やきもの展 GALLERY3




展覧会案内

和田 的  陶展 <br>Wada Akira Exhibition

和田 的 陶展
Wada Akira Exhibition

2014年11月28日(金)〜2015年1月13日(火)

■ 休館日
水曜日、2014年12月27日(土)〜2015年1月4日(日)
■ 開館時間
10:00〜18:00
■ 観覧料
無料
アーティスト・トーク&レセプション
11月28日(金) 18:00〜19:30

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香合「馬」とA-chair  2014年
香合 W42×D42×H96mm
A -chair W470×D380×H1370mm



展示会概要
和田 的は現在36歳の若さですが、すでに日本陶芸展や日本伝統工芸展、パラミタ陶芸大賞展などで数々の賞を受賞している実力、人気とも注目の若手陶芸家です。千葉県佐倉市に窯をかまえ、彫刻刀で彫り出す手法で独自の白磁の作品を生み出しています。シャープで端正な作品の数々は観る者を魅了します。本展では土の特性を生かした新たな表現に挑戦したオブジェ作品「岩清水」などを含む新作10点と旧作2点を展示します。


見どころ

@新たな表現に挑戦したオブジェ作品「岩清水」など12点を展示
本展では、自然界をテーマにした作品「満月」「ENERGY」、都会のビルをイメージしたシャープなフォルムが魅力的な作品「東京」、ミニマムな造形の美しさが光る香合の作品、そしてこれまでリスクに感じていた乾燥による亀裂や焼成による色や形の変化といった土の特性を生かし、新たな表現に挑戦したオブジェ作品「岩清水」など新作10点と旧作2点を展示します。

A丹念な彫り出しから生まれる白磁の作品
和田的の白磁の作品は、天草陶石*を主原料にした磁土をろくろで挽き、乾燥後、彫刻刀で形を彫り出し、焼成することで生まれます。繊細で集中力が必要な彫り出し作業は時間がかかり、1年の大部分をこの作業に費やします。「仕上げにはヤスリを使うこともあるが、手の温もりを残すためになるべく彫刻刀で彫るようにしている」と和田は言います。機械的になりがちな直線は彫刻刀で彫り出すことによってやわらかさを帯び、観る者の心に訴えかけます。

B「光と影」「明と暗」「生と死」を意味する“コントラスト”をテーマにした作品たち
和田は“コントラスト”をテーマに多くの作品を制作しています。和田は、コントラストには「光と影」、人の心の「明と暗」、「生と死」の意味があり、それらは常に表裏一体でどこかで交わっていると考えます。作品「馬」と「A-chair」(本資料1ページ目に掲載)からもそうした和田の考えを伺うことができます。「A-chair」は8年前に自らがデザインしたものです。2種類の木材を使用し、異なるものが交わっている様を表しています。また、「A-chair」に乗っている香合「馬」は、ミニマムに作られることで、生死のコントラストが観る者の印象によって異なるよう、想像の余地が与えられています。

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2014年12月 ギャラリー3会場風景

「和田 的 陶展」に寄せて

世阿弥が著わした『風姿花伝』に、「初心忘るべからず」という言葉がある。能役者の年代ごとの心構えを説いたものだが、この「初心」には「是非初心」「時々の初心」「老後の初心」の三段階があるという。この伝書は、能の奥義である花について説いたものだが、私は常々、和田的さんという陶芸家は「花のある陶芸家だ」と思っている。
その実力は、この10年間の活躍を見れば明らかである。2007年、第35回新作陶芸展では<白器「表裏」>が日本工芸会賞を受賞。2009年、第3回菊池ビエンナーレでは<白器「ダイ/台」>が奨励賞を受賞。第20回日本陶芸展では<ザ!オブジェ>が池田満寿夫賞を受賞。2010年、第50回東日本伝統工芸展では<白磁「はこ」>が第50回展記念賞を受賞。2011年、第6回パラミタ陶芸大賞展では大賞を受賞した。
和田さんの白磁は、轆轤を用いて肉厚に立ち上げた筒状の祖形をベースに、その外側を彫刻刀で丹念に削り出した彫刻的作品である。線と面によるコントラストで表現されるその造形には、光と影、または静けさといった彼自身のしっかりとしたテーマがあり、その思考の時間も同時に内包されてブレルことがない。そんな和田さんの美学をもっともよく現しているのが生と死をテーマとした<ダイ/台>であり、目には見えない静かなエネルギーを感じさせてくれるのが<白器「表裏」>といった作品である。和田さんは「手から伝わるもの」を大切にしたいという。しかし、従来の手跡といった余分なものを排除する。それは祖形を彫刻刀で削りながら、自身の中の心象を最もシンプルな形で表現したいからであろう。だから、和田さんの作品は素晴らしく本質的で、且つ空気をも創り出しているのである。
今回、LIXILギャラリーの会場、入り口正面のガラスケースには、これまでの和田さんの美学の極みともいうべきミニマムな<香合>5点が展示される。一方、展示台の上に置かれる<太陽「夕陽」>や<満月>、さらに<ENERGY>といった自然界をテーマにした作品も出品される。<白磁香炉「月」>は2007年の作品というから、太陽や月はこの作家の一貫したテーマなのであろう。2012年の<東京>は、都会のビルをイメージした縦長のシャープなフォルムが魅力的である。他は全て2014年の新作で、新旧取り混ぜた作品構成となっている。今回、新たに和田さんが挑戦したのがオブジェ作品<岩清水>である。彼の言葉を借りるなら、「以前はリスクとして考えていた乾燥による亀裂や、焼成による色や形の変化といった土の特性を、表現の中で生かすことで可能な作品に挑戦した。」というのだ。この挑戦は、これまでの自身の型を変えるのではなく、幅が出来たということであろうと、私は思っている。美の求道者にとっては、まさに「時々の初心」が大切なのである。

森 孝一(美術評論家・日本陶磁協会事務局長)
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          左:岩清水(2014) W130×D130×H462mm
          右:満月(2014) W222×D222×H201mm

作家略歴
1978年 千葉県千葉市生まれ
2001年 文化学院芸術専門学校 陶磁科卒業
上瀧勝治氏に師事
2005年 窯を持ち独立  日本工芸会正会員認定
2007年 文化庁新進芸術家海外研修員として渡仏
現在 日本工芸会正会員 千葉県美術会理事
個展
2007年 日本橋三越本店(以後09'/11'/14'/東京)
2010年 千葉三越(千葉)
2011年 柿傳ギャラリー(以後13'/東京)
2012年 現代陶芸 寛土里(東京)
やまに大塚 ギャラリー緑土里(栃木)
企画展
2009年 第60回記念千葉県美術展覧会選抜展(千葉県立美術館/千葉)
2010年 現代工芸への視点―茶事をめぐって―(東京国立近代美術館工芸館/東京)
2011年 第6回パラミタ陶芸大賞展(パラミタミュージアム/三重)
茶陶 造形と意匠にみる現在性U(ギャラリーヴォイス/岐阜)
「白の時代」展(益子陶芸美術館/栃木)
野外彫刻半世紀展(北九州市立美術館分館/福岡・ときわミュージアム/山口)
REVALUE NIPPON PROJECT(茨城県陶芸美術館/茨城)
2012年 現代の造形−Life&Art−ふれる器 Feel Ceramics(東広島市立美術館/広島)
2013年 現代の名碗(菊池寛実記念 智美術館/東京)
清州ビエンナーレ(韓国)
2014年 展開するチカラ展(益子陶芸美術館/栃木)
現代陶芸 現象(茨城県陶芸美術館/茨城)
関東のうつわ展(伊丹市工芸センター/大阪)
彫刻展
2010年 大分アジア彫刻展(朝倉文夫記念館/大分)
2011年 UBEビエンナーレ(現代日本彫刻展)(ときわ公園/山口)
2012年 鹿島彫刻コンクール(鹿島KIビル・アトリウム/東京・大阪)
受賞
2004年 千葉県美術展(以後06'/11')
2007年 第35回新作陶芸展 白器「表裏」日本工芸会賞
2009年 第3回菊池ビエンナーレ 白器「ダイ/台」 奨励賞
第20回日本陶芸展「ザ!オブジェ」 池田満寿夫賞
2010年 第50回東日本伝統工芸展 白磁「はこ」 第50回展記念賞
2011年 パラミタ陶芸大賞展 大賞
UBEビエンナーレ(現代日本彫刻展)山口銀行賞
ワークショップ・講演
2012年 多治見意匠研究所(ワークショップ・スライドレクチャー/岐阜)
2013年 第43回茶道夏期大学 講演「自作を語る」(柿傳・安与ホール/東京)
茨城県窯業指導所(ワークショップ・スライドレクチャー/茨城)
2014年 茨城県窯業指導所(ワークショップ・スライドレクチャー/茨城)
パブリックコレクション
宮内庁 パラミタミュージアム(三重)   茨城県陶芸美術館(茨城)

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