やきもの展 GALLERY3




展覧会案内

北本裕二 展 -陶 地層・探検-

北本裕二 展 -陶 地層・探検-

2009年9月4日(金)〜10月3日(土)

■ 休館日
日祝日
■ 開館時間
10:00〜18:00
■ 観覧料
無料

アーティスト・トーク 2009年9月4日(金) 18:30〜19:00

プレスリリースpdf_icon_s.gif ※ご覧いただくにはAdobe Reader が必要です。

Photo:  「モーロックの都市計画」2008 部分



展示会概要
北本裕二(kitamoto Yuji)さんの作品は、陶土の壁が会場に構成されるインスタレーションです。
その壁は、淡い茶、灰、薄緑、白色が混ざり合い、波に洗われた岩石のように豊かな表情を持っています。
ひとつのパーツは20cm四方で、250枚以上を組み合わせることによって壁状に成型します。

北本裕二

2009 / INAX ガレリア セラミカ会場

北本裕二

陶土の壁は、太古からの動植物の死骸や有機物が蓄積した豊饒さ、幾度も断裂を繰り返したリアルな裂け目や、多層のグラデーションに彩られ、壮大なイメージを感じさせます。足を進めるごとに、まるで土にすっぽりと包まれたような、安らかさを感じさせる作品です。
北本裕二さんは、美術大学で陶芸を始め、今年8年目になります。制作のテーマは地層、地底、そして地球です。2008年頃から、長さ180cmのたたら板からつくる、現在の作品をつくり始めました。薄い板状に伸ばされた土の、ひび割れ、染み込んだ風雨、化石を内包しているかのような表情で、原始の力を感じさせる迫力を生み出しています。
万物が刻々と変化して土が出来ること、やきものとの関わりなどをベースに、できることなら地球そのものをつくりたいが、どこかそれを感じさせるものが出来ればという想いで制作しています。今展は東京での初めての発表の機会となります。ぜひ会場でご覧下さい。
北本裕二

北本裕二
北本裕二

インタビュー
2009年7月21日 インタビュー:大橋恵美 (INAX文化推進部)
大橋 最初の作品「地球の歩み方scene1」(2003)は陶板を観客が踏むんですか。
北本 そうです、磁器なので最後は粉々になります。それをまた集めて焼き直して「地球の歩み方a crevasse」になります。でもこれは以前の作品で、今は寝かせています。 今は主にたたらを使った作品です。 「時計とエントロピー」(2008)、この辺からたたらを始めました。1枚の長さが1m80cm位あって、途中を金属で支えて立たせています。 そして、今展のためにつくっているのは、やり方はほとんど一緒ですが、形態が変わりまして、陶壁のようなかたちにしようと思っています。1ピースが20cm四方で、パネルに貼り付け、作品と壁で空間をつくりたいと思います。
大橋 面白そうですね。ガレリアセラミカの空間はどことなく穴倉っぽいですが、そこにまた迷路のようなものが現れるんですね。
北本 今までの作品でも、鑑賞する人の動線を限定したいという考えが強くて、そういうところのコントロールがしていけたらなと思います。
大橋 「時計とエントロピー」はバランス感覚がありますね。
北本 僕は1点のもので見せられるようにしたいので、インスタレ−ションを敢えてする。そうすると全体や場との関係になるので、そこで1点のものをどうしたらよいかとアプローチして、強化していくんです。
大橋 1点の作品「オットー・リーデンブロックによる」のタイトルが意味しているのは何ですか。
北本 小学生の時に読んでいた、ジュールベルヌのSF小説「地底探検」に出てくる地質学者、考古学者の名前です。僕の作品は見ての通り、地層や地面より下の方に焦点をあてていることが多いので、地質学者の視点を借りてという意味です。
大橋 地層を表現するために磁土には何か混ぜていますか。
北本 下の部分は混ぜていなくて、1回焼いたものを再度使っているので、粗めになっています。上の部分は粗めの土と表面加飾で化粧土を混ぜています。無理やり乾かして、伸ばすのでバリバリになります。
大橋 地表や地底の表情は全部違いますから、途方もないテーマですね。最近では地底とか地面の内側を表すように変わってきていますね。
北本 僕は最初から陶芸コースだったんですけど、最初の踏む作品の時は、やきもの関係からすごく評判が悪かったんです。イロモノ的に見られて。
大橋 作家の意図通りでも、皆さん、焼いたものを踏むことは正直躊躇しますよね。
北本 特に伝統あるやきもの関係の方は、その音を聞くことも嫌なんですね。
大橋 土の割れる時の音が嫌だと感じられた。北本さんにとっては、もう一回大地に戻る時の音と受けとってもらいたかったのに、そうはとられなかった。やきものを冒涜しているというふうに受けとめられた。踏んで砕かれたものを再度作品にすることは観客に伝えるのですか。
北本 聞かれた時には答えています。『これどうすんの、終わったら』という感じでよく聞かれた。それで、なにくそって感じで、ちゃんと考えていますよと。(笑)
大橋 北本さんもやってみて初めて、土を深く理解するというか、新しい視点が開けたのではないですか。
北本 そうですね、僕は制作者でありながら、鑑賞しに来た人を鑑賞する方にもなっていた。子供はワーキャー言って走り回ると思っていたんです。でも怖がったり、最初の一歩が踏み出せなかったんです。それを観ているのは面白かった。
大橋 壊したものからまた作品をつくるというのは何か面白いですよね。そうすると仕事場の何もかも捨てられなくなるのではないですか。
北本 それはあります。父親の実家の一角を借りて小屋を4月につくったばかりなんです。そこと、今、信楽の陶芸の森でもつくっているんです。
大橋 京都で作品を拝見した時には、作品に囲まれて、どこか風光明媚な景勝地、奇岩を訪れている、という感覚になって面白かったですね。屋外と屋内展示を全く違えていた。北本さんのテーマとスケールには、屋外がすごくマッチしていたように思います。 ところで京都造形大学への進学では、初めからやきものにいこうと思ったんですか。
北本 高校3年生まで部活でバレーボールをやっていて、結構良い所までいっていたんで、皆が進路を考えている時に、何も考えていなくて、将来どうしようかなと思った。考えた時に、小学生の頃に観ていたテレビ番組の「ワザありにっぽん」という伝統工芸の人を紹介する番組を思い出したんです。僕はあれが大好きだった。毎回番組の最後に、決め台詞のように、このおばあちゃん、おじいちゃんの技を伝える人はもういません、「後継者はいません」と言うんです。それが大好きで。(笑)僕はなんか知らないけれど職人になりたかった。その時は滋賀県に住んでいましたから、それで信楽焼きの職人になろうかなと思ったんです。 最初はロクロばっかりやりました。大学3年生の時に、叶先生が京都に薪窯を持っていて、焚くのを手伝わせてもらったんです。帰りに、工房の方でお茶でも飲もうと言われて工房に入った途端、こんな仕事ようできへん、俺がやらんでもこんなんがある、器の職人にはなれへん、ならんでもええわと。
大橋 すごい精度の作品がズラッと並んでいたんですね。後継者はいません、ではなかった。それまで少しは展覧会も観て来たと思うんですけど、気がつかなかったんですか。
北本 今まで何見ていたんやと思いましたけど。それで造形の方へ。
大橋 でも今度は造形で、北本オンリーワンにならなければならない。
北本 そうですね。でも、ちょうどその3年生の時に堀香子さんが非常勤講師で来られていて、「いのちのかたち」という課題を出されたんです。今まで茶碗しかひいていなかったのに、「いのちのかたち」ってなんやと。周りの子達は生物的な、有機的なかたちをつくるんですね。それ、ほんまにそう思うているのかと。(笑) でもそんなことを言っても、自分では何もつくれない。時間はどんどん過ぎて、粘土を注文しなくてはならなくなってきた。注文する時にハタと気づいた。あれっ、土っていのちのかたちじゃないか。そうやんかと思った。刻々と変化して、ようやく土なんだと。やきものっていのちを与えているんじゃないかと。だから堀さんにはすごく感謝しています。
大橋 本当にそうですね。でも落胆した時にやめようとは思わなかったんですか。
北本 一度決めたことはやめようとは思わないんです。忘れっぽいのかもしれないですね。 結局何をつくりたいのかと思うと、地球がつくりたいのだなと最近思うんです。でもどう考えても僕がつくりだせへん。でもそういう、なにかを感じれるものだったら、なんとかなるやろと。
大橋 画廊には、長い時間や大きなスケールを感じさせる作品が並びそうですね。楽しみにしています。
作家略歴
1981 京都市生まれ 滋賀県大津市に育つ
2004 京都造形芸術大学 陶芸コース卒業
京都造形芸術大学 陶芸コース副手(〜2008)
2008 滋賀県立陶芸の森 スタジオアーティスト
2009 平和堂財団芸術奨励賞
滋賀県立陶芸の森 スタジオアーティスト
京都造形芸術大学非常勤講師
個展
2006.02 『35°00‘33.084’N 135°46‘58.997’E 歩』     GALLERYはねうさぎ(京都)
2007.02 『『35°00‘33.084’N 135°46‘58.997’E と』  GALLERYはねうさぎ(京都)
2009 ZUREシリーズその3『point of view』   GALLERY揺(京都)
グループ展
2003.01 陶4人展 『quartette』展  GALLERYマロニエ(京都)
2003.03  『Now Japan 舞 Dream』  新風舘(京都) 
2003.10 友好提携20周年記念 京都府陝西省交流 芸術展 京都府京都文化博物館
2005.08 陶五人展  祇をん小西(京都)
2006.05 4人展  M’sギャラリー12番丁(和歌山)
2006.09 ザ☆オマモリ展2006  GALLERYマロニエ      (京都)
2007.02 京都府美術工芸新鋭選抜展 京都文化博物館
2007.07 ザ☆オマモリ展2007  GALLERYマロニエ
2008.01 京都府美術工芸新鋭展2008 京都工芸ビエンナーレ  京都府京都文化博物館
2008.05 EXhibition#5 GALLERY RAKU(京都)
2008.07 まちなかアートin信楽  陶成アートギャラリー(滋賀)
2008.11 不器用展  GALLERY RAKU(京都) 
2009.07 New Friends, Art and Adventure: A Ceramic Art Exhibition
Japan Foundation Gallery(Sydney)
まちなかアートin信楽  ギャラリー蓮月(滋賀)

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