やきもの展 GALLERY3




展覧会案内

花塚 愛 展 −天地祝祭の陶−

花塚 愛 展 −天地祝祭の陶−

2007年10月5日(金)〜11月1日(木)

■ 休館日
日祝日
■ 開館時間
10:00〜18:00
■ 観覧料
無料

アーティスト・トーク

会場にて、制作のことなど作家ご自身に語っていただきます。
2007年10月5日(金)18:30〜19:00
先着順、入場無料

「虹霧の島鳥、星々」 2007 450-800-370o 撮影:小野努



展示会概要
白磁でつくられた山脈や都市から、鮮やかなレインボーカラーの円筒がヒラヒラと空に広がるように無数に飛び出しています。色彩は虹、星、月、太陽を表し、ロリポップキャンディーのようにピカピカして甘い幸福感に溢れ、濃密な存在感のある作品です。 花塚 愛展(Hanazuka Ai)さんはもともとウェッジウッドのジャスパーシリーズに興味を持ち、陶芸を志し、装飾をテーマに作品をつくってきました。渦巻き文様によるレース状の構築物や、水玉や星が一面に描かれたアメーバ状のオブジェなど、土の繊細さや柔軟さを生かした、明るい色彩感覚が秀逸で、独自の宇宙観を表現します。

花塚 愛

Photo:ガレリアセラミカ会場 2007

花塚 愛 花塚 愛
大地に寝転んで夜空を見上げた時、天地のどちらもが主体だと感じる花塚さんは、「こっちがあっちで、あっちがこっち」とマザーグースのナンセンスのようにパラドックスを作品にしていきます。会場ではそのことがゆっくり体感できるように真っ白な展示台に作品が浮遊しているように展示します。 花塚さんは、言葉より先に生まれた絵や文様こそ強い存在だと考え、ドローイングを繰り返して独特の文様を生み出しました。今年大学院を卒業したばかりですが、その確かな感性が、エネルギッシュな作品を生み出しています。
花塚 愛 花塚 愛
インタビュー
2007年8月8日 インタビュー:大橋恵美(INAXギャラリー)
大橋 今展はどうなりますか。
花塚 卒展の作品と新作とで小品も含めて18点くらい。小さな作品は壁に棚をつけて、大きな作品は台にのっけて。空間にふわっと浮かんでいるようなイメージです。
大橋 卒展でこの「虹霧の島鳥、星々」を拝見して展覧会をお願いしましたが、その前までの作品「虚飾器(POT)」は以前拝見したような。その時はすごいけど繊細で運べないだろうと思った記憶があります。
花塚 多摩美の卒展の時の作品で、運べたんです。ぎゅうぎゅうに詰め物をして。仲間のガラスや金属の作品も混載で。本当にドキドキしました。td>
大橋 作品が変わりましたよね。これはたった3年前の2004年の作品なんですよね。
花塚 もうだいぶ前の作品のような気がします。この頃のは白いんですけど、色のイメージはもう自分の中にあったんです。今も壊れずに存在しています。
大橋 そうですか。タイトルが「虚飾器」とありますが、学校のテーマの時につくったんですか。
花塚 いえ、自由課題です。暮らしが意識にあって自分の身近にあるかたちから。この頃は頭の中は装飾ばかりで。フラットな建物が多いじゃないですか、そういうのに反発というか。
大橋 別名「POT」とありますが、ロシアのサモワールやストーブのようなかたちにも見えますね。このイメージはどこからきたのかなと思った。焼成は1回ですか。
花塚 当時は1回1200度でした。それ以上だとかたちが動いてくるし、色を使いたくてガラスを嵌め込んでから焼くので、ガラスの色が飛ばない程度の温度設定でした。土とガラスは、最初はまるで違う素材だと思ったんですけど、実際にやってみると、そう違わないな、もともと同じようなところから来ているんだなということがわかりました。触ってつくれる、つくれないの違いはもちろんありますけど。透けているのはドローイングのような線から生まれてくる感じが強いんです。ガラスは色として使う。描くの好きですね。もうずっと描いています。
大橋 ドローイングと立体は繋がっていますか。
花塚 最初は自分の中にある文様を吐き出そうとして、呼び覚ますトレーニングとしてドローイングを始めたんです。描いているうちに、自分の中にこういう線があるんだ、こういう線が気持ち良いんだ、よく出てくるかたちだとか、そういうのがだんだんわかってくる。その為に描く。
大橋 ドローイングの線が立体になっている。その後で赤土も使ったチョコレートみたいな色が出てきますね。お菓子みたいな作品です。
花塚 よく言われます。私甘党だし。(笑)。
大橋 紐で積み上げての円筒形ですか、ロクロの円筒形ですか。
花塚 紐です。でもロクロも好きなんです。こうすうっと気持ちいい。ロクロを作品にすることはしていませんが。
大橋 それでちょっと変わって「渦巻きはどこから来たのか?」では円筒形よりお墓のような、モニュメンタルなイメージになりますね。多摩美では青木克世さんと一緒になったことはありますか。
花塚 いえ、まだ会ったことがないんです。一方的に作品は知っていますけど。
大橋 多摩美から京都芸大の大学院へ進学されたのはどうしてですか。
花塚 いくつか理由はあったんですけど、京都に初めて行った時に、前世とかわからないんですけど、あっ、知ってるみたいな感覚だったんです。京都には大学に入る頃になってから行ったんですけど、昔から知っているような、感覚がそこに溶けるような、うまく呼吸できる場所みたいな感じで、ビビビッと。それで行かなきゃみたいな気持ちになって、すぐ受験して行っちゃいました。4年の始めには、装飾に興味があるので、窯元で絵付けの仕事とかしようかなという感じだったんですけど、やはり進学することにした時に、日本中の大学院を調べて京都へ。
大橋 京芸は基礎をやりますよね。大変ではなかったですか。
花塚 大学院では自由にやらせてもらったので。でも隣で学部生がやっているのを見て、全然私より技術を持っていると思いました。しっかり基本をやっていた。
大橋 作品の色も変わり、タイトルも「この永い夜があけたら」、「すっかり化石になっちゃった」と心象風景のように変わりますね。
花塚
大橋 京都では釉薬の作品もつくりましたね。
花塚 陶土でつくったんですよ。黄みがあって、てろっとしたやきもの感が少し出て、やりたい感じとはやはり違いましたね。
大橋 個展の作品は急にカラフルになりますね。
花塚 この時は、これまでイメージの中だった色を全部外に出してやれって感じでした。かたちを探りながら。
大橋 そしてこの後に「虹霧の島鳥、星々」ができます。急にかたちがすごく良くなったと思います。
花塚 頭がすっきりしたんです
大橋 (笑)。色彩の深さとかも良かったですよ。
花塚 自分の感覚みたいなものを絞っていこうと思って。知識とか何もないところから、まず自分はどういう風に世界を見ているのかなと考えたんです。歩いているとわからないけれど、夜寝転がってみると地面を意識する。ただ平らにどこまでも続いていく地面と丸天井の空。天と地と。地面と空にくっついている星は、こちらが向こうなのか、向こうがこっちなのかわからないような、プカプカ宇宙の中を浮かんでいるみたいな存在感。そういう風に見てしまう感覚、見るために自分の感情がむき出しになっていく。
大橋 花塚さんは釉薬のてらてらした感じが嫌いですし、やきもの素材で困ったことはないですか。土や窯ややきものならではの枠は感じないですか。
花塚 でも合成素材とか、自分の表現素材としては今のところ全然関心ないですね。仲良くやれない感じ。土ややきものはもう無理って割れちゃうところが、受け入れられる
大橋 以前の作品も、儚さの極地ですよね。
花塚 むしろそういうのがいいんです。 作品は自分の中からバァーと出てくる鏡みたいな感じです。文様って言葉が生まれる前からあったもので、壁画とかも。これからもう少し具象的な文様やかたちも出していきたいと思います。今展でも1点1点がぎゅぅとしたエネルギーの塊みたいなものにしたいですね。
大橋 小さい時から絵が好きで。
花塚 ずっと描いていました。親が静かだなと思うとテーブルの下に潜り込んで裏に絵を描いていたとか聞きました。高校2年の冬に美術をやって生きていきたいなと思って。それまで美大は意識していなかったんですけど。多摩美を受ける時に、直前にウエッジウッド展を見に行って、今のではなくて初代のジャスパーを見たんです。そしたら女神様みたいな神様みたいなレリーフが壷の表面からぽこっと出ていて、細かい細工がしてあって。わあっ、こんなことができるんだぁと思って (笑) 。色と彫ってできるレリーフと細かい仕事ができるんならここにするって、やきものを選びました。入ってからなかなかうまくいかなかったですけど。(笑)
作家略歴
1982 横浜市生まれ
2005 多摩美術大学美術学部工芸学科陶プログラム 卒業
2007 京都市立芸術大学大学院美術研究科工芸専攻陶磁器 修了
■ グループ展ほか
2002 Big West 美術展 ’02 (八王子東急スクエア/東京)
でざいんとあそぶおぞんのなつやすみ
(新宿パークタワー・リビングセンターOZONE/東京)
2004 第40回 神奈川県美術展 (神奈川県民ホール/神奈川)
2005 多摩美術大学工芸学科卒業制作展 (スパイラル/東京)
2006 日韓現代陶芸 〜新世代の交感展 (愛知県陶磁資料館/愛知)
個展 (くらふとギャラリー集/京都)
ART UNIV.2006 (キャンパスプラザ京都/京都)

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