やきもの展 GALLERY3




展覧会案内

小池頌子展  -遠い煌めき- <br>KOIKE Shoko Exhibition

小池頌子展 -遠い煌めき-
KOIKE Shoko Exhibition

2016年1月8日(金)〜3月7日(月)

■ 場所
LIXILギャラリー
■ 休館日
水曜日、2月21日(日)
■ 開館時間
10:00〜18:00
■ 観覧料
無料
プレスリリースpdf_icon_s.gif※ご覧いただくにはAdobe Reader が必要です。

KOIKE Shoko : Luster from afar
8 January 2016 - 7 March
■ Closed
Wednesday, 21 February
■ Open
10:00〜18:00
■ Admission
Free

◆Here is more details. (PDF 950KB)
"KOIKE Shoko - Luster from afar -" pdf_icon_s.gif
※ご覧いただくにはAdobe Reader が必要です。

「ラスター彩 チューリップ文 高坏」(部分)
Luster Stemmed Cup with Tulip Decoration (detail)   1985   H10×31×31cm
撮影:谷山真一郎 / Photo: Shinichiro Taniyama



展示会概要
小池頌子氏は1970年代より制作を始め、現在に至るまで数多くの展覧会を開催し受賞を重ねる人気の作家です。代表作である《貝のうつわ》シリーズのしなやかで大胆な造形による独特の世界観は多くの人々を魅了しています。本展では、こうした代表作が誕生する以前の1980年代に制作されていた、ラスター彩で絵付けされた器などを中心に、未発表作品を含む約20点を展示します。時空を超えて煌めく小池氏の創作の原点に触れる機会となります。


見どころ

小池頌子氏は1943年生まれ、東京藝術大学大学院陶芸専攻にて陶芸を学び、その作品は内外で高い評価を得ています。小池氏の代表作である《貝のうつわ》シリーズは、貝をイメージした大きく波打つのびやかで大胆な造形が特徴的な作品です。
小池氏の作品の制作背景には、青空の反射する校庭の水たまりに感動した体験やフェルメールの「青いターバンの娘」、ペルシャ美術の影響があると言われます。

今回展示される1980年代に制作されたプレート皿やお椀には、庭土を混ぜたという砂粒の点々が残る土肌に、雨、風紋、砂に埋まる貝、幾何学文様、星座などの独特のモチーフがドローイングされています。それは小池氏だけの砂漠の風物詩のようです。
また、淡い青色を基調にうねるチューリップがあふれんばかりに描かれた高杯は、庭に咲いた花を描いたとされながらも、チューリップが国花であるトルコのイズニックタイルを連想させ、エキゾチックな雰囲気が感じられます。
その他に鳥や鹿、騎乗の人物など、ペルシャ美術のアイコンとも言えるモチーフが、大らかに勢いのある筆致でラスター彩を使って描かれている作品が約20点展示されます。
こうした初期の作品から、螺旋形の貝のかたちや真珠色や青色の釉薬などの煌めくイメージが、時空を遡り現在の作品へと続いていることがうかがわれます。

本展で小池氏の創作の原点に触れることで、さらにその作品を深く理解する機会となればと思います。


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2016年1月 ギャラリー3 会場風景



「小池頌子展 −遠い煌めき−」に寄せて

或る日、小池が「私は北京で生まれたけど、シルクロードを通って遥かペルシアに繋がっていたかも知れない」といった。取り留めのない話といってしまえばそれまでのことだが、私はこの言葉に何故か引っかかった。小池は幼少期を信州の高原で育った。その思い出を「緑の山々に囲まれた青空、星のきらめく夜空、新年の白い雪、その中で育った。」と語る。小学生の頃、パリに留学していた母親からフェルメールの≪真珠の耳飾りの少女(青いターバンの少女)≫の複製画をお土産にもらい、その青色の美しさと立体感に感動したという。また、高校生の時には、教室の窓から見えた雨上がりの校庭の水たまりに映った空の青が忘れられず、のちにサロン・ド・プランタン賞を受賞した≪水たまり≫のテーブルが生まれた。これらの話を繋げていくと、青空、青色、水たまりに反応する小池の遺伝子の存在が見えてくる。
ところで、砂漠に生きる人びとにとって青色(ペルシアン・ブルー)は、生命を象徴する母なる水の色である。その生命の水色に小池の遺伝子が反応するのである。彼女は最初、陶芸ではなくガラスをやりたかったという。しかし、芸大にはガラス科がなく、それで陶芸科を専攻したというのだ。しかし、エジプトのソーダガラスの技法がイスラームの青釉陶器に影響したことを思えば、小池がペルシア陶器に魅せられ、陶芸を専攻したとしても何の不思議もない。
小池は初期のガラスのテーブル青釉の下に貝を描いてから、一貫して「貝」をモチーフに制作をしている。そして、1984年初個展の螺旋(らせん)の「巻き貝」状の立体、「ツノツノ」「ヒダヒダ」「舞舞」といった独特のフォルムを持つ≪貝のうつわ≫に至る。小池は貝殻の真珠色の輝きに見せられたのだ。それは、学生時代からの憧れだったラスター彩の輝きとも重なる。≪貝のうつわ≫の制作方法は、轆轤成形して、その上で手びねりにより「ツノツノ」や「ヒダヒダ」といった形を構築してゆく。それは、両手で粘土を強く締めながら引き伸ばし、轆轤の螺旋運動によって成形する。
小池の代表作ともいうべき≪貝のうつわ≫≪水のかたち≫≪白のかたち≫をピラミッドの上層部とするならば、1984年から88年に掛けてのラスター彩の作品は、まさに上層部を支える土台部分といえよう。今回出展の1985年作≪ラスター彩チューリップ文高坏≫や1988年作≪ラスター彩鹿文鉢≫、また≪ラスター彩貝蓋物≫は小池が−遠い煌めき−と呼ぶラスター彩による一連の作品群である。ここには、小池の遺伝子が反応するところの「水の色」「貝のかたち」「真珠色の輝き」がある。それらは、すべて生命の形とその輝きを象徴している。そして、そこに小池の思想があると私は思っている。今回の「小池頌子展−遠い煌めき−」は、そうした小池の創作の土台部分を紹介するものである。


森 孝一(美術評論家・日本陶磁協会常任理事)




作家略歴
1943 北京に生まれる
1969 東京藝術大学大学院陶芸専攻修了 サロン・ド・プランタン賞受賞
1984 個展(乾ギャラリー/東京 ’87.’93)
1985 個展(サボア・ヴィーブル/東京)
1986 個展(寛土里/東京 ’88.’90.’92.’94.’96.’97.’06.’08.’10.’14)
1988 第1回「ミーム・プール・同時代の邂午逅 花と陶」(小原流会館/東京)
「惑星直列」 (GALLERY 小柳/東京 )
1992 個展(GALLERY 小柳/東京.’94)
1993 「Modern Japanese Ceramics in American Collection」(ジャパン・ソサエティ/ニューヨク)
1994 「魅惑の現代陶芸−用の否定と肯定−」(草月会館/東京)
1995 「陶芸の現在・発信する器」(島屋/東京、京都)
1996 「現代陶芸の若き旗手たち」(愛知県陶磁資料館)
1997 「嗜欲の器<器物と美術>」(ギャラリーいそがや/東京)
「’97 Taegu Asia Arts Exhibition 」(大邱文化美術館/韓国)
「Japanese Ceramics 」(Zetterquist Galleries/ニューヨーク )
「土の透視図」(コンテポラリーアート NIKI /東京 ’99)
個展( SILVER SHELL/神奈川 )
1998 「陶芸の現在的造形」(リアス・アーク美術館/宮城)
「かたちの領分−機能美とその転生−」(東京国立近代美術館工芸館)
「八木明・小池頌子二人展」(Zetterquist Galleries/ニューヨーク)
2003 「現代陶芸・14人の尖鋭たち−器から造形へ−」(高知県立美術館)
「Japanese Ceramic Today Part3 」(菊池寛実記念智美術館/東京)
2004 個展(Space TRY /東京 ’06)
個展(ギャラリーたち花/東京)
2005 「Contemporary Clay Japanese Ceramics for the New Century 」(ボストン美術館)
2006 「現代陶芸の粋−東日本の作家を中心に−」(茨城県陶芸美術館)
「TOJI 日本陶芸の伝統と前衛」(国立セーブル陶磁美術館/フランス)
「新世紀の日本陶芸」(ジャパン・ソサエティ/ニューヨーク)
「現代の茶陶−造形自由と用見立て」優秀賞受賞(菊池寛実記念智美術館/東京)
2007 「郡青の彼方から 小池頌子」展(菊池寛実記念智美術館/東京)
「魅せられる…今、注目される日本の陶芸展」(日本、フランス、U.S.A.各地 〜'10)
2008 「Generosity in Clay 」(The Clark Center for Japanese Art and Culture/U.S.A.)
「智美術館大賞展 現代の茶−造形の自由・見立ての美」(菊池寛実記念智美術館/東京)
2009 2008年度日本陶磁協会賞受賞
「2008年度日本陶磁協会賞・金賞受賞記念 小池頌子・加藤孝造展」(壺中居/東京)
「Through the Seasons: Japanese Art in Nature」(Stone Hill Center, Sterling and Francine Clark Art Institute /U.S.A.)
2010 個展 (Joan B.Mirviss Gallery/ニューヨーク ’13)
2012 「川崎毅・小池頌子−街の風景・白のかたち−」(和光ホール/東京)
2014 「Japanese Ceramics for the Twenty-first Century 」(The Art Walters Museum /U.S.A.)
「Fired Earth, Woven Bamboo Contemporary Japanese Ceramics and Bamboo Art 」(ボストン美術館)
2015 個展「小池頌子展」(ギャラリー上田/東京)
個展(ギャラリーたち花/東京)

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