やきもの展 GALLERY3




展覧会案内

山田 晶 展 -猩々緋-<br>Yamada Akira Exhibition

山田 晶 展 -猩々緋-
Yamada Akira Exhibition

2014年7月15日(火)〜8月21日(木)

■ 休館日
水曜日、8/14-17
■ 開館時間
10:00〜18:00
■ 観覧料
無料
アーティストトーク&レセプション
7月15日(火) 18:00〜19:30

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「猩々緋縞彩器」
2013年 26.2×27.9×H26cm



展示会概要
山田晶は滋賀県大津市の琵琶湖のほとりに工房を構え、個展を中心に作品を発表しています。
本展では、幾つもの工程を経てつくり出される漆のような鮮やかな朱色が美しい代表作「猩々緋(しょうじょうひ)」シリーズから約6点を展示します。

*猩々緋
「猩々緋」は日本古来の伝統色のひとつで、赤みの強い赤紫色のこと。猩々とは、中国の伝説上の生き物で猿に似ており、酒好きで、顔だけでなく体毛も赤く、その血はとても赤いとされる。猩々は日本では能や歌舞伎、日本舞踊でも演じられ、猩々緋は猩々の鮮明な赤い色に由来する。

見どころ

@ 赤と黒のコントラストが美しい「猩々緋」
「猩々緋」は山田晶が2005年から意欲的に発表している作品です。磁土を用い、素焼きの前後に紙やすりで磨き、赤と黒の下絵具を塗って本焼きし、その後上絵具を塗って焼成するという工程を3回繰り返すことによって、漆のような奥行きのある色彩と質感をつくり出しています。
本展では、「猩々緋」シリーズから約6点を展示します。

A 器の原点を探る
山田晶は制作する上で、器ということを常に意識しているといいます。山田晶の考える器とは、鉢や椀のような物質ではなく、外と内を隔てる“境界”という概念的な意味合いを持っています。古代ローマやオリエントの器を原点にしたその作品は、日本的な色彩と技法を取り入れ、重厚感がありながら伸びやかなフォルムが印象的です。日本的な器にこだわらず、国境を越え、時代も越えてイメージを膨らませることで、独創的な造形をつくり出しています。

B 三代にわたる陶芸家 祖父・山田 父・山田 光
祖父の山田(てつ)は僧侶から陶芸家を志し中国宋窯を研究、戦後は新匠美術工芸会に参加し活躍しました。父の山田光(ひかる)は1948年に京都で発足した前衛陶芸団体「走泥社」の創始者の一人で、山田晶はその父のもとで技術を磨きました。「走泥社」は従来の伝統を否定し、自由な発想で実用性を削いだ数々の芸術作品を発表しました。現在陶芸の世界で確立されているオブジェは、「走泥社」が生み出したものといえます。一般的な器の造形に捉われず、器とオブジェの境界を漂うような作品を手掛ける山田晶は、父・山田光の思想を引き継ぎつつ独自の世界を切り開いています。

山田晶

山田晶

山田晶
山田晶

2014年7月会場風景

「山田 晶展」に寄せて−猩々緋−

 山田晶氏は、祖父・山田普iてつ)、父・山田光(ひかる)という三代に亘る陶芸家である。祖父の侮≠ヘ僧侶から陶芸家になった変わり種で、三十代半ばで本格的に陶芸を志し京都に赴き、石黒宗麿らと親交しながら中国宋窯の技法を研究し、戦後は富本憲吉が主宰する新匠美術工芸会に参加し活躍した。また、父の光氏は八木一夫・鈴木治らと前衛陶芸家の集団「走泥社」を結成し、戦後の陶芸に新たな世界を切り開いた先駆的な陶芸家のひとりであるが、一方では八木と「門工房」を設立し、本格的なクラフト制作を終生作り続けた。晶氏が祖父や父の仕事を引き継ごうと思ったのは、窯屋が「人に使われず自由に出来る仕事」と思ったからだそうである。そんな甘い考えの息子に対して、父は「やきものだけでなく、いろんな美術を観(み)ろ」と勧めたという。そのお蔭で、彼はありとあらゆる美術を見て廻ることが出来た。「陶芸の世界だけで見ると、オブジェの立ち位置は比較的クリアーに見えるが、現代美術を含めて視点を広げると、すこしぼやけてしまうような気がした。」晶氏がオブジェの道へは進まず、器というものをじっくり掘り下げて見ようと思ったのには、そんな理由があったようだ。
京都市立工業試験場本科を卒業後、晶氏は父の許で本格的に作陶を始め、5年間ほど磁土を挽く轆轤技術を徹底して学んだ。それは、当時の京都(今熊野)にはたくさんの職人がいて、轆轤師が土をまるで水飴のように操るのを見て、その技術に吸い込まれたからだ。その傍ら、様々な鉱物や石などのテクスチャーや色に興味を持ち、最初は彩色土器やギリシャのコリント様式の陶器の影響や、錬金術的要素をもって赤の玉(ぎょく)の色を出せればと試行錯誤を繰り返した。「猩々緋(しょうじょうひ)」とは、その結果たどり着いた彼独自の技法である。この名前は、能の演目「猩々」から取って付けられたもので、血が最も赤いとされる猿に似た中国の伝説上の動物のこと。猩々緋とは、赤味の強い赤紫色をいう。この猩々緋と名付けられた渋い赤味を帯びた一連の作品は、素焼の前後に紙やすりを掛け、赤と黒の下絵具を塗って本焼した後、上絵具を塗って低火度焼成、それを三回繰り返して生まれた理想の深紅である。
今回の「猩々緋縞彩器(こうさいき)」は、その深紅の色を黒絵具の深みのある色調がうまく引き締めて、シャープな縞模様を成し、やや湾曲しながら各角に張り詰めた緊張感を集めている口造りともマッチして、完成度の高い作品となっている。
晶氏は、一時埼玉の所沢で陶器にも挑戦されたが、現在も陶土を用いた「沙泥陶」と、磁土を用いた「猩々緋」の二本を柱に制作を続けられている。その二つに共通するのが、古代ローマやオリエントの器を原点に、独自の造形表現を追求していることだ。そんな晶氏の作品からは、父・光氏から受け継いだ陶の新しい表現に挑戦する強靭な精神と、いま一つは常にやきものの本質を追求しようとする真摯な姿勢が感じられる。

森 孝一(美術評論家・日本陶磁協会事務局長)
作家略歴
1959年 京都生まれ
1983年 京都府立陶工職業訓練校終了
1984年 京都市立工業試験場本科卒業
個展
                      
1993年 ギャラリー・マロニエ(京都)
ギャラリー・玄海(東京),1995
Club RIMIX NOISE(益子・栃木)
1997年 ギャラリーESPACE(ひたちなか・茨城)
ART SPECE JONAISAKA(益子・栃木)
土の花(東京),2001
1998年 ギャラリー・にん(東京)
1999年 ギャラリー・北野坂(神戸)
ギャラリー・器館(京都),2003,2005,2007,2008
阪神百貨店(大阪)
2000年 松屋銀座(東京)
2001年 ギャルリ・プス(東京),2003,2005,2007,2010
2006年 ギャラリーにしかわ(京都)
2010年 祇園小西(京都)
2012年 天満屋広島店
2013年 東急渋谷本店
天満屋岡山店
グループ展
1986年 朝日現代クラフト展,1987
'86日本クラフト展,1988
朝日陶芸展
1989年 セラミック アネックス シガラキ'89(滋賀県立近代美術館)
1991年 錫・皮・陶 三人展(伊丹市立工芸センター/兵庫
1992年 The Wall展(三越京都祇園ギャラリー
淡路町画廊/東京、益子陶芸村/栃木)
1994年 ビヨンド・ベセル 器の概念を越えて(マクドガル・ミュージアム/ニュージーランド)
La Parfum(ギャラリーKUKI/パリ・フランス)
1996年 土の周辺展(聖ジャック教会/パリ・フランス)
2000年 国際陶芸交流展(中国美術館/北京)
2003年 2003現代韓日陶芸展(錦湖美術館/ソウル)
韓日陶芸作家交流展(ギャラリーSAGAN/京都)
2005年 湖国を彩るやきもの(滋賀県立陶芸の森)
2006年 ビヨンド ザ ボーダー(シンガポール国立図書館)
2007年 朝日現代クラフト展招待出品(阪急百貨店/大阪、横浜)
SOFAニューヨーク(ニューヨーク)
2009年 陶のかたちY(ぎゃらりい栗本/長岡・新潟)
並び立つ象(和光並木ホール/東京)
2010年 華saku器(SHINA/京都)
パラミタ陶芸大賞展(パラミタミュージアム/三重)
2011年 現代工芸アートフェア(東京国際フォーラム)
2012年 磁器の表現−青・赤・白−(和光ホール/東京)
その他
2008年 うつわ夢工房 NHKBS
2011年 ゲストアーティスト(滋賀県立陶芸の森)

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