やきもの展 GALLERY3




展覧会案内

都丸篤子 展 −陶 やわらかい白のかたち−<br>Tomaru Atsuko Exhibition

都丸篤子 展 −陶 やわらかい白のかたち−
Tomaru Atsuko Exhibition

2012年4月5日(木)〜4月27日(金)

■ 休館日
日祝日
■ 開館時間
10:00〜18:00
■ 観覧料
無料

アーティスト・トーク  4月5日(木)18:30〜19:00

プレスリリースpdf_icon_s.gif ※ご覧いただくにはAdobe Reader が必要です。

「やわらかい白のかたち」 2011  各350×710×240mm



展示会概要
都丸篤子の作品は、半磁器でできた白く柔らかなかたちのオブジェです。
半円のうつわ状の陶の内側に、ゆるやかなウエーブがいくつかの渦を巻き、繋がり伸縮して立体的な曲線をつくりあげています。もともとはカタツムリの殻の螺旋をイメージしたという有機的な曲線は、生クリームや開きかけたバラの花びら、くしゃりと丸めたハンカチのやわらかさも連想させます。1000度の低温で焼成しているため、かっちりとした白色ではなく、あたたかい肌色のニュアンスを残しているのも理由でしょうか。
最初は手のひらに乗る大きさの組み作品でしたが、最近では直径40センチを超える大きさにもなり、より内側の構造が複雑になってきました。それに伴い、かたちよりも、その周りや途中にできる空間、光と影といったものに意識的になり、建築や砂丘などのスペーシーな造形を連想させるようなスケール感も生じてきています。

都丸篤子は、グラフィックデザイナーとして働きつつ、陶芸教室に通うことで陶芸を始めました。仕事の息抜きとしてうつわをつくるうち、もっと深く学ぼうと京都造形芸術大学の通信課程へ入学し、次第にうつわよりもオブジェに興味を持つようになりました。陶芸を始めて20年、制作と仕事を両立させながら、今のシリーズに至って5年になります。2011年にはこのシリーズで、菊池ビエンナーレ、神戸ビエンナーレ、長三賞受賞と、大きな評価を受けてきました。
東京初個展となる今展では、新作を含めた8点を展示する予定です。春のやわらかい日差しのようなやわらかく気持ちのよいかたちが生み出す風景を、ぜひ会場でご覧ください。

都丸篤子

やわらかな余韻 2012 D390×W405×H220mm

都丸篤子

都丸篤子 都丸篤子

都丸篤子

都丸篤子

2012年 ガレリアセラミカ会場風景

インタビュー
2012年1月21日 インタビュー:大橋恵美(LIXILギャラリー)
大橋 都丸さんはグラフィックデザイナーの仕事をしながら、やきものの作品をつくられています。2011年は菊池ビエンナーレ、神戸ビエンナーレ、長三賞と入賞が続きました。陶芸との出会いは。
都丸 随分前の20代の頃で20年位になります。学校を卒業してデザインの仕事を始めてから、グラフィックは平面の世界なので立体的なものをつくってみたいと思って、街の陶芸教室で食器などをつくり始めたんです。その後もう少し深めたいと思い、京都造形芸術大学の通信課程で陶芸を学びました。
大橋 グラフィックデザインはどのような内容ですか。
都丸 今はソフトウェアの画面デザインを制作しています。もともとはスケッチや絵が好きで始めて、最初は広告代理店で海外向けのバイクのパンフレットなどをつくっていました。当時は、サイトウマコトさんや水谷孝次さんが時代として気になっていましたね。 その中で陶芸教室に休みの日だけ通っていました。その頃は仕事とは全然違う、土に触ってつくることが嬉しかったんだと思います。
仕事を始めたころは未だパソコンがなくて、手で線を引いたり、文字を切り貼りしていましたが、今はもうパソコンの中で全て完了してしまうので、陶芸はその対極にあって、アナログで土は汚れるし、重いということ自体が異次元で、そういう手で直接触って確認できることがすごく自分にとっては大切で、自分はやはり何か手でつくることが合うのだなと思いました。
大橋 どのような作品をつくりたかったのですか。
都丸 当初は作家になるとか、陶芸を続けていくとか考えていませんでした。京都造形芸術大学で先生方に影響されてオブジェをつくり始めたら、私はこういう方が好きかもしれないと新たに気がつきました。
最初の頃は、球体や卵の殻のように割れているもの、お椀形の作品などをつくりました。つくり方としては、発泡スチロールのボールの外側に、土とガーゼを何層にもして貼り付けていきます。土にも紙を細かく切ったものを混ぜて、焼けた時に穴が開くようにしたり、球体の作品も、技法は卵の殻形と同じですが型成形でつくったりしていました。
今の作品は半磁土ですが、最初は目の細かい白土を使っていました。質感はよかったのですが、もっと透明感が欲しかったことや鉄分がプツプツと表面に出てしまうのがいやで、もっともっと白くて、手びねりでできるものをと考えて半磁土に変わりました。
大学の卒業制作(2002)では、内側に細工のある円柱状のものをつくりました。それ以前にも内側を意識した作品をつくっていましたが、土や形状は全く異なっていました。今の作品につながるのは、卒業制作だったと思います。
大橋 都丸さんの作品には、丸めた布のような柔らかさや貝殻を連想される方もあるかと思います。イメージはありますか。
都丸 イメージは特にないんですが、私の作品は観客からはよくクリームとか、土とはかけ離れたもののイメージを持たれます。私自身は螺旋を意識してつくりました。曲線から螺旋形へ、建築物や構造物的というよりはカタツムリの殻を想ってつくり始めました。 私は曲線が好きなんです。直線より曲線をつくるほうが自分に向いていると思います。
また内側に何かをするというのは、覗いたときに発見があると思いました。
そう考えた一番最初のきっかけは現代美術の作品で、ドラム缶の中に金魚を入れている作品を見て面白いと思ったんです。会場の周りが暗くてそこだけに光が当たっていて本物の金魚がいる、そういう演出だったせいか余計に驚きがあったんですね。 いずれ、包まれているような感じが、段々外に捲くれていくように、外側にもはみ出していくかたちをつくりたいと思っていますが、構造的に難しくてまだ技術的にできないんですね。
大橋 組作品で発表されることが多いようですが、組で表現されているのか、それともひとつひとつ完結しているのでしょうか。
都丸 それは両方です。最初は片手に乗るほど小さかったので、見せる時に演出として組でないともたないのではないかというのがありましたが、今は少しずつ大きくなっているので、ひとつでも成立するものをつくっていきたいと思っています。 かたちだけではなく、その周りの空間や、作品の肌に現れる光や影の様相が面白いと思っているので、そちらを意識してつくるようになっています。外側は型でつくり、内側は手びねりです。つくる前に線だけのスケッチをしています。
今展も、新作で40cmほどの作品を一つずつ展示台に乗せて、8点ほど発表したいと考えています。
大橋 初期の頃からモノトーンの作品です。
都丸 食器をつくる時は色も考えていたのですが、オブジェに関しては色をつけようと思ったことはなく、今つくっているかたちに色をつけることはすごく余計なことだと考えています。私の作品は真っ白ではなく、焼成温度がやや低い1000度くらいなので黄味を帯びています。少し肌色っぽいような色ですが、色よりは土の質感やその周囲に現れる光のイメージを大切にしています。
大橋 今でも器の作品をつくりますか。
都丸 器も今も時々つくっていますが、最近はこうしたオブジェのかたちを器に取り入れてみようと思って、実際やってみたんですが失敗してしまいました。 今までは普通にお皿やコップをつくっていましたが、なるべくこのスタイルでかたちを統一していきたいです。
以前は、「器は装飾するというプラス思考」、「オブジェは引き算するというマイナス思考」だと考えてつくっていたのですが、自分のかたちがやっとできてきたので、これからは器も合わせてオブジェのかたちの方へ近づいていきたいと思っています。 「オブジェは引き算のマイナス思考」というのは、形を際立たせようとする気持ちがあって、最初の頃は螺旋ですね、そのためにはどうしたらよいかと考え、必要なものだけが残りました。
大橋 公募展に出品されることは。
都丸 この作品になって5年くらいなのですが、やっと自分がつくりたいものが少し見えてきたので出品しました。一人でつくっていると、どうしても発表の場が一年に一度のグループ展位しかないので、もう少し作品を色々な方に見てもらい、自分がどの位置にいるのかを確認したいと思いました。これから先こうした点をつくっていき、それが線に繋がっていければいいなと思っています。私は土に触れることが自分に合っているので、制作はずっと続けていきたいです。でも今はまだ自信がなく、これでいいのかなという想いは常にあります。
大橋 デザイナーの仕事との両立が良いバランスになって、これからも都丸さんらしい作品が生まれてくることを楽しみにしています。
作家略歴
東京生まれ
1984年 東京デザイナー学院 グラフィックデザイン科卒業
2002年 京都造形芸術大学 芸術学部美術科陶芸コース卒業
グループ展
2000年 グループ展泥酔舎陶展(02、04〜11年 京都・ギャラリーマロニエなど)
受賞
2010年 第4回菊池ビエンナーレ 入選
2011年 神戸ビエンナーレ2011現代陶芸コンペティション入選
第30回長三賞常滑陶芸展 長三賞

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