やきもの展 GALLERY3




展覧会案内

大塚茂吉展 −静寂なる振動− <br>OTSUKA Mokichi

大塚茂吉展 −静寂なる振動−
OTSUKA Mokichi "Vibration of Silence"

2016年9月13日(火)〜10月31日(月)

■ 場所
LIXILギャラリー
■ 休館日
水曜日
■ 開館時間
10:00〜18:00
■ 観覧料
無料
アーティスト・トーク
2016年9月13日(金) 18:30〜19:30
申込不要(当日会場にて受付)

プレスリリース
pdf_icon_s.gif※ご覧いただくにはAdobe Reader が必要です。

OTSUKA Mokichi   'Vibration of Silence'
13 September - 31 October 2016
■ Closed
Wednesday
■ Open
10:00-18:00
■ Admission
Free

◆Here is more details. (PDF 905KB)
'Vibration of Silence' : OTSUKA Mokichipdf_icon_s.gif
※ご覧いただくにはAdobe Reader が必要です。

聖猫  2016年  h51×16.5×29p  撮影:Giorgio Biserni
Holy Cat  2016  h51×16.5×29p  photo:Giorgio Biserni



展示会概要
   LIXILギャラリーでは2016年9月13日(火)〜10月31日(月)の期間「大塚茂吉展 −静寂なる振動−」を開催します。
   大塚茂吉氏は1994年よりイタリア・ファエンツアにて陶芸作品を制作しています。テラコッタによる女性像や猫像などは、静謐でモダンな雰囲気をたたえ、独特の表現が高い人気を得ています。今展では、今春イタリアにて制作発表された新作4点を含む7点を展示します。
   大塚氏の作品は、象嵌(ぞうがん)技法により赤土が無数の白点に覆われた表面が特質とされています。新作では、全ての穴に筆で白土を入れ、乾燥収縮によりアトランダムに穴があくことで、表面が陰影を帯びて瞬いているような動的なイメージがあります。その様子などを含め「静寂なる振動」と名付け、今展のタイトルとしています。どうぞ会場にて新しい大塚氏の挑戦をご覧ください。


見どころ
象嵌技法からの新たなる挑戦
   大塚茂吉氏は画家として訪れたイタリアで、テラコッタに出会い、陶芸による立体像を制作するようになりました。これまで20年に渡り、年に数ケ月をイタリアで過ごして作品制作を行っています。
   その作品の多くは女性と猫で、女性像は古代ギリシャの微笑む女神コレー像の、聖性と世界を包み込むような優しさを創作の原点としています。特質として、テラコッタの表面に細かな穴を穿ち、白土を埋めていく象嵌技法が使われており、無数の白点で覆われた表面は、柔らかな中に原初的な力強さを感じさせます。また、切れ長に土を穿ってつくられる眼差しは内面を暗示しており、その微笑は多くの人々を魅了してきました。
   これまでも様々な挑戦を続けてきた大塚氏ですが、今回の新作では、全ての穴に筆で白土を入れ、乾燥収縮によってアトランダムに穴があくことで、表面が陰影を帯びて瞬いているような動的なイメージがあります。作品の内に宿る魂と外形の無数の穴とが振動し、そこに宇宙的なリズム感が生まれました。
   大塚氏の新たなる世界をぜひ会場にてご覧ください。
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2016年9月 ギャラリー3 会場風景

「大塚茂吉展 −静寂なる振動−」に寄せて

   大塚茂吉のテラコッタは、一貫して人間像をテーマに作品を展開している。それも女性像に限られ、女性の首像や胸像、手といった肉体の一部を通して、人間そのものの存在、あるいは≪生命の音律≫を象徴的に表現している。

   大塚は自身の創作の原点について、「古代ギリシアの微笑む女神像コレー、この像の前に立つと、忘れていた静寂と情熱、魂の奥底を揺さぶる澄明な音律が聞こえてくる。そして、人々が個であって全体でもあった生命の充実、神聖な波動が語りかけてくる。西洋も東洋も含んだ両義性のある美質。それは、限りない優しさをもって世界を包み込む。」と語っている。この文章は、大塚の制作姿勢を語る重要な内容である。

   大塚は、東京藝術大学大学院日本画専攻を終了後、1994年にイタリアに渡り、陶都ファエンツァのバッラルディーニ国立陶芸学校でテラコッタの技法を習得する。彼の恩師アルド・ロンティーニは、人間の肉体をテーマに制作活動をおこない、国際的にも高く評価されているイタリアを代表する陶芸家である。そのテラコッタは、古代ギリシアやローマ以来の彫塑の伝統を彷彿とさせる一方、土の温もりや柔かさ、生命の律動感といったものを感じさせる作品である。

   大塚は、「アルド・ロンティーニとの出合いは、私にとって大きな意味があります。ここで初めて、イタリアの美質、テラコッタの技術を学びました。」と語っている。しかし、大塚のテラコッタは、恩師の制作するテラコッタとは違って、赤褐色の陶土に白い斑点の象嵌を施し1060度で焼成する独自の技法で、他に例を見ないものである。この白い斑点があるとないとでは、まったく作品が違ってくる。縄文土器でいえば、自然界のエネルギーを象徴する渦巻文様であり、すなわち、この白い斑点が大塚のテラコッタに生命感を与えているのである。

   大塚は、やきものと出合った時、「絵画の頭の中で創るイリュージョンから、身体的に土という素材と対話して創り出すことに、心の安定をみた。」という。大塚にとっては石でも金属でもなく、やきものでなければならない理由がそこにある。それは、やわらかい土の質感と温かい色調という素材が持つ材質感であり、土と対話して創り出すという行為そのものであったのかも知れない。

  今回の新作は、赤土に白い斑点の象嵌を施したこれまでの作品とは違って、穴に筆で白土を入れ乾燥させ収縮すると白土が割れアットランダムに穴が開くことで、作品の内に宿る魂と外形の無数の穴とが振動し、そこに宇宙的なリズム感が生まれた。それは、大塚にとって大きな飛躍であったに違いない。展覧会が、とても愉しみである。


森 孝一(美術評論家・日本陶磁協会常任理事)


作家略歴
1956 東京に生まれる
1979 東京藝術大学美術学部日本画科卒業
1981 東京藝術大学大学院美術研究科日本画専攻修了
1996 G.バッラルディーニ国立陶芸学校卒業

1994 個展 淡路町画廊(東京)
1997 個展 ロッジェッタデル39(ファエンツァ・イタリア)
「壺の可能性」展 パラッツォチーズィ(ミラノ・イタリア)
1998 第50回ファエンツァ国際陶芸ビエンナーレ展 ファエンツァ国際陶芸美術館(ファエンツァ・イタリア)
第4回カイロ国際陶芸ビエンナーレ展(カイロ・エジプト)
第38回カステッラモンテ陶芸展 パラッツォコムナーレ(トリノ・イタリア)
1999 個展 スタジオ カヴァリエリ(ボローニャ・イタリア)
「イタリアからのテラコッタ〜アルド・ロンティーニと大塚茂吉」展 草月美術館(東京)
2000 東美アートフェア個展 東京美術倶楽部(東京)
2002 個展 「大塚茂吉のテラコッタ」 日本橋三越本店美術サロン(東京)
2003 個展 「大塚茂吉のテラコッタ」 大沼山形本店(山形)
東美アートフェア個展 東京美術倶楽部(東京)
2004 第4回21世紀展 東京美術倶楽部 (東京・名古屋・京都・大阪・金沢)、以後第15回(2015年)まで毎年出品
収蔵作品展「動物のモチーフ」 東京国立近代美術館(東京)
2005 個展「大塚茂吉のテラコッタ」 日本橋三越本店特選画廊(東京)
2006 「内なる微笑み」展 ロッジェッタ デル39(ファエンツァ・イタリア)
「人のかたち」展 滋賀県立陶芸の森陶芸館(滋賀)、兵庫陶芸美術館(兵庫)、静岡アートギャラリー(静岡)
2007 個展 サロン フォンタノーネ(ファエンツァ・イタリア)
2008 個展 「内なる微笑み」 ティート・バレーストラ近現代美術館(ロンジャーノ・イタリア)
2009 個展 「内なる微笑み」 ニアートギャラリー(ラヴェンナ・イタリア)
2010 個展 「内なる微笑み」 日本橋三越本店特選画廊(東京)
2011 個展 「内なる微笑み」 ファエンツァ国際陶芸美術館(ファエンツァ・イタリア)
2012 個展 「女神と猫」 ギャラリー歩”ら里(山梨)
個展 「内なる微笑み」 パラッツォ エスポズィツィオー二(ファエンツァ・イタリア)
2013 個展 ギャラリーヨシイ(パリ・フランス)
「土の姿」展 益子陶芸美術館(栃木)
2014 個展 「内なる微笑み」 日本橋三越本店特選画廊(東京)
2015 個展 「大塚茂吉−邂逅−2015」 万葉洞みゆき店(東京)
2016 個展 「静寂なる振動」 ニアートギャラリー(ラヴェンナ・イタリア)
「創と造2016」 東京美術倶楽部(東京・名古屋・京都・大阪・金沢)
作品収蔵先
ヴィクトリア&アルバート美術館(イギリス)、ティート・バレーストラ近現代美術館(イタリア)、東京国立近代美術館、兵庫陶芸美術館、高崎芸術短期大学、高松市美術館、滋賀県立陶芸の森・陶芸館、菊池寛実記念智美術館

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