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「日本人にとって美しさとは何か」

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 著者の高階秀爾氏といえば、美術分野の学者・評論家として大家中の大家であり、著作も数多い。こうしたアカデミズムの中心にある専門家の書籍は、あくまで専門家向けであって読んでも小難しくて理解できないのではないかという危惧(思い込み)から、なかなか食指が動きにくいものではないだろうか。
 しかし本書は、美術を専門としない一般の人向けになされた講演や、雑誌等に掲載された文章を集めたものであるためか、非常に読みやすく、理解もしやすく、また多くの気づきを与えてくれる。西洋美術の専門家であるからこそ、その対比において日本独得の考え方や特徴を際立たせることができるのだろう。

 例えば、西洋では絵と文字が明確に区別されているが、日本では文字自体が絵画の一部として組み込まれること。西洋の絵画は、描く人の1つの視点から立体的三次元的に描かれているのに対し、日本では多くの視点が1枚の絵に持ち込まれており、そのため絵はむしろ平面的になること。そして余計なものを排除し、切り捨てることで引き立てる日本独特の余白の美学、などなど。

 もともとは、自然に対する考え方の相違から生まれてくる「美」の観念。どちらが優れているということではなく、自然の移ろいと変化を愛でる情緒ある日本人の感性について、言葉で表現することで、改めて私達に気付かせてくれる。


日本人にとって美しさとは何か/高階秀爾著/250ページ/筑摩書房/\1,900+税

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