やきもの展 GALLERY3




展覧会案内

高岡太郎 展  −筒・集・積−

高岡太郎 展  −筒・集・積−

2009年1月9日(金)〜2月3日(火)

■ 休館日
日祝日
■ 開館時間
10:00〜18:00
■ 観覧料
無料

アーティスト・トーク  2009年1月9日(金) 18:30〜19:00

プレスリリースpdf_icon_s.gif PDF 87KB ※ご覧いただくにはAdobe Reader が必要です。

Photo: 「積」 2008 250×55×55 cm(部分) 陶



展示会概要
大きな酒樽や重い臼のような陶の円筒形が、横倒し一列に荒縄で結ばれています。長さ2.5m直径55cm。古道具のような趣と土管のような構造物を感じさせる、ダイナミックで迫力ある作品です。
荒縄で結び付けられているのは、7つのパーツに分かれる円筒です。それぞれ、白い胴に漢字の「門」「泉」「公司」などの文字が描かれているもの、備前や信楽など古窯の肌合いが再現されたような色合いのもの、刷毛目が藁菰にはいった酒甕を思わせるものなどがあります。そしてそれらを一纏めに荒縄で結びつけています。縄で結ばれたかたちは、神事の祀りごとを連想させて凛として清新な印象です。
高岡太郎
高岡太郎 高岡太郎
高岡太郎(Takaoka Taro)さんは現在、東京藝術大学大学院修士課程に在籍して作品を制作しています。今展が初個展開催となります。 作品のモチーフに隠されたイメージは、高岡さんが幼い頃に習っていた書道、工芸高校のデザインで学んだタイポグラフィ、好きな香港のネオンサイン、家族が集めていた骨董品ややきものです。高岡さんは全体的な質量感を表わしたくて、これら豊かな土の表情をつくりました。また荒縄は、やきものをつなぐ方法として構造と造形が一体化することを求め、「藁つと」のふくよかなイメージから生まれました。 高岡さんの好きなものがたくさん集まってかたちになっているという作品は、大らかで伸びやかで堂々としています。今展では新作1点が会場いっぱいに展示されます。
高岡太郎
高岡太郎 高岡太郎

Photo:ガレリアセラミカ会場 2009

インタビュー
2008年11月13日 インタビュー:入澤ユカ(INAXギャラリー顧問)
入澤 東京藝術大学の卒展で煢ェさんの作品に迫力を感じたのは、短い土管をいくつか繋いだアバウトなかたちなのに、堂々としていたからです。例えば紐の巻き方も適当なんだけど、煢ェさん独特のフィニッシュをしている。 煢ェさんの作品はいくつかのパーツが組み合わさって出来ていますが、何か最初に大きなイメージがあって構成しているわけではなさそうですね。
高岡 基本的な円筒形の単純なかたちを径の違いで見せる。最初からはっきりとしたイメージがあるわけではないです。漠然とはある。
入澤 (ここにあるパーツの倍くらいはつくっていますか。
高岡 倍までいかないです。
入澤 今の煢ェさんの思考だと、目の前にリアリティのあるものが出来てから、その次に進むという動き方ですか。
高岡 一個つくり始めて、そこから連鎖で増やしていく。
入澤 途中で考え込むこともありますか。
高岡 あります。
入澤 ひとつが終らないうちに次にいくことはありますか。
高岡 それはあります。並行でやっています。色やパターンは油絵のように、幾度も塗っては消してを繰り返しています。イメージがあるわけではなくて、この中でバランスをとってつくっていきます。
入澤 少し前にガレリアセラミカで展覧会されたあなたの先輩の藤笠さんは、彫刻科との交流授業から作品が生まれたとおっしゃっていましたが、煢ェさんが大きな鉢や土管の組み合わせみたいなものに行き着いたのはどんな理由ですか。
高岡 僕は都立工芸高校だったんですけど、陶芸の授業で最初にやって身についた技術で、何かつくりたいというのが自然な流れとしてあって、それはろくろだったんです。 でも、しばらくすると陶器で器をつくるのに慣れてきて、それらが自分の表現だとは思えなくなった。 いきなりこういう土管のようなかたちが好きだったわけではないのですが、以前から祀られているもの、御神体とかのかたちに、彫刻と同じくらいの存在感を感じていた。そういう造形物として関心を持たれていない、建造物などの、見せようとつくっているものじゃないものに魅力を感じていたので、それを自分なりに解釈してつくれればと思った。
入澤 大事そうに紐で巻いたりしているところが、作品を魅力的にしていると思います。 この紐を巻いたのは接合面が上手くいかなかったからですか、それとも初めから意図してですか。
高岡 陶器でつくる時には単体では難しいので、接着剤でつける方法もあるんですが、それにはすごく抵抗があって、見える部分には自分の意志を持たせたかった。日本には紐で組む、繋ぐというのがあったので、見た目と方法を繋げられたらなと。
入澤 最初にエスキースを描いたりしますか。
高岡 します。
入澤 この作品を立ててみたことはありますか。
高岡 以前の作品は立てるものとしてつくりました。でも円筒形のものを立てるより、寝かせる方が自分としては空間を使えていると思ったので、この作品をつくる時には立てることは考えていませんでした。
入澤 大地に置かれるイメージでつくっているんですね。台に乗せないと転がるんですか。
高岡 それもありますが、置かれる環境の影響があるので、できるだけ受けないように、この場合は絵で言うと額縁のようにワンクッションおこうと思って。割と自重で持つんですけど、隙間もあるので、穴を開けて木を刺して台に留めたりもしています。ちょっと拘束されている感じになっています。
入澤 ガリバーが小人たちに縛られているみたいに感じました。ファイルを拝見すると、円筒のかたちは大学2年生くらいから始まって、今で4年目ですね。その頃から作品には文字みたいなものが描かれて、古い看板みたいなものが転写されていますね。
高岡 やはり工芸高校の時にデザインを習って、小さい頃から書道もやっていて、タイポグラフィみたいなものが好きで。
入澤 意外と細かくきっちりしたものがやれてきているんですね。
高岡 きっちりやれているかどうかはわからないですが。広く色んなところからイメージを持ってきています。香港のネオンサインとかも好きなんです。
入澤 私はこの作品についてはいくつかの古窯の肌合いが連想されて、土着的な日本の風土のようなものを感じました。
高岡 それもあります。
入澤 そうすると、つくる時に、今度は信楽を、今度は瀬戸のような肌合いをつくってみようとか、マチエールをイメージして動くんですか。
高岡 釉薬とかあまり興味がないので、肌合いというのはそれほど意識していないです。かたちや量の方が気になることが多いです。この作品の肌合いは本当に焼いた結果です。
入澤 思いがけず、色々な要素が入っていることが明らかになってきましたけど、それでは作品はまだまだ変わりそうな感じですね。
高岡 そうですね。変えたいというか、変化しなくちゃなと思います。
入澤 今展ではどんな感じですか。
高岡 基本的にはこのイメージの新しい作品を1点ドーンと。
入澤 高陶芸作品をつくる過程を伺っている中で、思いがけずタイポグラフィの勉強があったりしましたが、そこからどうして陶芸に行ったんですか。
高岡 高校3年の時に、講師で芸大の人が来て、話を聞いて興味を持った。その人も、作品も、教え方もカッコいいなと。自分は職業としてデザインをやることを考えた時に、そこまで商業広告とかに向いているのかなとも思っていたので。父の実家は製本屋で、父は小学2年の時に亡くなっていますけど、趣味で陶器も好きだった。姉がいて、同じ高校で、子供が生まれるまで陶芸教室の先生をしていた。そうした影響もあると思う。
入澤 伺っているとあなたの場合、色々な要素の集まりとして陶芸をやっている。
高岡 集まりというのはそうですね。興味のあるものの集合なんですね。
入澤 卒業制作は義務みたいなものでしたが、展覧会をやるにあたって何か考えましたか。
高岡 最初すごく考えました。みんなと同じものが嫌というわけではないんですが、もっと違うものをつくりたいと考えていたんです。でもやはり自分の現状から急にそんなものが出来てくるわけがないので、結局今やれることをやるしかない。
入澤 こちらから煢ェさんに依頼した展覧会なわけですが、作品写真やポートレートなどの展覧会や印刷物の準備について、困惑していらしたようですが、先輩に相談したりするのは苦手のようですね。作品をつくることだけに専念していたという感じでしょうか。
高岡 良くないことだとは思うんですけど、物事を並行に出来難い。まず作品が出来上がってからでないと。
入澤 作品を空間で見せる行為も、リーフレットで知ってもらうことも、展覧会はどっちも大事ですから。ガレリアセラミカの2009年のスタートです。楽しみにしています。
作家略歴
1983 東京生まれ
2008 東京藝術大学美術学部工芸科卒業     東京藝術大学大学院 美術学部 工芸科 陶芸専攻 修士課程在籍

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