やきもの展 GALLERY3




展覧会案内

小島修 展  -陶塊のきらめき-

小島修 展  -陶塊のきらめき-

2008年9月5日(金)〜10月4日(土)

■ 休館日
日祝日
■ 開館時間
10:00〜18:00
■ 観覧料
無料

アーティスト・トーク  2008年9月5日(金) 18:30〜19:00

プレスリリースpdf_icon_s.gif PDF 79KB ※ご覧いただくにはAdobe Reader が必要です。

Photo: 2007 Untitled 34×22×36cm



展示会概要
小島修(Kojima Osamu)さんは作陶を始めて15年ほどになり、これまで内外で発表を重ねています。近年の作品は、黒く凝固した溶岩流を思わせる、質感と重厚な雰囲気で迫力があります。
1メートル四方に詰まれた土は重さ1トンにもなり、太古から堆積した土壌のようで、マグマのように流れる鮮やかな釉薬、鉱石のようなガラス質のきらめきが、豊穣な土の魅力をあますところなく伝えて見る者を虜にしてきました。
小島さんはこれまでアーティスト・イン・レジデンスに参加することが多く、こうした大作をつくる機会や環境に恵まれてきました。それらの体験で、自分ひとりで制作できる大きさの終点に行き着いたのだと話します。そして、大きさの限界を極めた小島さんが新しく制作したのは、3〜40cm四方の、人が一人で抱えられるサイズの作品でした。
新しい作品は画廊空間にも展示できるようになりましたが、溶岩のような風情はそのままで、ほとばしるようなエネルギーと濃厚な密度、手を触れると火傷しそうな激しさ、力強い躍動感が漲り、しかしながらこれまでにない親密さを持っています。
小島修
小島修 小島修
小島修 小島修
小島さんは大作を制作するエネルギーを、1日に2回窯を焚き、数をつくることによって作品に転化させたと言います。真っ黒な岩のような土肌にきらめく、青や紫のガラス釉は磨き上げられた宝石のようにきらめき、土や陶を愛する私たちの心を捕らえます。
また新たに白磁土でも同様の試みを行い、一味違ったオブジェを生み出しています。
今展に先立って、2008年5月にはINAXタイル博物館「やきもの新感覚シリーズ」(愛知県常滑市)にて大作と小品を合わせて展覧会を開催し、多くの方々に好評を得ました。
今展では、ガレリアセラミカの空間に合わせて、小作品10点を展示しています。
小島修
小島修

Photo:ガレリアセラミカ会場 2008

インタビュー
2008年2月28日 インタビュー:入澤ユカ(INAXギャラリー顧問)
入澤 今回の展覧会は、小島さんからの展覧会の案内状がきっかけで、京都造形芸大のギャラリーに実際見に行った。東京からの新幹線も雨で遅れて。そしたら、天候不順で大学が閉鎖され、ギャラリーも閉まっていて呆然としてしまって、大学前から帰ろうとしたら偶然八木明さんに会って、「小島さんの展覧会に来た」と話したら、その後資料が送られてきました。
これまでは似たお仕事の方がいる中で、作品のエネルギーみたいなものをあまり感じなかったんですけど、この時の案内状から、作品が立ってきたように感じたんですね。それと小さな作品が出てきたということもある。
小島 以前、陶芸の森にいた時、あそこには非常に大きな作品をつくる設備があって、たくさんの人達や研修生が大きな作品をつくっていた。自分でも最大限というのをやってみたいという思いがあって、自分の年齢と、予算のぎりぎりまでと、人に手伝ってもらわずに動かせる限界に、一度いかなければ駄目だというのがあったんですね。そしてそれにいくまでに2,3年時間がかかった。今の状態はその限界へきたというところです。
入澤 大きさや重さを物理的に制御することは可能になったとしても、現れ出てくるものに対して、出尽くしたのかどうかですよね。
小島 通常、やきものや美術でも、特に工芸的なラインで見る方は、作品をフォルムで語るんですよね。でも僕にはかたちの細部は意味がないんです。例えばブランクーシのフォルムはきれいですよね。でも僕はそれを追及しなくても良いんです。逆にそれを無効にすることが大切なんです。でも逆に大きさをつくる反面で、今度は小さくしていかなくてはならないわけです。
そこでもまたフォルムが出てくる。それは仕方がないのかと思います。大きいものを小さなスケールでつくるわけではないというのがわかってきました。
フォルムというのをつくらなくてはいけないのだろうか、でもそれを無効にしたい思いで、勝手に自分で額縁というか枠をつくっちゃったのが2003年の「コンテンポラリーアートnNIKI」での作品で、ここが通過点だったかなと思っています。
入澤 壁づけの作品でしたね。
小島 もともと僕はペインティングをやっていたので、それもあるのかと思います。高校生の時に現代美術作家の五十嵐彰雄さんが高校の美術の先生だったんです。それで先生の作品に衝撃を受けました。それがきっかけで美大を受験したんですが、受かったのが陶芸だった。佐藤敏さんが先生だったんですけど、僕は最初非常に悩みました。やきものはペインティングよりプロセスに時間がかかる。その距離感が掴めなくて、大学をやめようと思いました。その時に佐藤さんから、もうちょっと我慢すれば自分のものになると、良いタイミングで声を掛けて頂いて、やきものの面白さってこんなものじゃないといわれたんです。
入澤 そうすると、高校時代はとても幸福な時代だったわけですね。
小島 そうです。現代美術ですから意味がわからなくて、でも日比野克彦さんやフランク・ステラが出てきて、すごい衝撃でした。
入澤 多感な高校1、2年に大きな衝撃を受けるというのは、若い分だけすごい興奮だったんでしょうね。その刺激や知識があるから、美大にいる自分の現実に置き換えてみると、自分は、これだっていうところになるまで時間がかかりますよね。頑として、私はこれが好きだからやる、というのが無いと続かないと思う。
小島 結局自分の立ち位置を確認するためには回りの状況を知らなければならないです。今はもう、過去に受けた衝撃のように現代美術に興味を持っているわけではないけれども。
入澤 どんなに非効率だろうが、表現しなくてはいられないところにいるんですよね。
小島 そうですね。逆に僕自身は情報過多で不幸だったかもしれないと思いますね。芸大とか窯業学校とかじゃないところからやきものをやってきた人がいますが、独学とか、その野生的な勘みたいなものは僕らは持ちえていないです。
入澤 私は内心で、美大が昔の画塾みたいであればなぁと思っていて、今の形態の美大不要論者なんです。いつも使えるアトリエと刺激的な友人、知人がいればいい。
小島 僕もそれは少し思います。この前の展覧会に、19、20歳くらいの美大の女子学生が僕の作品を見に来てくれまして、彼女が「私の作品はインスタレーションをつくっているので、それをCDに入れちゃうから、作品はCD1枚で、すごく便利よ」と言われた時には良くも悪くも、すごい衝撃的でした。(笑)
僕のクソ重い、業者さんやスタッフともずいぶん前からやりとりをしていく作品に対して、スカッとそう言われると。(笑)
入澤 でも、その女子学生さんのインスタレーションでも、やっぱり見に行かなければわかりませんよ。作品は肉眼でみなくっちゃ。重さも空間の中で見ていると伝わってくる。
小島 僕はどんなに重くても、素材の中に未だ見ぬ物質があるような気がして探しているんだと思います。
入澤 小島さんはずっとムクですよね。
小島 そうですね。刳り貫くこともやりましたが、やはりムクでやりたいですね。
爆発したりしますけど、最初にバラバラで焼いて焼成には5日位かかって、次に釉薬でつけてガラスまで焼くので、結局3回位焼きますけど。
入澤 最初にエスキースなんか描くんですか。
小島 ないですね。自分の許容範囲で出来た時に、ひっくり返して面白いならひっくり返すし、切れて中が見えて面白いならそれも良いし、大きい作品に関してはラフですね。反対に小さい作品の方が難しいですね。
入澤 今回は小島さんに、先に愛知県常滑市にある「INAXライブミュージアム」で発表をしていただくんですが、そこで以前、秋山陽さんに思いっきり小さいのでやってもらって、すごく面白かったんです。作品が大きくなってしまった時には、小さなものでも力が満ちてきて、どちらも大丈夫になる。
小島 僕は作品を持ってギャラリーを回ったこともあるんですが、東京に来た時に、あなた作品が大き過ぎるわよと言われて。
入澤 美術館以外には、普通の画廊なんかだと、何トンもの重みには耐えられない。
小島 そうですよね。外国に行ってもファイルは見てくれるけど、でも実際はどうするんだで終わるんですね。(笑) そうしたら、それを超えていかないと現実的に自分の発表する場がなくなるんです。
入澤 そこで、この小さな作品にも、大きな作品をつくるくらいのエネルギーを注入するわけですね。
小島 ポテンシャルを下げないためには、数つくるしかないですよ。(笑) 1日2回窯を焼きます。
入澤 磁器も使いますか。
小島 拾ってきた石と磁器の組み合わせの作品もあります。でも、僕に磁器は違うかなと思っています。
入澤 小島さんの作品の魅力は、ガラスと土の溶け合わないもののエネルギーですよね。 そして、隙間や切れ目からあふれ出てくる、うねりと色彩がとても魅力的です。展覧会を楽しみにしています。
作家略歴
1973 福井県生まれ
1995 京都精華大学美術学部造形学科卒業、滋賀県立陶芸の森に研修生として滞在制作
1996 京都 宮永東山(理吉)氏のアシスタントとして働く
1997 アメリカ モンタナ州ヘレナ アーチーブレイファウンデイションに研修生として滞在制作
1998 アメリカ アリゾナ州立大学に研修生として滞在制作
2002 滋賀県立陶芸の森に嘱託職員として勤務(2007年3月まで)
■ 個展
1995 ギャラリー紅/京都、ギャラリーマロニエ/京都
1997 モンタナ州 マラノイセンター/アメリカ
2003 コンテンポラリーアートNIKI/東京
2005 ギャラリー陶園/信楽
2007 京都造形芸術大学 ギャラリーRaku/京都、ギャラリー陶園(第17回秀明文化基金受賞記念展)/信楽
2008 INAX世界のタイル博物館/愛知
グループ展 その他
1996 滋賀県立陶芸の森陶芸館 森で生まれた作品展
1997 アメリカ モンタナ州 アーチーブレイファンデイション アニアルレジデンスエキシビジョン、アメリカ モンタナ州 ホワイトフィシュギャラリー アーチーブレイ1997レジデンスショウ  
1998 第5回国際陶磁器展美濃’98 入選
2000 土岐市 現代茶陶展 入選
2004 アメリカ ニューヨ―ク ギャラリーミリュー AC DIDN’T FIT IN MY WINDOW、NIKIギャラリー册/東京 書・册あるいは机上空間のためのオブジェ展XI'04、台北縣立鶯歌陶器博物館/台湾  セラミックフェスティバル
2005 第7回国際陶磁器展美濃’05 銅賞、滋賀県立陶芸の森陶芸館 湖国を彩るやきもの[特別展]滋賀県の陶芸家
2006 秀明文化財団 第17回秀明文化基金賞受賞
2007 滋賀県立陶芸の森陶芸館 信楽を訪れた594人の陶芸家たち、ベルギー ゲント セントルカス美術学校陶芸科にてレクチャー開催、笠間市 回廊ギャラリー門、京都造形芸術大学 座談会「現代における陶芸」を開催
コレクション
滋賀県立陶芸の森(創作研修課)、アーチ―ブレイファンデイション、台北縣立陶磁器博物館

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