やきもの展 GALLERY3




展覧会案内

村田 彩 展 −陶 彩りの庭−<br>MurataAya Exhibition

村田 彩 展 −陶 彩りの庭−
MurataAya Exhibition

2012年2月7日(火)〜3月1日(木)

■ 休館日
日祝日
■ 開館時間
10:00〜18:00
■ 観覧料
無料

アーティスト・トーク  2月7日(火)18:30〜19:00

プレスリリースpdf_icon_s.gif ※ご覧いただくにはAdobe Reader が必要です。

生殖 2011 D28xW35xH25cm Photo:Chiu Te-hsin



展示会概要
村田彩の作品は、動植物をモチーフにした陶のオブジェです。緻密な練り込み模様の断片を何枚も張り合わせてつくる、南洋の多肉植物や海の生物のような明るい色とかたちがエネルギッシュな印象です。青やオレンジ、グリーンにピンクといった鮮やかな色彩は毒々しい美しさを思わせ、ボリュームのある造形が動き出しそうな生命力とパワーを放っています。
ポップな色模様は動植物の顕微鏡細胞写真を参考にしています。制作方法においても、細胞が集まって生命の一つのかたちになることから始まりました。当初象嵌技法で文様を制作していましたが、熱帯植物の葉の裏表で模様が異なることを知り、より近い制作方法を選んで、金太郎飴のようにどこを切っても文様の現れる練り込み技法を使っています。表現したい色や細密さを目指して、土の組み合わせ、組み合わせる土の収縮率の違いから起こる破損を解決し、この3年間研究と試行錯誤を重ねてきました。その結果2011年春には台湾の鶯歌陶磁博物館で個展を開催し、「深海植物」をテーマに、貝、イソギンチャクを思わせる様々な海底生物が蠢く豊かな作品を発表しました。

村田彩は京都造形大学短期大学で陶芸を始め、卒業後は働きながら制作し、コンペティション出品や個展を続けてきました。当初からの明るく華やかな持ち味は変わりませんが、枝を広げるように大きく大胆な作品から、次第にサイズが小さくなり、装飾とかたちが一体化して凝縮した美しさを表すようになってきました。海を連想させる青を中心とした色彩がさらに洗練されたコントラストに変わりつつあります。
今展では、台湾で発表した作品と、新しい色彩の組み合わせによるイソギンチャクやヤドカリをモチーフにした新作を含めて発表する予定です。どうぞ会場でご覧ください。
村田由佳

Plant of the Dee Sea 2011 W80xH150cm
Photo:Chiu Te-hsin

村田由佳

村田由佳 村田由佳

村田由佳

2012年 ガレリアセラミカ会場風景

インタビュー
2011年11月22日 インタビュー:大橋恵美(INAXギャラリー)
大橋 3年前に京都のアトリエで作品を拝見した時は、輸送が心配なくらいひびが入っていたのですが、それから随分と頑張られて今年は国際陶磁器展美濃の入選や鶯歌陶磁博物館(台湾)での個展もありました。練り込みで緻密につくった断片を張り合わせた南洋の植物や海の生物のような色とかたちがポップで楽しいです。最初からサイズも大きくて伸びやかな印象でした。タイトルは「Plants」ですが、一貫したテーマはありますか。
村田 植物という意味で、つくり方は華奢なのですが、イメージとしては熱帯の多肉植物のような、海の中でも肉食で動き出しそうな毒のある生物です。透明感や儚さは自分にはないと思っていて、生命力やパワーがある感じが好きですね。
色や模様は細胞図鑑をよく見ます。植物も動物も顕微鏡ですごく細かいところまで見た写真集があって、それで練り込みの模様も影響を受けるし、細胞が集まって一つのかたちになっていることで、つくり方も同じようになっていきます。
最初は象嵌でつくっていたのですが、それでは片面しか模様が出なくて、模様のある熱帯の葉をよく見ると表裏とも違う模様があるんです。それを目指した時に練り込みという技法に行き着きました。でも、ひねりと平面の収縮率が合わないので、接着面から割れました。半磁土を使っていたので余計に弱かったですね。土だとひびが入らないけど、鮮やかさと細やかさが出ない。研究に研究を重ねて解決した3年間でした。
大橋 3年間の作品の経過を見せて頂くと、本当に苦闘の跡、試行錯誤を繰り返して来ているのがわかります。
村田 今年の美濃の作品「胞」は土に透明感があります。すごく鮮やかで透明感のある色が好評だったのですが、爽やか過ぎて、自分は透明感より毒々しさが欲しいんだと気づいて、またちょっと変えてきています。
大橋 「冬虫夏草」(2008)や今年の美濃に出品されたもう1点「a deep sea plant」など、細やかな装飾部分とつるりとした幹のような部分がかたちとして気になりますが、ご自分の中ではどういうイメージなのでしょうか。
村田 私は最初に全体のかたちを考えるので、イメージの中では全部が一致しているのですが、木の幹のようになっている部分については、手びねりでつくりながら、いつもどうなのかと不安がありました。無地があることで上部分が引き立つのではないか、黒色によって引き締まった感じを得られるのではないかと考えたりしましたが、最近は下部分はいらないのではないかと思うようになったんです。それで「胞」のような一体型で小さなものをつくりました。
大橋 展示台については。
村田 これまでも作品が土から生えているようにしたり、私の作品の有機的なかたちに敢えて幾何学的なかたちを組み合わせるなど、作品と土台みたいな感じで意識してきましたが、失敗を繰り返している感があります。
大橋 大きな作品は大胆で村田さんらしいと思いますが、小さくて密度の濃い作品の方が村田さんが目指しているものが現れやすいのでしょうか。
最新作の「生殖」や「胞」は、土で表現されている肌色の柔らかい感じが気持ち悪くていいですね。
村田 一貫してグロテスクで生々しい、生きている感じのするものが好きなんですね。
好きな色はオレンジと青なのですが、青はこれまでにもずいぶん使いましたし、海を意識しすぎた感じなので、今度は青と赤とか対比のある色彩で動物的な感じを出したいと考えています。
大橋 村田さんは京都の方ですが、陶芸を始めたきっかけは。
村田 美術関係の仕事をしていた父の勧めもあって京都の美術高校に行きました。陶芸コースもありましたが、受験前に見にいった時、つくり方が想像つかなくて、完成度が一番カッコよかったので漆科に入りました。3年間漆をやって、好きだし楽しかったので、美大への推薦枠をとる時に先生に相談したら「性格が漆に向いてない」と言われました。漆はつくるのに一年間もかかるし、すごく細かい作業が必要です。しかもかたちに制限があって、私がつくりたいと思うデザインはことごとく出来なかったんですね。そこで先生が陶芸をやってみたらと薦めて下さり、京都芸術短期大学に進みました。
大橋 漆と陶の違いはいかがでしたか。
村田 漆には白色がなくて、肌色が一番明るいなど色彩が上手く出ないので、陶の方が私のイメージにはぴったりの色が出ます。作業工程は、陶も化粧を何度も塗って研いだり、漆と似ているところがあります。
大橋 陶芸の技法については。
村田 先生が吉川充さんで、最初に技法だけ身につけてしまうと結局自分の持っている引き出しからしかつくらないようになるから、まずつくりたいものを考えて、どういうテクニックが必要か考えるというのを教えられました。
でも先生には、作品より人間としての影響を受けたことが大きかったですね。よく一緒にご飯を食べに行って、作家とはどう生きるものかという話を聞いたりしました。
大橋 制作を続けるのは大変でしたか。
村田 短大で二年陶芸をやって、今思うとやめるタイミングは多分そこだったと思います。
でも二年間では何も出来ないままで、その時はここでやめるのはもったいないと思いました。卒業後は一年間静岡の陶芸教室で働いて、京都に戻って窯のあるアトリエを借りました。バイトをしながら訓練校に行って、卒業してからは施設で陶芸を教えるというのを六年間やりながら、オブジェをつくっては年に一度個展で発表したり、コンペに出したりしていました。仕事をしている時は夜の9時から1時までやきものをして、朝7時にはまた仕事という生活で、自分でも六年間よく続いたと思います。
でもやめようと思ったことは一度もありません。やめてどうするのかというほうが疑問でした。一つ発表すると次はこうしようというのが必ずある、それを続けていくと終わらないんです。
大橋 好きな作家はいますか。
村田 草間彌生さんが好きです。水玉模様が好きというより、それが発している強い感情の部分が大事ですね。岡本太郎さんも好きでグッズを集めています。
大橋 今回の展示はどのようになりそうですか。
村田 最近の作品を中心に、ピンクや暖色の柔らかい色を使い、海の生物に似たモチーフのシリーズを発表しようと思っています。
作家略歴
1979年 京都府生まれ
1997年 京都市立銅駝美術工芸高等学校 漆芸科卒業
2000年 京都芸術短期大学 陶芸科卒業
2004年 京都府立陶工高等技術専門校 陶磁器成形科終了
2001〜2010年 京都清水焼団地「アートきよみず」にて制作
2010年 国立台南芸術大学にて客員作家として3ヶ月滞在
滋賀県立陶芸の森にてスタジオアーティストとして4ヶ月滞在
2011年 国立台南芸術大学にて客員作家として3ヶ月滞在
滋賀県立陶芸の森にてスタジオアーティストとして4ヶ月滞在
新台北市立鶯歌陶磁博物館レジデンスアーティスト
個展
2002年 同時代ギャラリー・コラージュ(京都)
2004年 ギャラリーマロニエ(京都)
2005年 ギャラリーマロニエ(京都)
2007年 ギャラリーマロニエ(京都)
2011年 新台北市立鶯歌陶磁博物館(台湾)
當代陶藝館(台湾)
その他展示
2007年 神戸ビエンナーレ2007 現代陶芸コンペティション 入選
2008年 京都工芸ビエンナーレ 入選
第8回国際陶磁器展美濃 入選
伊丹国際クラフト展 入選
2009年 The 5th World Ceramic Biennale 2009 KOREA (韓国) 入選
2011年 第9回国際陶磁器展美濃 入選
2012年 「京都府美術工芸新鋭展−2012京都工芸ビエンナーレ」京都文化博物館 / 京都

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