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「Wabi-Sabi わびさびを読み解く」

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  「わびさび(侘・寂)」は日本独特の美意識であり、千利休以降の茶の湯と関連して語られることが多い(実際にこの言葉が広がるのは江戸時代だそうである)。
  この「わびさび」の概念は、日本の根本思想・世界観を、西洋的な自然観と対比させると分かりやすい。
  西洋的な視点では、自然は戦い、支配し、超えるべき対象である。人間(主)と自然(客)は対立する概念である。哲学においても、芸術においても、永遠、不変、普遍的なものに価値がおかれ、永遠なもの、滅びないものが美しい、良いものとみなされてきた(キリスト教や西洋の思想・芸術を考えてみると理解しやすい)。
  一方、日本(東洋)では、禅の思想にみられるように、人間は自然の一部である。人間と自然は対立するものではなく、自然(客)に人間(主)が融合した状態、つまり「主客合一」(西田幾多郎)が最も良い状態であると考えられる。
 自然とは、不変のものでも永遠のものでもなく、無から生じ、無へと滅びるものである。そして滅びていく様、「寂びる」所作とその「侘びしい」状態に、生の刹那と美を見出すのが日本人なのである。
  このように「わびさび」は、永遠なものに価値をおく西洋では決してみられない、日本的な美である。

 本書では、「モダニズム」という国際的美意識との比較によって「わびさび」が浮き彫りにされている。著者はアメリカの作家、編集者であり、1994年に出版された書籍が今回、邦訳された。上記の日本的自然観を頭の隅において読んで頂くとより理解が深まるのではないかと思う。



「Wabi-Sabi わびさびを読み解く」/レナード・コーレン著/内藤ゆきこ訳/108ページ/ピー・エヌ・エヌ新社/\2,000+税

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