ブックフェア情報

東京・LIXILギャラリー1での展覧会開催会期中に、 企画展関連書を集めたブックフェアを行っております。 「品切れ」以外の書籍はフェア期間中に限り、ブックギャラリー 店頭でお求めいただけます (地方発送は致しかねます)

美しく生きる  2014年7月1日(火)〜8月31日(日)※終了しています

「美しく生きる」

あなたにとって美しさとは何ですか?

オリジナルブックフェア

ブックフェア情報
美しく生きる.jpg  「美しく生きる」――。抽象的なフレーズですが、「こころ」「からだ」「たべもの」「くらし」などなど、様々なキーワードから「美しく生きる」ためのヒントになる書籍をセレクトしました。ほんの少し立ち止まって、人生、生き方にも眼を向けてみませんか?


「呪いの時代」 内田樹著/新潮文庫
 20年前、いえ10年前にパソコンやスマートフォン、インターネットがこれほど社会に普及し、浸透すると想像していた人はいたでしょうか。情報化社会として進化して便利になった反面、言葉や記号、観念、妄想が肥大化して暴走している現在の状況を、著者は「呪いの時代」と表現します。
 この呪詛を解く鍵は、生身の、具体的な身体をもつ、いまここにある等身大の自分自身を受け入れ、承認すること――つまり祝福することであると著者は主張します。自分を許すことこそが、呪いを解き、他人をも認めることにつながる、と。
  「呪い」という言葉のもつ強さゆえに、誤解されるかもしれませんが、広い視点から様々な事象を具体的に分析した現代日本論です。哲学研究者でもあり、身体を使っての日々鍛錬を欠かさない武道家でもあるからこそ、筆者の主張は説得力を持って私たちに迫ってきます。

「おじさんの哲学」 永江朗著/原書房
 ここでのおじさんとは、世に言う中年男性のことではありません。家族関係として父親ほど近すぎず、程よい距離を保ち、離れた、いや外れた位置にいて、変だけど絶妙なアドバイスをくれたりする「叔父さん的存在」のことを指しています。そして、「叔父さん的立場」から世の中に物申している男性達(生きている方は年齢的にはおじいさんたち)の考え方や生き方を紹介しているのが本書です。
 ここで選ばれる「叔父さん的存在」とは誰か。そのセレクションが非常に興味深いものとなっています。哲学研究者であり武道家の内田樹、作家の橋本治や高橋源一郎、小田実、翻訳家・作家の生田耕作、それに評論家・哲学者の鶴見俊輔らです。
 今はなき前衛的洋書店アール・ヴィヴァン(東京・池袋)勤務から雑誌「宝島」の編集者を経てライターとなった永江朗が著者です。哲学という言葉が題名に入っているものの、口語体に近い文章で書かれ、親しみやすい書籍です。

「希望名人ゲーテと絶望名人カフカの対話」 頭木弘樹著/飛鳥新社
 名人とは「技芸にすぐれている人。また、その分野で評判の高い人のこと」(出典:デジタル大辞泉)。
 ならば、希望や絶望は技芸なのか?
 優れているとか劣っているとか、比較できるものなのか?
 ……そんな疑問が、つい湧いてきます。
 カフカは「ある朝起きると虫になっていた」ということを考える人です。明るく楽しく愉快に過ごしている人ではなさそうだ、ということは想像に難くないでしょう。しかし、本書で取り上げられているカフカの言葉から読み取れる、カフカの人生に対する「後ろ向きさ加減」は尋常ではありません。あまりの自己否定感と暗さ。いくらなんでも、そこまでしなくてもと、笑いが込み上げてくるほどです。これを名人芸と言わずして何と言おう、と思うわけです。
 著者が「希望名人」だと断定するゲーテの言葉と対比させられているために、カフカの暗さはより一層、際立っています。取り合わせの妙とはこういうことを指すのでしょう。
 著者も述べている通り、絶望している時には、明るい言葉や励ましは心に更なるダメージを与えることがあります。心底人生に絶望している時(もちろん絶望していなくても)、本書を手に取ってみるのも悪くないと思います。

「知識ゼロからの 健康茶入門」 幻冬舎
「日本茶の図鑑 全国の日本茶119種と日本茶を楽しむための基礎知識」 マイナビ
「薬になる中国茶図鑑 茶のチカラ」 講談社
「エンハーブ式 ハーブティー Perfect Book」 河出書房新社
 一口に「お茶」といっても数えきれないほどの種類があります。その中から「健康茶」「日本茶」「中国茶」「ハーブティー」という分類でお茶を紹介する4冊の本を選びました。
 日本茶は地域・種類別から、健康茶と中国茶は体と不調の症状別から適したお茶、ハーブティーは種類別、症状に効くブレンド――という風に、それぞれのお茶を紹介しています。
 たかがお茶、されどお茶です。健康のために毎日続けるお茶も、リラックスタイムのお茶も、身体を内側から美しくしてくれる飲み物として、お茶について知識を深めてみてくだささい。

「日本の身体」 内田樹
 著者の内田樹は思想家、作家であり、武道家(合気道7段)で能を20年学んでいる人です。本書は、茶道家、文楽人形遣い、漫画家、元大相撲力士、マタギなど、日本固有文化、各分野の第一人者とされる人々12人に著者がインタヴューし、まとめたものです。「日本人には日本固有の身体観があり、それに基づく固有の身体技法がある」ことを検証するのが本書の目的であるとし、その身体観を著者は「大地の霊との交感」という言葉に集約しています。
 この一言だけを目にすると、スピリチュアル系へと飛躍した突飛なアイデアと感じる人もいるかもしれません。しかし、本書の読後には、なるほどこれ以外にふさわしい言葉はないと深く頷き、納得できることでしょう。
 「大地の霊との交感」とは、自然との融合、合一を目指す禅の思想ともつながる深みのある言葉です。著者がインタヴューの中で共感という言葉をしばしば使っているのも、決して偶然ではありません。「達人(達した人)」だからこそ体現できる姿、語ることができる言葉に、ぜひ耳を傾けてください。

「こころのおそうじ 読むだけで気持ちが軽くなる本」
「心が休まる本 気持ちの整理がうまくできないあなたへ」
たかたまさひろ
 著者がかつて配信していたメールマガジン「愛する人に愛される方法」を書籍としてまとめたものです。人間ですから、落ち込むこともあります、イライラすることも、ムカムカすることも、泣きたいこともあって当然です。そんな時、荷物を下ろし、ふっと力を抜いて、こんな風に考えてみたら――。そんな考え方のヒントを与えてくれ、疲れた心を癒してくれる本です。
 本当の幸せは、「ありのままの自分を受け入れ、認めること」。そして「ささやかな幸せに満足できること」だと、著者は言います。生きづらさを感じ、「自分が自分ではないような感覚」と自信のなさに悩みもがいていた時期もあった著者ですが、真摯に自分と向き合うことで、人生に目覚めれば「人は誰でも、幸せになれます」と優しいエールを送ってくれます。

「愛するということ」 エーリッヒ・フロム
 原題は"The art of loving"(愛する技術)。フロムは、愛とは誰もが浸れるような感情ではなく「技術である」と言い切ります。
 愛とは、孤独な人間が自分以外の人間と融合し、一体感を得ることで孤独を癒そうとする営みであり、愛こそが人間の根源的な幸福に最も重要で本質的である。にもかかわらず、資本主義にどっぷり浸かった現代社会では、物質的なものだけではなく精神的なものさえも消費と交換する対象に貶められ、私達は愛以外の欲望に振り回されて生きるしかなくなっている。愛を達成するには、ナルシズムを克服し、客観性と理性を身につけ、理にかなった信念と勇気を持たねばならない――。
 エッセンスだけ抜き出してみても、本書が観念的に書かれていることが分かるでしょう。愛の具体的出来事を分析しているものではありません。しかし、出版から50年を経た現在でも、観念的であるがゆえに個々の事例を内包しており、世界的ロングセラーとなってきた書籍です。
 詩人の谷川俊太郎氏は「読む者の人生経験が深まるにつれ、フロムの言葉が大変具体的に胸に響いてくる」と述べています。人間が成熟するにしたがって理解が深まる書籍です。読んだことがある方も多くいらっしゃると思いますが、ぜひ再読をお勧めしたい本です。


100冊あまりの書籍を集めています。
順次ご紹介して参りますので、どうぞお楽しみに。

ページの先頭へ

LIXIL Link to Good Living

Copyright © LIXIL Corporation. All rights reserved.