やきもの展 GALLERY3




展覧会案内

篠崎裕美子 展 −陶 I am hungry−<br>Shinozaki Yumiko Exhibition

篠崎裕美子 展 −陶 I am hungry−
Shinozaki Yumiko Exhibition

2012年1月10日(火)〜2月3日(金)

■ 休館日
日祝日
■ 開館時間
10:00〜18:00
■ 観覧料
無料

アーティスト・トーク  1月10日(火)18:30〜19:00

プレスリリースpdf_icon_s.gif ※ご覧いただくにはAdobe Reader が必要です。

Photo:I am hungry 2011  H2300×W900×D900mm



展示会概要
篠崎裕美子の作品は、エネルギッシュで有機的なフォルムに、明るく華やかな色彩、様々な技法を駆使して端正な装飾を重ねた陶のオブジェです。
2010年には、大小の球の集合体の上に、泥しょうで緻密に描いたレースのような模様や、虹色に光る幾何学紋様を絡めるように重ねた作品を国立近代美術館工芸館「装飾の力」展に出品し、注目を集めました。煌びやかな極彩色や渦巻くパターンは、サイケやアジアの民族柄、ヒッピー文化など篠崎自身の好きなものから影響を受けています。また、大らかな造形や日本の縮緬を思わせる端整な文様は、豊かな自然に囲まれた環境や着物好きだった祖母から受け継いだ感覚だといいます。
2011年の大学院修了展で、2m30cmの大きな作品「I am hungry」を鉄の櫓で宙に浮かせ、今までとは違うダイナミックな土の表情を見せました。制作では自分自身が気持ちよく感じる動作を重視し、生の土にカンタル線を尖らせて何百本も刺したり、釉薬のひび割れやパリパリした触感、鳥肌状のつぶつぶ、壁に叩きつけられてだらりと垂れたような土など、欲求のおもむくままに生み出された表情が、人間の欲望そのものの大きさ、多彩さを思わせて圧倒的です。
篠崎裕美子は大阪芸術大学で陶芸を始め、オブジェをつくる楽しさのなか葛藤や実験を繰り返しつつ新しい表現を生み出してきました。パティシエを目指したというほど好きなお菓子づくりの感覚や、好きな音楽、光、色、心の中の欲求などを取り込んで湧き出てくる表現は、若々しい力強さが溢れています。
今展では、新作を発表する予定です。2012年の初めを飾る注目の若手作家のエネルギー溢れる新作をぜひ会場でご覧ください。
篠崎裕美子

四十面族 2009 H270×W660×D50m

篠崎裕美子

篠崎裕美子 篠崎裕美子

篠崎裕美子

2012年 ガレリアセラミカ会場風景

インタビュー
2011年12月2日 インタビュー:大橋恵美(INAXギャラリー)
大橋 篠崎さんの作品は、さまざまな技法を駆使して華やかで明るい色彩と装飾が特徴的です。2011年の大学院修了展では2mの大きな作品を鉄の櫓で宙に浮かせ、今までと違う表情を見せました。今回はその作品で展覧会をお願いしました。
篠崎 あの作品は自分が気持ちいいと思う動作を重要視してつくり、「I am hungry(私の欲求)」というタイトルです。生の土に電気窯のカンタル線を尖らせて何百本も刺したところに釉薬をかけパリパリさせて表情をつくったり、見た人がざわっとして、どこか別のイメージへトリップするような感覚の作品になれたらなと思ってつくりました。
私は高校生の時にはパティシエになるか陶芸をやるか迷ったくらいお菓子づくりが好きなので、同時にそういう感触も感じていただけたらと思います。
大橋 陶芸を選ばれた理由は。
篠崎 大学に入るまで美術は全くやっていませんでした。絵を描くこともなく、でも土の感触がすごく好きで、泥団子をつくったり、泥を投げて遊んだりしていました。子供の頃から、金木犀の香りが欲しくて花を集めてグツグツ煮たり、ティッシュを小さくちぎって山にしたり、気づくと手が動いていました。それで安心しているようなところもあって、今も手を動かして土に触って考えていくので、繋がっているかもしれません。
入学したときは、陶芸=ろくろというイメージしかなかったので、立体をつくれたのがすごく楽しくてはまりました。自分で面白い素材だと思ったら、こだわりなく触っていきたいとは思っていますが、今はやはり土が一番面白いし、私にとってはとても表現しやすい素材です。
大橋 学部卒業制作の作品 「THE BEST チェアー賞」(2008)で、既に装飾的な模様が描かれています。
篠崎 釉薬を吹き付けた上に呉須で描いています。座れるけれど陶器なのか、陶器で座れないけれど椅子なのかというのがテーマの作品です。
それまでに制作した一番大きな作品で、学科賞を戴き、このまま制作を続けてよいと背中を押されたように感じて大学院に進むきっかけになりました。でもテーマの振り幅が中途半端だったので、次に完全に抽象的なかたちをつくってみようとしたのが「wa」(2009 )です。
大橋 球の集合体に水玉の絵が描いてある作品の始まりです。外側のカラフルな装飾は篠崎さんの持ち味だと思いますが、どんなイメージですか。
篠崎 私はサイケというジャンルの音楽や映像、インドやタイの民族模様やヒッピー文化などが大好きなので、その色彩やパターンに影響を受けていると思います。作家でも大竹伸朗さんや池田学さん、kevin hooymanが好きなんです。
「四面族」(2009)では四面異なる文様を組み合わせることで、人にはいろんな面があるという意味を表しました。
つくり方は、球体を連続して繋げるだけでかたちが変っていくのが面白くて、半分つくったらひっくり返してその部分をバケツに入れ、そこに手びねりで球体を積んでいくという方法です。かたちのイメージをなんとなく考えてから始めますが、途中で絶対に変ります。絵は鉛筆で直接土肌に下書きしてから、色を塗り分けていきます。焼成は素焼きと描いてからとの二回です。
「二面族」(2010)では、音楽を感じさせるような絵を目指して、好きな建物のかたちや、理想の街みたいなものを描いています。 いろいろなことを試してみたくて、「カイジンヨンジュウメンゾク」(2009)では球体のひとつひとつに異なる文様を描きました。でもかたちは一体化した方がやはり良いと気づいたので、このかたちの作品はこれだけです。
大橋 制作時間は長いのですか。
篠崎 「四十面族」(270×660×500mm)(2009)は東京国立近代美術館工芸館「装飾の力」展に出品したのですが、時間の制限のある中でさらにクオリティの高い新作をと依頼され、一ヵ月半ほどでつくりました。絵を描くのに一週間、手びねりには2〜3週間かかりました。
この作品は描いた絵が一枚一枚めくれるようなイメージで、文様から縮緬や着物を連想すると言われました。私の祖母が着物好きだったり、自然の豊かな環境に住んでいますので、そういう感覚や今までの経験が出ているのかなと思いました。
「Hungry man02」(1110×600×600mm)(2011)では、よくテーマに上がる、陶芸は中が空洞というのが大きな特徴としてあり、それが欠点でもあり利点でもあるということを考えました。私自身にわっと吐き出したいような欲求があって、口から出てきているもので内側をイメージさせる作品です。でもこれをつくって、出てくるよりも、見えないけれど内側に何かあるという空洞に関するイメージのままの方が面白いと考え直しました。
大橋 元気で楽しい作品のイメージがありましたが、葛藤と実験の繰り返しがあり、今回の「I am hungry」(2011)が生まれたのですね。今までの台の上に置く安定感のあるかたちから2m30cmの大きさのものを吊るすということは、なぜ考えたのでしょうか。
篠崎 これまでもダイナミズムを感じさせるような動きのある方が緊迫感があっておもしろいと考えていて、不安定につくろうとはしていたんですが、難しかったんです。
土以外の素材も考えたんですが、やはり土が面白いので、勝負するような気持ちでつくりました。この作品は100キロ程ありますがボルト二本で留めています。かたちは具象と抽象が混ざったようなイメージで見る人がいろいろ想像できるようにしたかったんです。人間の欲求は、生きるためという純粋な部分とそうでない部分があると思うのですが、一見すると醜いような感情やものでも、すごくエネルギッシュで綺麗だと感じることがあり、人間だからこそ持っているものがある、それをいっぱい表現していこうと思いつくままにいろいろな表情を貼り付けたり刺したり、欲求のおもむくままのかたちをつくってみようと思いました。
大橋 それで最初に「自分が気持ちいいと思う動作」と言われたのですね。
どんどん作品が大きくなってきた篠崎さんですが、「器」もたくさんつくられていて、小さいのに密度が濃く煌びやかで魅力的です。大きな作品をつくる時とは違いますか。
篠崎 どちらも同じです。器は用途があることで、立体の自由さとは違う面白さがあります。加飾をやり過ぎてしまうので用途的にはうるさい場合もありますが、今はそれがやりたいことなのです。
大橋 今後はどんな作品を考えていますか。
篠崎 今展では陶による大きな組作品にする予定です。
作家は生きてつくっているだけで社会性が作品に現れるものだとは思いますが、震災を経て最近いろいろ思うところもあり、これからはその気持ちを共有できるような作品になっていったらいいなと思っています。
作家略歴
1987年 福岡県生まれ
2009年 大阪芸術大学 芸術学部工芸学科陶芸コース 卒業
2011年 大阪芸術大学 大学院 芸術研究科芸術制作専攻 修士課程 卒業
現在は大阪で制作中
グループ展
2011年 「リアルRPG合宿 るくる島黄金伝説」(高知県・鵜来島)
「Group 3」 工房IKUKO(岡山)
「イケヤン展☆2011」 アートサロン山木 (大阪)・井中居(東京)・六本木ヒルズADギャラリー(東京) ・
陶林春窯(岐阜)・patio gallery(金沢)・工房IKUKO(倉敷)
「京J-LIVING [茶の事]」 伊勢丹新宿 (東京)
「第十回へうげもの+へうげ十作〈ABENOIKZO〉」 近鉄百貨店阿倍野店 (大阪)
2010年 「アートどすえー京都物産展」 Hidari Zingaro (東京、中野)
「HAKATTANA へうげもの九州急襲 in HAKATA」 konya gallery松楠居(福岡)
「2010アジア現代陶芸展」 弘益大学校現代美術館(韓国)
「わくわくKYOTOプロジェクト」 立誠小学校(京都)
「イケヤン展☆2010」 アートサロン山木(大阪)・陶林春窯(岐阜)・工房IKUKO(岡山) ナゴヤドーム(名古屋)・neutron (東京)
「陶ISM-Field of free 若手陶芸家展」 民宿古木(栃木・益子)
2009年 「現代工芸への視点 装飾の力」 東京国立近代美術館工芸館(東京)
「WHITE 博士課程前期 工芸領域一回生展」大阪芸術大学体育館ギャラリー(大阪)
「アジア現代陶芸 新世代の交感展」 愛知県陶磁資料館(愛知)
「CRAFTAN」 ギャラリー百音(大阪)
受賞歴
2010年 「2010京展」入選

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