やきもの展 GALLERY3




展覧会案内

星野暁展 始まりのかたち− 螺旋 ’17 <br>HOSHINO Satoru

星野暁展 始まりのかたち− 螺旋 ’17
HOSHINO Satoru "Beginning Form − Spiral '17"

2017年9月15日(金)〜10月24日(火)

■ 場所
LIXILギャラリー
■ 休館日
水曜日
■ 開館時間
10:00〜18:00
■ 観覧料
無料
アーティスト・トーク
2017年9月15日(金) 18:00〜18:30
申込不要  ※終了しています

プレスリリースpdf_icon_s.gif※ご覧いただくにはAdobe Reader が必要です。

HOSHINO Satoru  Beginning Form − Spiral '17
27 April - 27 June, 2017
■ Closed
Wednesdays
■ Open
10:00-18:00
■ Admission
Free

◆ Here is more details. (PDF 974KB)
HOSHINO Satoru  "Beginning Form - Spiral '17" pdf_icon_s.gif
※ご覧いただくにはAdobe Reader が必要です。

《土、水、火 / 地、雲、風》(部分)  黒陶  2010年  
《Clay-Water-Fire / Earth-Cloud-Winds》(part)  smoked earthware  2010  250×2200×350cm



展示会概要
   LIXILギャラリーでは2017年9月15日(金)〜10月24日(火)の期間、星野暁(さとる)展「始まりのかたち−螺旋 ’17」を開催します。
   星野暁氏は1974 年に前衛陶芸集団「走泥社」の同人となり、陶芸による作品の制作をスタートしました。今日に至るまでおもに黒陶によるオブジェやモニュメント、インスタレーションなどジャンルにとらわれない幅広い作品を制作しています。
   本展では、小さな黒陶の陶片 約1000個をギャラリーの壁一面に設置するインスタレーション作品「始まりのかたち−螺旋」シリーズ1点を展示します。
   このシリーズは1989年頃より制作されている星野氏の代表的な壁面インスタレーション作品で、自然への畏怖と畏敬の念をテーマに、展示空間に合わせて黒陶の陶片が自然のみならず宇宙生成の原初的なかたちである螺旋や渦巻き状に設置されるダイナミックな作品です。
   今展は、近年関西や海外での発表が中心となっている星野氏の18年ぶりの東京での個展開催となります。


見どころ
原初的な自然のエネルギー  黒陶のインスタレーション
   星野暁氏は1970年代初頭に、京都で前衛陶芸集団「走泥社」を代表するメンバーの八木一夫の黒陶の作品に出会って深く心を揺さぶられ、作陶を自らの仕事と定めて1974年走泥社の同人となり発表をスタートします。星野氏にとって黒陶のモノトーンの世界は生まれ育った北国の雪景に似て、また土の感触は子供時代に田圃で野球の球を拾った日々に近いものでした。
   1979年には作品「表層・深層U」によって第5回日本陶芸展文部大臣賞を受賞します。
   その後1986年にアトリエを土砂崩れで失うという自然の猛威を体験したことから、土は単に作品を作る素材ではなく、自然そのものであり、生命とエネルギーの備わった、人が共存、共生する存在として認識するようになります。
   1989年には「古代緑地」シリーズが、続いて「始まりのかたち−螺旋」シリーズが誕生します。この二つのシリーズは身体感覚に基づき、指や掌などの痕跡を残した約1000個の黒陶の陶片を、世界の生成の原初的な法則のひとつである螺旋や渦巻のかたちに壁面に設置するダイナミックなインスタレーション作品です。
   今展は星野氏の18年ぶりの東京での発表となり、会場の空間に合わせた「始まりのかたち−螺旋 ’17」が新たに制作されます。
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2017年9月 ギャラリー3 会場風景

「星野暁展 始まりのかたち− 螺旋 '17 」に寄せて

   一昨年の秋、大阪のアートコートギャラリーで、偶然にも星野暁(さとる)の≪走泥−水と土の記憶≫と名付けられた大型のインスタレーションと出会った。それは土と人と自然が三位一体となった、まさに私が求めていた縄文の渦巻きであり、星野の身体の細胞の奥深くに封じ込められた原始の記憶、すなわち縄文の触感の具現であった。

   星野は、1974年に前衛陶芸集団「走泥社」の同人となり作品を発表、1979年には≪表層・深層U≫によって第5回日本陶芸展文部大臣賞を受賞、現代陶芸界に広く知られることになった。

   しかし、1986年集中豪雨による山津波によってアトリエは破壊され、周囲は泥の海と化した。その衝撃によって土に対する見方が一変する。星野は、「この時を境に土は単に作品を作る素材ではなく、自然そのものとして大きく私の前に立ちはだかった。素材である土という物質はそれまでの私が考えるような自由な造形を楽しむための存在ではなくなり、土には土の生命とエネルギーが備わっており、それとの共存あるいは共生という認識なしには一歩も近づけない存在として初めて認識された」と語る。その体験を機に、代表的なシリーズとなる≪Appeared Figure(出現する形象)≫が誕生する。このシリーズによって、道具を一切使わず、自身の指や掌といった身体的な痕跡のみを土に刻印して、成形・焼成するという現在のスタイルが確立した。

   そして星野は、「土すなわち自然を一つの総合的な生命の体系として捉え、私個人もその網の目の中で生きている存在であると実感して初めて、土すなわち自然との根源的交感を可能にする感性が生まれ育つと考えるに至ったのである。そして土は私にとって世界に分け入る門となり、秩序化されていない本源的な身体が躍動できる場であり、混沌とした泥の海から新たな秩序を生成する場となった」と語る。

   本展では、小さな黒陶の陶片(かたまり)約1000個をギャラリーの壁一面にインスタレーションするという、いままで誰も試みたことのないアートを展示する。それは土塊のみならず宇宙生成の原初的なかたちである螺旋や渦巻き状に、展示空間に合わせて設置するダイナミックな作品である。星野は現代社会に対して、「自然との共生の精神を失い、どこまでも自然から遠ざかっていく。いまこの危機のシグナルを的確に捉え、従来の道筋から軌道を少しずらして、もう一度身体感覚≠ノ基づく自然観に歩み寄ることが求められていないだろうか」と警告する。本展は、ニューヨークや関西での作品発表が中心となっている星野のじつに18年ぶりの東京での個展である。


森 孝一(美術評論家・日本陶磁協会常任理事)


作家略歴
1945 新潟県見附市に生まれる
1971 立命館大学卒業
1971-73 藤平陶芸にて陶芸技術を修得
1973 京都府八幡市にアトリエをもつ
1974-80 「走泥社」会員
「走泥社展」(京都市美術館/京都、伊勢丹百貨店/東京)
1975 個展(ギャラリー射手座/京都 ’77, ’79, ’80)
1977 京都府相楽郡和束町にアトリエを移す
1979 第5回日本陶芸展 文部大臣賞(大丸百貨店/東京、大阪他巡回)
1980 個展(赤坂グリーンギャラリー/東京 ’84, ’91, ’99)
個展(番画廊/大阪 ’82, ’85, ’90, ’93, ’97)
1983 イースト・シドニー・テクニカル・カレッジで客員准教授(オーストラリア)
1984 「コンストラクション」三人展(クラフトカウンシルセンター/シドニー・オーストラリア)
1984-91 成安女子短期大学 非常勤講師
1985 個展(ウエストベスギャラリーコヅカ/名古屋 ’90, ’93, ’96, ’03)
1986 集中豪雨により裏山が崩れ、和束町のアトリエを失う
1987 キャンベラ・スクール・オブ・アートで客員准教授(オーストラリア)
1989 滋賀県滋賀郡志賀町北浜にアトリエを移す
1990 スキドモア・カレッジにて滞在制作《出現》(ニューヨーク州・アメリカ)
1991 大阪産業大学工学部環境デザイン学科助教授(1998年同教授)
個展(福岡県立美術館+ライフギャラリー点/福岡)
1993 新潟県見附市文化ホール「アルカディア」ホワイエに陶壁作品を委嘱制作
1994 キャンベラ・スクール・オブ・アート滞在制作《古代緑地W》(オーストラリア)
1995 「庄司達、星野暁―現代日本の彫刻」(ANUドリルホールギャラリー/キャンベラ・オーストラリア)
1996 岐阜市神田町にモニュメント作品委嘱制作
大阪府泉佐野市立文化会館エブノ泉の森ホールに水中モニュメント作品を委嘱制作
第6回国際陶芸キャンプ岡山を企画運営
1998 EKWC(ヨーロピアン・セラミック・ワーク・センター/オランダ)招聘制作《再生/コペルニカス以前の泥U》
「サントリー美術館大賞展’98−挑むかたち」佐治奨励賞受賞
1999 滋賀県立陶芸の森 招聘制作《古代緑地の雨》
個展「再生/コペルニカス以前の泥U」(アリアナ美術館/ジュネーブ・スイス)
2000 滋賀県滋賀郡志賀町八屋戸にアトリエを移す
個展「古代緑地」(西フランドル州立近代美術館/オステンド・ベルギー)
2001 個展「古代緑地の雨」+パフォーマンス(V&A美術館/ロンドン)
2002 滋賀の現代作家展「星野暁 黒陶 出現する形象」(滋賀県立近代美術館/大津)
個展 「泡の誕生」(ギャラリー・デ・ビット・フット/アムステルダム ’04, ’09)
2008 個展「春の雪」(フランク・ロイド・ギャラリー/サンタモニカ・アメリカ)
個展「開始之形‘08」(台北県立鶯歌陶瓷博物館/台湾)
2010 台湾陶瓷ビエンナーレ「コーレロ」(台北県立鶯歌陶瓷博物館/台湾)
第21回ヴァロリス国際ビエンナーレ(マニエリ美術館、陶芸博物館/ヴァロリス・フランス)
2011 「テラコッタ、プリミティヴ フューチャー」(クレイアーク金海美術館/韓国)
2015 個展「土と手の間から」(艸居/京都)
個展「Black Horse in the Dark −始原の知覚」(アートコートギャラリー/大阪)
2016 個展「表層・深層」1978−80、2016(アートコートギャラリー/大阪)

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