やきもの展 GALLERY3




展覧会案内

加藤 清之展  - 陶と磁 - <br>KATO Kiyoyuki Exhibition

加藤 清之展 - 陶と磁 -
KATO Kiyoyuki Exhibition

2015年10月31日(土)〜12月24日(木)

■ 場所
LIXILギャラリー
■ 休館日
水曜日、11月22日(日)
■ 開館時間
10:00〜18:00
■ 観覧料
無料
プレスリリース(480KB)pdf_icon_s.gif ※ご覧いただくにはAdobe Reader が必要です。
◆Here is about KATO Kiyoyuki
written by MORI Koichi (Exective Director, The Japan Ceramic Society)
KATO Kiyoyuki - Clay Workspdf_icon_s.gif

「磁土の形」(部分) 2015年 H51×W15×D10cm
撮影:佐藤彰





展示会概要

加藤 清之氏は1931年愛知県瀬戸市生まれ、その活動は60年以上になる日本を代表する陶芸家のひとりです。幾何学形体を多く使うモダンで独創的な造形作品は清潔感に充ち、国内外から常に高い評価を得ています。本展では、白磁土を使った「磁土の形」シリーズと陶土による作品から、新作を含む8点を展示致します。

見どころ

@ 幾何学形体の刻印で装飾された、モダンで独創的な造形
本展では「磁土の形」シリーズと陶土による作品から、新作を含む8点を展示します。新作のひとつである剣形をした「磁土の形」は、白磁土で制作された高さ50cmの作品で、加藤氏の特徴でもあるさまざまな幾何学形体の小さな刻印によって装飾された、白い祭器のような清らかで澄んだ印象の作品です。また会場の壁面には、紙のように薄い白い円形の作品3点も展示される予定です。土が乾かないうちに線を刻み、円形や四角形の刻印が施された独自の手法による作品です。

A 研ぎ澄まされた中に常に時代を感じさせる作品たち
加藤 清之氏は1931年愛知県瀬戸市に生まれ、家業の瓦製作を手伝う中で陶芸の技術を身に付けました。少年期には美術家を志して彫塑やデッサン、絵画を制作していましたが、20代で勅使河原蒼風氏(いけばな草月流初代家元)と出逢ったことから、その総合芸術家としての高い感性に大きな影響を受けます。それから今日まで、2pのミニアチュール花器から幅48m、高さ3.3mの陶壁まで、研ぎ澄まされた中に常に時代を感じさせる作品を制作してきました。また、花を生けるワークショップや執筆など幅広い活動を精力的に行っています。


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2015年10月 ギャラリー3 会場風景


「加藤清之展−陶と磁−」に寄せて

   加藤清之氏は1931年、瀬戸ものの街・愛知県瀬戸市品野町で、織部・黄瀬戸などの瓦を焼く瓦師の家に生まれた。幼い頃から絵を描くことが好きで画家に憧れていたが、20代になってイサム・ノグチの埴輪から影響を受けた作品をみて「やきものもいいなあ」と思うようになった。絵を描くことによって目覚めた自分自身の感覚を土に移行させることで、加藤氏の陶芸家としての挑戦がはじまった。26歳のとき、素焼のオブジェが草月流の勅使河原蒼風氏(初代家元)の目にとまり、以後、次々と新作がコレクションされ、その作品に花が生けられた。加藤氏の存在が一躍美術界で知られるようになったのは、朝日陶芸展で64年、65年と連続して大賞を受賞してからのことである。その後も、70年に日本陶磁協会賞、2006年に日本陶磁協会賞金賞など、数多くの賞を受賞している。その清潔感に充ちた作品は、常に国内外から高い評価を得ている。
   加藤氏は、土に触れ、土特有の質感を感知して、そこから自分の形を探り出すという、極めて素朴で原始的な制作方法を貫いている、数少ない陶芸作家のひとりである。その作品は、いずれも強靭(きょうじん)な造形力と、作品全体に神経を配る繊細な感覚によって構築されている。その模様はナイフや木材の切れ端の大小などで直感的に刻み込んだもので、フォルムと模様が一体化し完成度の高い造形作品となっている。加藤氏は、「私にとって創作とは、創るという行為によって、不自然さを切り捨てていくことだ。」という。それは「自己に内在する不純や様々な誘惑を切り捨てなければ成立しない」ものである。「私は、創作すること以外に自然になる術がない。好きな質感と色をもつ土で好きな形を作る。創りながら細部まで、直感によって不自然さを切り捨てて行く。不自然さを捨て去った形が現われたとき、土と自分が一体化する。」というのだ。これは、加藤氏の創作の基本姿勢である。そうでなければ、あの凜とした存在感のある作品は生まれてこない。
   加藤氏は、いまも陶土と磁土両方を手掛けておられる。そして、磁土の素材感が最も生きる方法を追求し、完成したのが「磁土の形」シリーズである。磁土は透光性(とうこうせい)があるため薄くすればするほど光をすかしより白く輝き、その反対に刻み込まれた痕跡は闇を作り、そのコントラストが作品に濃淡を生み出している。この清潔感に充ちた繊細な造形は、磁土でなければ表現出来ない美である。そこには、土が柔らかいうちに、線を刻み、丸や四角の刻印を施すという、陶土作品と同じ手法が生かされている。    本展には、新作を含む磁土と陶土の作品8点が展示される。新作の一つである剣形をした「磁土の形」は、さまざまな幾何学形体の小さな刻印によって装飾された、白い祭器のような印象の作品である。また、会場の壁面には、紙のように薄い白い円形の作品3点も展示される。さらに、瀬戸の陶土による高さ1メートル強の立体作品が、いま窯の中で焼成されていると聞く。その不撓(ふとう)不屈の精神は、84歳のいまもゆるむことはない。

森 孝一(美術評論家・日本陶磁協会常任理事)


作家略歴
1931 瀬戸市に生まれる
1964 朝日陶芸展大賞
1965 朝日陶芸展大賞
1966 朝日陶芸展優秀賞
1968 現代陶芸の新世代展 招待出品 京都国立近代美術館/東京国立近代美術館
1970 現代の陶芸 ヨーロッパと日本展 招待出品 京都国立近代美術館
日本陶磁協会賞
1971 現代の陶芸 アメリカ・カナダ・メキシコと日本展 招待出品 京都国立近代美術館
1976 旧東ドイツ巡回日本陶磁名品展 招待出品
オーストラリア・ニュージーランド巡回日本陶芸展 招待出品
1980 日華陶芸展 招待出品 台湾国立歴史博物館
1987 勅使河原蒼風コレクションによる加藤清之展 草月美術館
1990 土の発見・現代陶芸と原始土器展 招待出品 滋賀県立陶芸の森
1992 日本の陶芸『今』100選展 招待出品 三越パリ・三越東京
今織部−バサラの連中展 招待出品 草月美術館
1993 現代の陶芸1950−1990展 招待出品 愛知県美術館
1994 国際現代陶芸展 招待出品 愛知県陶磁資料館(現・愛知県陶磁美術館)
1995 日本のスタジオクラフト伝統と前衛展 招待出品
ヴィクトリア・アンド・アルバート美術館(イギリス)
1998 挑発する器とその作家たち展 招待出品 草月美術館
1999 個展 ギャラリーファール (パリ)
2000 日本の現代展 招待出品 モネ・ド・パリ (パリ)
2002 現代日本の陶芸 招待出品 ダヒトアホール美術館 (ドイツ・ハンブルグ)
白い器展 招待出品 草月美術館
2003 現代陶芸の100年展 招待出品 岐阜現代陶芸美術館
2005 土から生み出すかたち・造形の軌跡 加藤清之展 愛知県陶磁資料館(現・愛知県陶磁美術館)
2006 日本陶芸100年の精華展 招待出品 茨城県陶芸美術館
2007 日本陶磁協会賞・金賞
現代の陶−日本陶芸の新世紀展 招待出品 ニューヨーク ジャパン・ソサエティー
2011 国立近代美術館コレクションによる日本の現代陶芸−伝統と新風の精美−展 瀬戸市美術館

朝日陶芸展審査委員長はじめ多くの公募展の審査委員を歴任
パブリックコレクション


東京/京都国立近代美術館、愛知県陶磁美術館、瀬戸市美術館、草月会、高松市美術館、滋賀県立陶芸の森、ヴィクトリア・アンド・アルバート美術館(ロンドン)、アリアナ美術館(スイス)、カンタベリー美術館(ニュージーランド)



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