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LIXIL ブックギャラリー 新刊案内19
「知性の顚覆 日本人がバカになってしまう構造」

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 橋本治といえば、作家として評論家として今や大御所的存在であるし、日本の知性のそのものともいえる存在である(日本の古典にも芸能にも精通しているという意味においても、思想を牽引していく存在であるという意味においても)。
 橋本治の素晴らしさの1つは、難解な事象も身近な例えを挙げながら、消化して誰にでもわかるように説明する能力に非常に長けていることで、だから彼の著作を読んでいると、物事がわかったようなな気持ちになって納得してしまう(実際に理解しているかどうかはまた別問題である)。煙に巻かれているかというとそうではないのだが。

 そんな彼の最新刊が本書「知性の顚覆 日本人がバカになってしまう構造」である。
 戦後日本人が手に入れた自由、経済優先の政策、インターネットの発達などなど、人間の欲望をむき出しにする方向(自己主張を良しとする方向)に世の中は向かって来た。人間同士の欲望は放っておくと衝突するので、社会生活を行う人間には、これを調整し円滑にするためのモラルが必要になってくる。かつては、モラルは知性に内包されていたものだが、日本人はモラルを捨て、あからさまに欲望を表現する下品さを身につけてしまった。しかし私達が捨ててしまったのはモラルではなく知性なのかもしれない・・・。

 反知性主義、イギリスのEU脱退、トランプ大統領などなど、日本だけで起こっているのではないこれらの現象を例に挙げながら、橋本節全開で、楽しみながら、知性を取り戻したような気分になれる。顚覆してしまった知性とは何か、考えるきっかけに。


知性の顚覆 日本人がバカになってしまう構造/橋本治/ページ/朝日新聞出版/\760+税

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