの作品は、映画「愛は霧のかなたに」を観て感動してつくりました。黒く色を塗った新聞紙と黒の艶のある紙紐を使いましたが、この腕の毛の部分は最後まで悩みましたね。ちょっとゴリラの胸元に寝てみたいなという想いでつくりました。マウンテンゴリラも保護されていますが、何かそういうものにぐっとくるんです。つくりたいものに出会うまではつくれない。愛しく思えないとつくれないです。
大橋 観客の反応はどうですか。
一ツ山 おしっこをちびっちゃった子供もいました。子供に感動してもらいたいです。何でできているの、すごい、乗りたいと言われるので嬉しいですね。でもつまらないと言われることもありますし、いろんな意見があるのがよいかと思います。
大橋 2011年にたくさん作品をつくられています。
一ツ山 安易な考えなんですが、3.11の後皆元気がないと思って、釣り人が魚を釣り上げた時の誇らしげな表情を思い出して、元気を出して欲しいと思って鮭とカジキマグロをモチーフのした「GIFT of life」をつくりました。
でもこれをつくることで、世界の食料事情に思い至って、命について考えてしまいました。新聞を使っているとアフリカ飢餓のニュースがよく見られるんです。旱魃や内戦で難民キャンプに来るのに、親が子どもを置いてこなくてはならない状況で、その子どもが食べられているのかどうかもわからないという記事があるんですね。
私はスーパーマーケットで大量に仕入れ何かとても安いお金で食べ物を手に入れることができる。ものの価値が見出されない、命の価値ってなんだろうか。それでこういうタイトルにしました。
植物や動物の命を分け与えられているから私は生きていくことができます。
大橋 動物だけでなく人間も登場してきました。
一ツ山 新宿ルミネの仕事だったので、「満員御礼」(2011.9 )というイメージで相撲をつくりました。いっぱい人が来たらいいな、相撲の「四股を踏む」には邪気払い、世の中を治めるという意味もあるそうです。
大橋 今展はどのような作品になりますか。
一ツ山 バイソンの群れをつくります。モウモウと毛が生えていて、土ぼこりがたっていて、4、5頭の群れがいたり、戦っていたり、入ってくる人に向かって来るような力強い作品です。
バイソンを選んだのは、野性のもの、土臭い泥臭いものがつくりたかったからです。アメリカでは食用に狩猟され過ぎて今やワシントン条約で守られている種です。
どんなに文明が栄え便利になっても、新しいエネルギーが開発されても、私は土の匂いや緑の匂い、大地の上にいる動物であることを忘れず、大地に生きる者として、力強く生きていきたいという思いです。
作家略歴
         
1982年 静岡県出身
2004年 東京工芸大学デザイン学部卒業
2006年 test,原宿 ディスプレイデザイン(07・08年にも行う)
2008年 ILLUSTRATIVE ZURICH /Switzerland
2010年 The Rare Earth Society (paper doll work shop)/Canada
Mexico wagon project (Pasagero ) Mixico city
2011年 女流クリエイター展覧会/ 目黒Claska
CHOCOLATS DES FUCHU デルトロ府人のレシピグループ展 / Loop hole
DOROTHY VACANCE グループ展
Gorilla's mom/H.P.FRANCE WINDOW GALLERY丸ビル

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