イベント情報

レプリカづくりの現場を訪ねて−京都・便利堂のコロタイプ印刷 イベントレポート

2006年7月12日(水)

◆2006年7月12日に「レプリカ -真似るは学ぶ-」展 大阪ギャラリー展示の関連企画として京都・便利堂見学会を行いました。 コロタイプ印刷は絵巻など紙媒体の複製に重要な技術です。 いまや世界にただひとつという、京都・便利堂を見学し、現場のお話を伺いました。

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祇園祭、山鉾巡行の準備が進み賑わいを見せる京都。
コロタイプという印刷技術を用いて、絵画等の複製を制作する現場である京都・便利堂を訪ねました。



コロタイプ印刷は、作品を実物大で撮影し、色ごとに何枚もの版を作り重ねていくという技法です。コロタイプ工房課長、山本修さんに解説して頂きました。(写真上から/便利堂・山本さん/参加者の皆さん)




いよいよ見学がスタートします。2班に分かれ、まずは原品を撮影するカメラを見せていただきました。(写真/三十年ほど前に特注で作ったカメラ)



被写体を平置きし、レンズに各色のフィルターをかけて撮影します。



撮影室で、フィルムを固定、撮影。光の透過に時間を要し、大変手のかかる作業です。



撮影室の裏に現像のための暗室があります。
昭和24年に焼失した法隆寺金堂の壁画は現在修復されていますが、これは焼失以前、昭和10年代に便利堂が複製し詳細な情報が残っていたために可能になったものです。現物の前に大型のカメラを置き、すべて原寸で、44分割して撮影されました。墨の流れなどの再現性は、デジタル技術が発展した現在でもこういった原寸撮影に敵いません。



国宝や重要文化財を撮影するときは、カメラを大型車に積み込み、撮影に赴きます。
フィルムが出来上がると、色みを調節するために、丁寧にハンドレタッチを加えます。
最終的には目で現物と同じ色が出せるか判断を下し、手で彩色するのです。



光の入り方で色の見え方が変わるため、見本帳が利用されます。



ゼラチンを使って、ネガフィルムの情報を刷版に焼き付けます。
ガラスの刷版にゼラチンの感光剤を塗り、フィルムに乗せ、




裏返して光を当てます。



その後棚に置き裏側にもしっかりと光をあて、水につけます。




室温、水温にも気を使いながら作業を進めます。
印刷は機械で行います。一台につき二人がかりで、墨摺りからスタート、色を重ねていきます。



すばやくインクを塗り、刷りながらインクのムラや濃淡の出方を見、瞬時に判断して足します。インクは大変硬く、扱いには熟練した職人技術が必要です。
仕上がったものの中から刷り上りの良いものを、大抵は一点のみ選び、納品します。

デジタル印刷などが発達する中、手間、コストともに掛かるコロタイプ印刷はなかなか理解されがたいという面もありますが、その分質の高い優れた技術であり、理解して機会を提供してくれる人が居る限りは廃れないはずです、とのお話で見学会は締めくくられました。

高温多湿の中お集まりくださった参加者の皆様、尽きない質問に丁寧に対応してくださった便利堂の皆様、本当にありがとうございました。

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